3月31日に星組公演「こうもり」―こうもり博士の愉快な復讐劇」とショー「THE ENTERTAINER」を観てきました。
いつものように遅い感想です。m(__)m
観劇日はまさに春爛漫、青い空を背景に、花の道の桜ははや満開でした。月末の渋滞を考えて早く出たのですが、なんと9時半に到着。なので、桜の下で写真を撮ったりして花を楽しみながらゆっくりと劇場へ。
劇場の土産物売り場に行ったら、うれしいことに、長らく販売中止になっていた超美味なタカラヅカフィナンシェを発見♪、さらにこれまた絶品の辻利兵衛の抹茶ラングドシャと合わせて確保しました。(笑)
そして、いつもの弁当を買って劇場入り口に。驚いたことに、木曜にもかかわらず、すでに立ち見の長蛇の列ができていました。事前の情報ではチケットが余っているとか聞いていましたが、大違いでした。
今回の私たちの席は最近稀な下手側で、11列通路側の席(ショーの客席降りではヨメさんがハイタッチしてもらって大喜び)で見やすかったです。
まず102期生の口上から始まりました。
芝居の方の「こうもり」は、ご存知ヨハン・シュトラウスのオペレッタですが、最初私はちょっと嫌な予感。
コウモリには以前の体験でいい印象がないし。(笑)
もっと大作を期待していたのに、メリー・ウィドウでやったばかりのオペレッタを何でまた?とちょっとがっかりしていました。それでも北翔海莉なので観逃す手はないよねと、ヨメさんともどもちょっと消極的な感じでの観劇でした。
という前置きはこのくらいで、以下感想になりますが、上記の思い込みは全く外れて、うれしい誤算でした。
とにかく楽しい!歌がすごい!北翔海莉 の薫陶を受けたせいか、星組のみんなが歌ウマになっている!
それでも初めのうちは、普通の芝居を観ている感じで、「なんかテンポが遅いなあ」とか「話がすすまない!」とか思ってみていましたが、コレ、間違いですね。
だいたいオペレッタは他愛のない話が多いので、話のつじつまをチェックするようなものではありませんね。
まあそれでも粗筋としては、公園で泥酔した北翔海莉のファルケ博士がニケの胸像に括り付けられ、翌日その姿が衆人環視の的となって町中の笑いものになり、ファルケ博士が張本人のアイゼンシュタイン伯爵に復讐(というより仕返しですね)するというものですが、もともと酔っぱらいのいたずらにいたずらで返すみたいなノリの単純な話。
それに途中から気付いて、以後気楽に楽しむことにしました。で、見えてきたのは北翔海莉は当然として、相手役の紅ゆずるのアイゼンシュタイン伯爵やアデール役の妃海風の歌が見違えるほどうまくなっていること。
この3人だけでなく、主な登場人物みんな、それぞれの歌が聞きごたえがあり楽しめました。演技も、まず北翔海莉と紅ゆずるのコミカルな応酬が絶品。とくに紅ゆずるのコメディセンスが抜群で、まさに水を得た魚でした。
妃海風もいつの間に練習したのか、別人のような(殴)高音域の伸びにビックリ。長い公演期間なので喉が持つのかと心配になるほどでした。大したものです。
演技も表情豊かで、今の娘トップでは咲妃みゆに並ぶかわいらしさ(あくまで個人の感想です)がありますが、ナウオンとかでの話しぶりでは、かなり妃海風のほうが元気ですね。
全体の感想としては、まあとにかく文句なしに楽しい! 文芸大作とか、波乱万丈の歴史絵巻もいいですが、明るく楽しく歌もたっぷりという今回のような作品もいいですね。
↓当日購入したプログラム表紙です。
で、さっそく幕間に、ヨメさんとリピートすべく日程をチェックしましたが、4月は観劇予定が多く日程に余裕がないし、大体チケットが希望のSの1階席が売り切れということで断念しました。まあショーのほうも盛りだくさんの楽しい出来だったので、一度観たらおなか一杯ということもありましたが。(笑)
幕開きは3年前の仮面踏会という設定で、こうもりのマント(でも黒くないです)のファルケ博士が登場して歌い出し、まずその歌に感心&安心。
