『黒豹の如く』と『Dear DIAMOND!!』を観てきました。
6年トップだった星組・柚希礼音と夢咲ねねの退団公演。しかも多くの名作を生んだ柴田侑宏の久々のオリジナル書き下ろしの脚本、加えてその演出は『黒い瞳』や『激情』、『凱旋門』など柴田作品を多く手掛けてきた謝珠恵とあって、大いに期待して出かけました。
木曜日なのに劇場は立ち見の出る盛況ぶりで、人気トップコンビの最後を飾る公演への期待の高さを物語っていました。
でその結果は…。
大ゴケ(泣)。
ショーはそうでもないのですが、芝居のほうはまあ最近お目にかかったことがないような凡作でした。脚本がダメ。
ということで、以下、ネタバレありでかなりの酷評になっていますので、未見の方はスルーが吉です。
いつものように敬称略。画像は当日買ったプログラムのスキャン画像とスカステ番組のキャブチャです。後者はボケボケですが、雰囲気だけでもどうぞ。
で芝居ですが、出だしはいい感じでした。
オットセイの玉乗りみたいな(殴)海の精のダンスから始まって、パイレーツな格好の柚希礼音が、船上でダイナミックで精悍なダンスを見せてくれて、導入は上々の出来でした。船をシンボライズしたセットもシンプルだが迫力があっていい感じです。
そのあと、第一次世界大戦終戦2年目の1920年11月11日のパーティー場面に変わり、英真なおき扮するアントニオの叔父バンデラス侯爵(名前のネタはアントニオ・バンデラスですか^^;)が狂言回しでストーリーの背景や人物設定を説明した後、柚希礼音のアントニオが登場。そして夢咲ねね扮するカテリーナと3年ぶりに再会というところから話が始まります。
ここまでは本当に上々でした。
わくわくしながら観ていた私は、「ひょっとして名作かも」と予感しながら、そのあとの展開を楽しみにしていたのですが‥。
盛り上がったのはここまで (泣) 。
話の核心になる3年前の二人のそもそもの関係が舞台上で展開されないまま、ナレーションや説明台詞に頼りながら話を進めていくので、急速にテンションが下がってきました。話が全然進まない。^^;
同じようなシーンの連続なので、まぶたが急速に重くなってきました。(笑)
最近にないことです。
でも横のヨメさんに気取られないように、必死になって抵抗しても、つい睡魔に負けて何度かコックリとな。
まあ後半は少し展開があったので、どうやら睡魔との戦いは終わりましたが、代わりに途中から結末の予測が出来てきたりして、かなり白けてきました。
残念でした。『激情』とか『琥珀色の雨にぬれて』とか数々の名作を生んだ柴田侑宏はどこに行ったのでしょうか。
大体、この話、本当に『黒豹』だったのは先祖で、本人も同じく黒豹といわれたといっても、舞台では大半が参謀部勤務。
時代設定も疑問で、そもそも1920年代のスペインは、のちのフランコ総統の軍事独裁政権の前身となる勢力が軍隊内に台頭しつつある時期。
そこで立身出世する主人公というのはいかがなものか。(笑)
まあ敵役のスペイン随一の大富豪アラルコン(紅ゆずる)が勧めるナチス軍への転身は拒否していますが、それを断られた報復としてアラルコンがカテリーナ(夢咲ねね)を誘惑するというのもリアリティゼロで、説得力ナシですね。
大体、将来を嘱望された気鋭の高級将校を、侯爵とはいえ一民間人が「恋人がどうなってもいいのか」と脅迫して翻意させようとするのはどうみても無理筋。(笑)
それと、話に薬味を効かせたつもりの「毒殺説」が最後までちゃんと説明されず、効果なし。
アントニオやカテリーナ、アラルコン以外の役はほとんどしどころがなく、周辺の人間関係がきちんと書込まれていないため、みんな苦労しています。
そのあたりは、Now On Stageでリアルに語られていて面白いです。「役作りしようにもつじつまが合わないので悩んだ」とか言っていたのが率直で可笑しかったです。これ↓、必見の番組です。(笑)
では個々の人物について。
まず柚希礼音のアントニオ。海賊姿からシルバーグレイの軍服姿まで精悍な風貌で舞台映えがしました。
↓元祖『黒豹』です こちらで話を作ってほしかった!