その後、博士と親友のアイゼンシュタイン侯爵(紅ゆずる)が酔っ払って公園に行き、復讐の発端となるいたずらの場面になります。でもそんなたかだか酒の上でのイタズラを3年も根に持ち続けて、復讐の機会をうかがうとはファルケ博士もいささかアレな感じですが、まあオペレッタとはそんなもんです。(笑)
ということで以下個別の感想です。いつものように敬称略。(画像はスカステ・ナウオンステージと同ニュースから)
まず北翔海莉。
とにかく持ち前の歌唱力全開で、大劇場の舞台空間いっぱいに歌声を響き渡らせています。まさに宛書で(というか本人の希望でもあったとのことですが)今のタカラヅカでは彼女以外に考えられない演目です。
アデーレ(アイゼンシュタイン侯爵家の侍女です)役の妃海風も、いつの間にこんなに歌えるようになったのかとビックリの見事な高音域の歌で、不覚にも(殴)思わず拍手してしまいました。ただ、こんなに頑張って声が枯れないかとつい心配になりますが。
侍女の質素な衣装から豪華な舞踏会の衣装まで、それに合わせたクルクル変わる表情が楽しませてくれました。
紅ゆずるは、得意のコメディセンスを存分に発揮していますが、あまり期待値が高くなかった(殴)歌が長足の進歩。
普段あまり褒めることのないヨメさんも幕間に「うまくなっているね~」と感想を漏らすほど。
冒頭の酔っ払いの場面から、これぞ二番手!の存在感で北翔海莉と息の合った掛け合いを見せてくれました。アイゼンシュタイン侯爵も彼女以外に考えられない役になっていました。
ほかに目についた役では、まず北翔海莉と相性のいい(と私が勝手に思っている)専科の星条海斗が演じるオルロフスキー公爵(ロシアの皇太子)。
星条海斗はそれほどしどころのある役ではないのですが、有名な「シャンパンの歌」を歌ったり、いかにも皇太子といった威風堂々(笑)の存在感がよかったです。
そして十輝いりすのフランク刑務所長がよかった。
とぼけた刑務所長がいい味です。
舞踏会では怪しげなフランス語を披露して客席を沸かせました。
でもこの二人に挟まれて立つと、北翔海莉が本当に小さく見えます。(笑)
弁護士の七海ひろきや、
アイゼンシュタイン侯爵家の執事アルフレード役の礼真琴は出番が少なく(何しろ獄に入れられてしまうので^^;)、
あまりしどころのない役なのが残念。
↓これはショーの一場面
でもこの二人も、コメディセンスのある軽妙な演技が板についています。そして礼真琴は何といっても歌が抜群の安定感。
サイン色紙をもらってからなぜかファンになった現金な私です。(殴)
実は今回、一番私の印象に残ったのは、ロザリンデ(アイゼンシュタイン侯爵夫人)の夢妃杏瑠です。
夫の浮気に疑心暗鬼となる妻ですが、怒った表情がなんともかわいらしくて(殴)、なぜか応援したくなりました。最近はスカステでよくお目にかかりますが、舞台でこの人に注目したのは今回が初めて。登場場面が少ないですが、頑張っているのが好感度大で、ついオペラで追ってしまった。(笑)
あと、ファルケ博士の恩師ラート教授役はせっかくの専科から汝鳥伶ですが、この人もソロを歌った以外はあまり出番がなかったのがもったいない。でもさすがの存在感でした。この人の持っている特殊拡声器?(声の特定の波長だけを狙った相手に送るとかもっともらしく説明していました(笑))がツボです。
ショー「THE ENTERTAINER!」はスぺクタキュラーというだけあって、初舞台生を動員した人海戦術の相乗効果もあって、見ごたえ十分・お得感タップリ。歌もたっぷり聞かせてくれて、豪華なアンサンブルも素晴らしく、これが作・演出担当の野口幸作の大劇場デビュー作とは思えない完成度。観終えてもう次作が楽しみになりました。
プログラムによれば去年の秋から半年にわたって野口の企画を元に北翔海莉と意見交換を重ね、「今の星組にふさわしい内容で、北翔海莉以外では絶対に上演不可能なショー」にするという点で完全に両者の意見が一致したとのこと。
まさに期間限定の究極の宛書なショーで、テーマはまさに「すべて見せます北翔海莉」(笑)。
私が一番面白かったのは、第3章での、ランドセルみたいなカバンを背負ったみっちゃんの姿。
当時観劇してからずっと私の胸に溜まり続けてきた、「みっちゃんにどうしてこんな役をやらせるのか」という積年の恨みが完全に払拭されました。(笑) 小さな恨みです。(笑)
前後しますがもちろんオープニングも見どころで、北翔海莉が星のゴンドラに乗って舞い降りてきます。
そして全員が白の燕尾にドレスのゴージャスなプロローグに。この場面がおしゃれで、これだけで期待感が高まりました。
プロローグが終わるとすぐに102期生のラインダンスというのも新鮮です。でも、この場面で大階段を見て「あれ、今回も大階段多用?」とチラっと不安になりましたが、102の人文字を描くためと分かって安心しました。(笑)
ロケットのピンクの衣装が、劇場前の満開の桜を連想させてきれいでした。
そしてスターにあこがれる北翔が厳しいオーディションとレッスンを経験し、先のランドセルから赤ん坊、そしてヤブ医者役を経て、ついには主役に抜擢されるという展開です。
なんと妃海風が北翔海莉の歌のレッスン教師です(笑)↓
そして、最後はあっと驚くスパニッシュの場面。この変身が鮮やかです。野口先生、やってくれますね。
黒燕尾姿の男女の群舞でクライマックスに。
このあと北翔がひとり残って、せり上がってきた透明なピアノで弾き語りを披露する見せ場に至る構成の妙が心憎いです。でも小心な私はピアノ演奏についハラハラしたり。(笑)
退団する十輝いりすと↓
デュエットもよかったです。
ジュピターです。
紅ゆずるも場面をたくさんもらっていて、先のとおり歌も立派な出来栄え。やれば出来るもんですね(殴)。
コミカルな演出といえば、星条海斗と十輝いりすがまさかの女装コンビで登場。一瞬私は凍りつきましたが、それもすぐに慣れて(笑)、よく見ると二人ともなかなかの美女(殴)。とくに星条海斗の美脚にはヨメさんもいたく感心していました。
天を衝く(殴)お二方の美脚も披露されて、
でもやはりこちらのほうが安心(笑)
本当に久しぶりに見るいいショーでした。ショーの全般にわたって稀代のエンターテイナー・北翔海莉のすべてが堪能できる仕上がりで、まるで退団ショーかと錯覚してしまいそうでした。
テンポもよくて本当にショーの醍醐味をたっぷり味わえました。期待の新人ショー作家の誕生です。
↓おまけです。
これが最後のナウオン収録となる十輝いりすに出演者から花束贈呈です。
少し前に退団と聞いて、十輝いりすの素朴な飾らない人となりが惜しく、いまだに「クラップしようぜ」が忘れられない私です。退団は残念ですがこれからも応援したいです。色紙はもらっていませんが(殴)。
いつものように遅い感想です。m(__)m
観劇日はまさに春爛漫、青い空を背景に、花の道の桜ははや満開でした。月末の渋滞を考えて早く出たのですが、なんと9時半に到着。なので、桜の下で写真を撮ったりして花を楽しみながらゆっくりと劇場へ。
劇場の土産物売り場に行ったら、うれしいことに、長らく販売中止になっていた超美味なタカラヅカフィナンシェを発見♪、さらにこれまた絶品の辻利兵衛の抹茶ラングドシャと合わせて確保しました。(笑)
そして、いつもの弁当を買って劇場入り口に。驚いたことに、木曜にもかかわらず、すでに立ち見の長蛇の列ができていました。事前の情報ではチケットが余っているとか聞いていましたが、大違いでした。
今回の私たちの席は最近稀な下手側で、11列通路側の席(ショーの客席降りではヨメさんがハイタッチしてもらって大喜び)で見やすかったです。
まず102期生の口上から始まりました。
芝居の方の「こうもり」は、ご存知ヨハン・シュトラウスのオペレッタですが、最初私はちょっと嫌な予感。
コウモリには以前の体験でいい印象がないし。(笑)
もっと大作を期待していたのに、メリー・ウィドウでやったばかりのオペレッタを何でまた?とちょっとがっかりしていました。それでも北翔海莉なので観逃す手はないよねと、ヨメさんともどもちょっと消極的な感じでの観劇でした。
という前置きはこのくらいで、以下感想になりますが、上記の思い込みは全く外れて、うれしい誤算でした。
とにかく楽しい!歌がすごい!北翔海莉 の薫陶を受けたせいか、星組のみんなが歌ウマになっている!