二代目↓はどこが『黒豹』なのか劇中で展開されないので、よくわからない人物でした。
でも人物描写が乏しいのに、柚希礼音はよく頑張っていましたが、先に書いたように肝心のカテリーナとの過去の恋愛の経過が描かれていないので、二人の関係がイメージできませんね。
サヨナラ公演だし大恋愛ものだろうと期待していくと大外れです。
でもこんな場面では息の合ったコンビぶりです。
それと、ナチスに協力しないというアントニオでしたが、結局激動のスペインでどういう立場だったのか、最後まで不明でした。
この舞台の背景となる時期のスペインは、ミゲル・プリモ・デ・リベラ将軍率いる愛国同盟による軍事独裁政権(1923年 - 1930年)の時代です。
この時代にアントニオが参謀長まで立身出世し、最後はモロッコに向かうということは、スペイン領モロッコで始まった植民地支配に抵抗する第3次リーフ戦争の鎮圧に参加するためということですね。ちなみにこの戦争で功をあげたのが、その後のスペイン戦争を経て長期にわたる軍事独裁政権を率いたフランシスコ・フランコで、スペイン軍はこのリーフ戦争では毒ガスまで使用しています。
ということで、その経過から見ればアントニオもなんともダーティな役割を担ったことになってしまい、同じ脚本家の『誰がために鐘は鳴る』とは真逆の歴史観の作品になりますね。
まあ何でもアリーナなタカラヅカなので、固い話はヤボかもしれませんが。
カテリーナの夢咲ねねも、今回の舞台では不完全燃焼な役でした。6年間の娘トップの舞台経験の成果で、大人の女性として、かつての恋人と再会して揺れ動く未亡人役を好演していましたが、この作品が最後かとおもうと残念感大アリでした。やはり回想シーンでもいいので、二人のなれ初めの場面が欲しかったですね。
そして最後が離れ離れ。これでは観ているこちらも肩すかしされた気分で不完全燃焼。主人公たちに感情移入できないまま幕が下りてしまいました。
敵役のビクトル・デ・アラルコンの紅ゆずるです。
権謀術数に長けたスペインの大富豪というにはちょっと貫禄不足な紅ですが、スカステでみた『風とともに‥』のレットバトラーよりははるかにいいと思いました。貫禄という点では十輝いりすのほうが役に合っていたかも。
この人の歌はけっこう出来不出来がはっきり分かれる感じですね。あくまで私の感想にすぎませんが。
悪役としてもっと迫力のある憎々しさや嫌な奴ぶりが出たらと惜しまれました。
どこかサラッとしたところが抜け切れないですね。プライドが傷つけられたというだけで悪事を企むというのでは、本気になれないのかも知れませんが。(笑)
セバスチャン・デ・ディアスの十輝いりすもかわいそうな役です。
舞台では貫禄もあり堂々とした押し出しで目立ちますが、人物設定が省略されすぎで気の毒です。最後のどんでん返しもセリフで説明されるだけでは全く効果なし。もっと説得力のある伏線がちゃんと敷かれていたら納得でしたが。
もっとしどころのない役がアントニオの部下ラファエル・デ・ビスタシオの真風涼帆。
これで組替えだと思うと残念でした。
壱城あずさ・天寿光希・礼真琴の3人組も英真なおきとともにナレーション役を務めていますが、まあそれだけでしかない、一山幾ら(殴)な役です。
その英真なおき。この人を見るたびに私は『王家‥』での組長挨拶が心に残っていますが、今回も彼女ならではの、味のある演技で印象に残りました。今では少なくなった組生え抜きのトップ・柚希礼音の退団は、彼女にとっても感慨深いものがあるでしょうね。
あと男役では、麻央侑希がアラルコンの子分役で、格好の良さで目立っていました。でも、まあそばにいるだけの役。まあスタイルの良さはショーでも一際目立っていましたが。
女役では、ダンサーでアラルコンの愛人アルヴィラ役の妃海風が濃いキャラクタでもうけ役でした。でも個人的にはこの公演で退団する音花ゆりにこの役をやって欲しかったですね。彼女の美声がもう聞けないかと思うと、本当に残念な退団です。
舞台装置も不満でした。最初に書いたように船のセットみたいなのはよかったのですが、あとはだんだんしょぼくなってきて、最後のほうはLED丸見えのチープな台だけ。全く盛り上がらず。