それでも初めのうちは、普通の芝居を観ている感じで、「なんかテンポが遅いなあ」とか「話がすすまない!」とか思ってみていましたが、コレ、間違いですね。
だいたいオペレッタは他愛のない話が多いので、話のつじつまをチェックするようなものではありませんね。
まあそれでも粗筋としては、公園で泥酔した北翔海莉のファルケ博士がニケの胸像に括り付けられ、翌日その姿が衆人環視の的となって町中の笑いものになり、ファルケ博士が張本人のアイゼンシュタイン伯爵に復讐(というより仕返しですね)するというものですが、もともと酔っぱらいのいたずらにいたずらで返すみたいなノリの単純な話。
それに途中から気付いて、以後気楽に楽しむことにしました。で、見えてきたのは北翔海莉は当然として、相手役の紅ゆずるのアイゼンシュタイン伯爵やアデール役の妃海風の歌が見違えるほどうまくなっていること。
この3人だけでなく、主な登場人物みんな、それぞれの歌が聞きごたえがあり楽しめました。演技も、まず北翔海莉と紅ゆずるのコミカルな応酬が絶品。とくに紅ゆずるのコメディセンスが抜群で、まさに水を得た魚でした。
妃海風もいつの間に練習したのか、別人のような(殴)高音域の伸びにビックリ。長い公演期間なので喉が持つのかと心配になるほどでした。大したものです。
演技も表情豊かで、今の娘トップでは咲妃みゆに並ぶかわいらしさ(あくまで個人の感想です)がありますが、ナウオンとかでの話しぶりでは、かなり妃海風のほうが元気ですね。
全体の感想としては、まあとにかく文句なしに楽しい! 文芸大作とか、波乱万丈の歴史絵巻もいいですが、明るく楽しく歌もたっぷりという今回のような作品もいいですね。
↓当日購入したプログラム表紙です。
で、さっそく幕間に、ヨメさんとリピートすべく日程をチェックしましたが、4月は観劇予定が多く日程に余裕がないし、大体チケットが希望のSの1階席が売り切れということで断念しました。まあショーのほうも盛りだくさんの楽しい出来だったので、一度観たらおなか一杯ということもありましたが。(笑)
幕開きは3年前の仮面踏会という設定で、こうもりのマント(でも黒くないです)のファルケ博士が登場して歌い出し、まずその歌に感心&安心。
その後、博士と親友のアイゼンシュタイン侯爵(紅ゆずる)が酔っ払って公園に行き、復讐の発端となるいたずらの場面になります。でもそんなたかだか酒の上でのイタズラを3年も根に持ち続けて、復讐の機会をうかがうとはファルケ博士もいささかアレな感じですが、まあオペレッタとはそんなもんです。(笑)
ということで以下個別の感想です。いつものように敬称略。(画像はスカステ・ナウオンステージと同ニュースから)
まず北翔海莉。
とにかく持ち前の歌唱力全開で、大劇場の舞台空間いっぱいに歌声を響き渡らせています。まさに宛書で(というか本人の希望でもあったとのことですが)今のタカラヅカでは彼女以外に考えられない演目です。
アデーレ(アイゼンシュタイン侯爵家の侍女です)役の妃海風も、いつの間にこんなに歌えるようになったのかとビックリの見事な高音域の歌で、不覚にも(殴)思わず拍手してしまいました。ただ、こんなに頑張って声が枯れないかとつい心配になりますが。
侍女の質素な衣装から豪華な舞踏会の衣装まで、それに合わせたクルクル変わる表情が楽しませてくれました。
紅ゆずるは、得意のコメディセンスを存分に発揮していますが、あまり期待値が高くなかった(殴)歌が長足の進歩。
普段あまり褒めることのないヨメさんも幕間に「うまくなっているね~」と感想を漏らすほど。
冒頭の酔っ払いの場面から、これぞ二番手!の存在感で北翔海莉と息の合った掛け合いを見せてくれました。アイゼンシュタイン侯爵も彼女以外に考えられない役になっていました。
ほかに目についた役では、まず北翔海莉と相性のいい(と私が勝手に思っている)専科の星条海斗が演じるオルロフスキー公爵(ロシアの皇太子)。
星条海斗はそれほどしどころのある役ではないのですが、有名な「シャンパンの歌」を歌ったり、いかにも皇太子といった威風堂々(笑)の存在感がよかったです。
そして十輝いりすのフランク刑務所長がよかった。
とぼけた刑務所長がいい味です。
舞踏会では怪しげなフランス語を披露して客席を沸かせました。
でもこの二人に挟まれて立つと、北翔海莉が本当に小さく見えます。(笑)
弁護士の七海ひろきや、
アイゼンシュタイン侯爵家の執事アルフレード役の礼真琴は出番が少なく(何しろ獄に入れられてしまうので^^;)、