これが『激情』みたいに濃密でよく練られた脚本だったら、少々セットが簡素でも気になりませんが、今回のように薄い芝居だと余計手抜きに見えてしまいますね。ナポレオンとまではいかなくても、せめてアンドレア・シェニエぐらいの装置が欲しかったです。
ショーの方は、101年ということで柚希を101カラットの宝石に見立てたショー。
いきなり柚希礼音が銀橋から登場。ダンスは見ごたえありでした。
こんなフラフープみたいな場面もあり
途中以前の『ノバ・ボサノバ』公演でドアボーイを演じた柚希礼音が同じ場面を再現したりして楽しませます。衣装の色は柚希礼音のこだわりで以前の色を再現したとか。
夢咲ねねです
ブランコで登場
紅の妖艶なダンスや、礼真琴の歌も聞きどころです。
続くラインダンスでは麻央侑希がひときわ目立つスタイルの良さでセンターに立っていました。
その後柚希礼音が二階席に登場するサービスもあって客席は盛り上がりました。
こんな場面もあったり
でも途中までは、最近では珍しくサヨナラ公演らしさが感じられなかったのですが、舞台に神輿が登場してから一気にサヨナラショーモード全開。私の横の女性は思わず声をあげて拍手。
ただ、やはり全体として壮一帆や稀凰かなめのときのように柚希礼音がソロで歌う場面が少なくて残念でした。
そうそう、音花ゆり、シャウトしたりして頑張っていました。専科に残ってくれたらと本当に残念です。
ということで、興行的には退団フィーバーで大成功でしょうが、いろいろ思うところも多い今回の観劇でした。
芝居の残念感・多大だったので、贔屓コンビの退団公演なのに帰りの車中でもガッカリであまり話題にはならず、次期トップの話題に切り替えて帰宅しました。(笑)
その次期トップ、これまた200%ありえないと思っていた仰天人事(100周年記念のどんな公演もイベントもかすむほどの青天の霹靂!!)ですが(笑)、基本的に長くみっちゃん贔屓だった私たちですので、今はいいトップぶりを披露してほしいと願うばかりです(笑)。
↓おまけです。
Now on Stage恒例の花束贈呈です。この二人、6年間本当に楽しませてくれました。
お疲れ様でした。そして新しいステージでの活躍を期待しています。
6年トップだった星組・柚希礼音と夢咲ねねの退団公演。しかも多くの名作を生んだ柴田侑宏の久々のオリジナル書き下ろしの脚本、加えてその演出は『黒い瞳』や『激情』、『凱旋門』など柴田作品を多く手掛けてきた謝珠恵とあって、大いに期待して出かけました。
木曜日なのに劇場は立ち見の出る盛況ぶりで、人気トップコンビの最後を飾る公演への期待の高さを物語っていました。
でその結果は…。
大ゴケ(泣)。
ショーはそうでもないのですが、芝居のほうはまあ最近お目にかかったことがないような凡作でした。脚本がダメ。
ということで、以下、ネタバレありでかなりの酷評になっていますので、未見の方はスルーが吉です。
いつものように敬称略。画像は当日買ったプログラムのスキャン画像とスカステ番組のキャブチャです。後者はボケボケですが、雰囲気だけでもどうぞ。
で芝居ですが、出だしはいい感じでした。
オットセイの玉乗りみたいな(殴)海の精のダンスから始まって、パイレーツな格好の柚希礼音が、船上でダイナミックで精悍なダンスを見せてくれて、導入は上々の出来でした。船をシンボライズしたセットもシンプルだが迫力があっていい感じです。
そのあと、第一次世界大戦終戦2年目の1920年11月11日のパーティー場面に変わり、英真なおき扮するアントニオの叔父バンデラス侯爵(名前のネタはアントニオ・バンデラスですか^^;)が狂言回しでストーリーの背景や人物設定を説明した後、柚希礼音のアントニオが登場。そして夢咲ねね扮するカテリーナと3年ぶりに再会というところから話が始まります。
ここまでは本当に上々でした。
わくわくしながら観ていた私は、「ひょっとして名作かも」と予感しながら、そのあとの展開を楽しみにしていたのですが‥。
盛り上がったのはここまで (泣) 。
話の核心になる3年前の二人のそもそもの関係が舞台上で展開されないまま、ナレーションや説明台詞に頼りながら話を進めていくので、急速にテンションが下がってきました。話が全然進まない。^^;
同じようなシーンの連続なので、まぶたが急速に重くなってきました。(笑)
最近にないことです。
でも横のヨメさんに気取られないように、必死になって抵抗しても、つい睡魔に負けて何度かコックリとな。
まあ後半は少し展開があったので、どうやら睡魔との戦いは終わりましたが、代わりに途中から結末の予測が出来てきたりして、かなり白けてきました。
残念でした。『激情』とか『琥珀色の雨にぬれて』とか数々の名作を生んだ柴田侑宏はどこに行ったのでしょうか。
大体、この話、本当に『黒豹』だったのは先祖で、本人も同じく黒豹といわれたといっても、舞台では大半が参謀部勤務。
時代設定も疑問で、そもそも1920年代のスペインは、のちのフランコ総統の軍事独裁政権の前身となる勢力が軍隊内に台頭しつつある時期。
そこで立身出世する主人公というのはいかがなものか。(笑)
まあ敵役のスペイン随一の大富豪アラルコン(紅ゆずる)が勧めるナチス軍への転身は拒否していますが、それを断られた報復としてアラルコンがカテリーナ(夢咲ねね)を誘惑するというのもリアリティゼロで、説得力ナシですね。
大体、将来を嘱望された気鋭の高級将校を、侯爵とはいえ一民間人が「恋人がどうなってもいいのか」と脅迫して翻意させようとするのはどうみても無理筋。(笑)
それと、話に薬味を効かせたつもりの「毒殺説」が最後までちゃんと説明されず、効果なし。
アントニオやカテリーナ、アラルコン以外の役はほとんどしどころがなく、周辺の人間関係がきちんと書込まれていないため、みんな苦労しています。
そのあたりは、Now On Stageでリアルに語られていて面白いです。「役作りしようにもつじつまが合わないので悩んだ」とか言っていたのが率直で可笑しかったです。これ↓、必見の番組です。(笑)
では個々の人物について。
まず柚希礼音のアントニオ。海賊姿からシルバーグレイの軍服姿まで精悍な風貌で舞台映えがしました。
↓元祖『黒豹』です こちらで話を作ってほしかった!
二代目↓はどこが『黒豹』なのか劇中で展開されないので、よくわからない人物でした。
でも人物描写が乏しいのに、柚希礼音はよく頑張っていましたが、先に書いたように肝心のカテリーナとの過去の恋愛の経過が描かれていないので、二人の関係がイメージできませんね。
サヨナラ公演だし大恋愛ものだろうと期待していくと大外れです。
でもこんな場面では息の合ったコンビぶりです。
それと、ナチスに協力しないというアントニオでしたが、結局激動のスペインでどういう立場だったのか、最後まで不明でした。
この舞台の背景となる時期のスペインは、ミゲル・プリモ・デ・リベラ将軍率いる愛国同盟による軍事独裁政権(1923年 - 1930年)の時代です。
この時代にアントニオが参謀長まで立身出世し、最後はモロッコに向かうということは、スペイン領モロッコで始まった植民地支配に抵抗する第3次リーフ戦争の鎮圧に参加するためということですね。ちなみにこの戦争で功をあげたのが、その後のスペイン戦争を経て長期にわたる軍事独裁政権を率いたフランシスコ・フランコで、スペイン軍はこのリーフ戦争では毒ガスまで使用しています。
ということで、その経過から見ればアントニオもなんともダーティな役割を担ったことになってしまい、同じ脚本家の『誰がために鐘は鳴る』とは真逆の歴史観の作品になりますね。
まあ何でもアリーナなタカラヅカなので、固い話はヤボかもしれませんが。
カテリーナの夢咲ねねも、今回の舞台では不完全燃焼な役でした。6年間の娘トップの舞台経験の成果で、大人の女性として、かつての恋人と再会して揺れ動く未亡人役を好演していましたが、この作品が最後かとおもうと残念感大アリでした。やはり回想シーンでもいいので、二人のなれ初めの場面が欲しかったですね。
そして最後が離れ離れ。これでは観ているこちらも肩すかしされた気分で不完全燃焼。主人公たちに感情移入できないまま幕が下りてしまいました。
敵役のビクトル・デ・アラルコンの紅ゆずるです。
権謀術数に長けたスペインの大富豪というにはちょっと貫禄不足な紅ですが、スカステでみた『風とともに‥』のレットバトラーよりははるかにいいと思いました。貫禄という点では十輝いりすのほうが役に合っていたかも。