あまりしどころのない役なのが残念。
↓これはショーの一場面
でもこの二人も、コメディセンスのある軽妙な演技が板についています。そして礼真琴は何といっても歌が抜群の安定感。
サイン色紙をもらってからなぜかファンになった現金な私です。(殴)
実は今回、一番私の印象に残ったのは、ロザリンデ(アイゼンシュタイン侯爵夫人)の夢妃杏瑠です。
夫の浮気に疑心暗鬼となる妻ですが、怒った表情がなんともかわいらしくて(殴)、なぜか応援したくなりました。最近はスカステでよくお目にかかりますが、舞台でこの人に注目したのは今回が初めて。登場場面が少ないですが、頑張っているのが好感度大で、ついオペラで追ってしまった。(笑)
あと、ファルケ博士の恩師ラート教授役はせっかくの専科から汝鳥伶ですが、この人もソロを歌った以外はあまり出番がなかったのがもったいない。でもさすがの存在感でした。この人の持っている特殊拡声器?(声の特定の波長だけを狙った相手に送るとかもっともらしく説明していました(笑))がツボです。
ショー「THE ENTERTAINER!」はスぺクタキュラーというだけあって、初舞台生を動員した人海戦術の相乗効果もあって、見ごたえ十分・お得感タップリ。歌もたっぷり聞かせてくれて、豪華なアンサンブルも素晴らしく、これが作・演出担当の野口幸作の大劇場デビュー作とは思えない完成度。観終えてもう次作が楽しみになりました。
プログラムによれば去年の秋から半年にわたって野口の企画を元に北翔海莉と意見交換を重ね、「今の星組にふさわしい内容で、北翔海莉以外では絶対に上演不可能なショー」にするという点で完全に両者の意見が一致したとのこと。
まさに期間限定の究極の宛書なショーで、テーマはまさに「すべて見せます北翔海莉」(笑)。
私が一番面白かったのは、第3章での、ランドセルみたいなカバンを背負ったみっちゃんの姿。
当時観劇してからずっと私の胸に溜まり続けてきた、「みっちゃんにどうしてこんな役をやらせるのか」という積年の恨みが完全に払拭されました。(笑) 小さな恨みです。(笑)
前後しますがもちろんオープニングも見どころで、北翔海莉が星のゴンドラに乗って舞い降りてきます。
そして全員が白の燕尾にドレスのゴージャスなプロローグに。この場面がおしゃれで、これだけで期待感が高まりました。
プロローグが終わるとすぐに102期生のラインダンスというのも新鮮です。でも、この場面で大階段を見て「あれ、今回も大階段多用?」とチラっと不安になりましたが、102の人文字を描くためと分かって安心しました。(笑)
ロケットのピンクの衣装が、劇場前の満開の桜を連想させてきれいでした。
そしてスターにあこがれる北翔が厳しいオーディションとレッスンを経験し、先のランドセルから赤ん坊、そしてヤブ医者役を経て、ついには主役に抜擢されるという展開です。
なんと妃海風が北翔海莉の歌のレッスン教師です(笑)↓
そして、最後はあっと驚くスパニッシュの場面。この変身が鮮やかです。野口先生、やってくれますね。
黒燕尾姿の男女の群舞でクライマックスに。
このあと北翔がひとり残って、せり上がってきた透明なピアノで弾き語りを披露する見せ場に至る構成の妙が心憎いです。でも小心な私はピアノ演奏についハラハラしたり。(笑)
退団する十輝いりすと↓
デュエットもよかったです。
ジュピターです。
紅ゆずるも場面をたくさんもらっていて、先のとおり歌も立派な出来栄え。やれば出来るもんですね(殴)。
コミカルな演出といえば、星条海斗と十輝いりすがまさかの女装コンビで登場。一瞬私は凍りつきましたが、それもすぐに慣れて(笑)、よく見ると二人ともなかなかの美女(殴)。とくに星条海斗の美脚にはヨメさんもいたく感心していました。
天を衝く(殴)お二方の美脚も披露されて、
でもやはりこちらのほうが安心(笑)
本当に久しぶりに見るいいショーでした。ショーの全般にわたって稀代のエンターテイナー・北翔海莉のすべてが堪能できる仕上がりで、まるで退団ショーかと錯覚してしまいそうでした。
テンポもよくて本当にショーの醍醐味をたっぷり味わえました。期待の新人ショー作家の誕生です。
↓おまけです。
これが最後のナウオン収録となる十輝いりすに出演者から花束贈呈です。
少し前に退団と聞いて、十輝いりすの素朴な飾らない人となりが惜しく、いまだに「クラップしようぜ」が忘れられない私です。退団は残念ですがこれからも応援したいです。色紙はもらっていませんが(殴)。