この人の歌はけっこう出来不出来がはっきり分かれる感じですね。あくまで私の感想にすぎませんが。
悪役としてもっと迫力のある憎々しさや嫌な奴ぶりが出たらと惜しまれました。
どこかサラッとしたところが抜け切れないですね。プライドが傷つけられたというだけで悪事を企むというのでは、本気になれないのかも知れませんが。(笑)
セバスチャン・デ・ディアスの十輝いりすもかわいそうな役です。
舞台では貫禄もあり堂々とした押し出しで目立ちますが、人物設定が省略されすぎで気の毒です。最後のどんでん返しもセリフで説明されるだけでは全く効果なし。もっと説得力のある伏線がちゃんと敷かれていたら納得でしたが。
もっとしどころのない役がアントニオの部下ラファエル・デ・ビスタシオの真風涼帆。
これで組替えだと思うと残念でした。
壱城あずさ・天寿光希・礼真琴の3人組も英真なおきとともにナレーション役を務めていますが、まあそれだけでしかない、一山幾ら(殴)な役です。
その英真なおき。この人を見るたびに私は『王家‥』での組長挨拶が心に残っていますが、今回も彼女ならではの、味のある演技で印象に残りました。今では少なくなった組生え抜きのトップ・柚希礼音の退団は、彼女にとっても感慨深いものがあるでしょうね。
あと男役では、麻央侑希がアラルコンの子分役で、格好の良さで目立っていました。でも、まあそばにいるだけの役。まあスタイルの良さはショーでも一際目立っていましたが。
女役では、ダンサーでアラルコンの愛人アルヴィラ役の妃海風が濃いキャラクタでもうけ役でした。でも個人的にはこの公演で退団する音花ゆりにこの役をやって欲しかったですね。彼女の美声がもう聞けないかと思うと、本当に残念な退団です。
舞台装置も不満でした。最初に書いたように船のセットみたいなのはよかったのですが、あとはだんだんしょぼくなってきて、最後のほうはLED丸見えのチープな台だけ。全く盛り上がらず。
これが『激情』みたいに濃密でよく練られた脚本だったら、少々セットが簡素でも気になりませんが、今回のように薄い芝居だと余計手抜きに見えてしまいますね。ナポレオンとまではいかなくても、せめてアンドレア・シェニエぐらいの装置が欲しかったです。
ショーの方は、101年ということで柚希を101カラットの宝石に見立てたショー。
いきなり柚希礼音が銀橋から登場。ダンスは見ごたえありでした。
こんなフラフープみたいな場面もあり
途中以前の『ノバ・ボサノバ』公演でドアボーイを演じた柚希礼音が同じ場面を再現したりして楽しませます。衣装の色は柚希礼音のこだわりで以前の色を再現したとか。
夢咲ねねです
ブランコで登場
紅の妖艶なダンスや、礼真琴の歌も聞きどころです。
続くラインダンスでは麻央侑希がひときわ目立つスタイルの良さでセンターに立っていました。
その後柚希礼音が二階席に登場するサービスもあって客席は盛り上がりました。
こんな場面もあったり
でも途中までは、最近では珍しくサヨナラ公演らしさが感じられなかったのですが、舞台に神輿が登場してから一気にサヨナラショーモード全開。私の横の女性は思わず声をあげて拍手。
ただ、やはり全体として壮一帆や稀凰かなめのときのように柚希礼音がソロで歌う場面が少なくて残念でした。
そうそう、音花ゆり、シャウトしたりして頑張っていました。専科に残ってくれたらと本当に残念です。
ということで、興行的には退団フィーバーで大成功でしょうが、いろいろ思うところも多い今回の観劇でした。
芝居の残念感・多大だったので、贔屓コンビの退団公演なのに帰りの車中でもガッカリであまり話題にはならず、次期トップの話題に切り替えて帰宅しました。(笑)
その次期トップ、これまた200%ありえないと思っていた仰天人事(100周年記念のどんな公演もイベントもかすむほどの青天の霹靂!!)ですが(笑)、基本的に長くみっちゃん贔屓だった私たちですので、今はいいトップぶりを披露してほしいと願うばかりです(笑)。
↓おまけです。
Now on Stage恒例の花束贈呈です。この二人、6年間本当に楽しませてくれました。
お疲れ様でした。そして新しいステージでの活躍を期待しています。