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宝塚花組公演「邪馬台国の風」&レビュー・ファンタシーク「Sante‼」 観てきました

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花組新トップコンビの大劇場披露目公演「邪馬台国の風」(中村暁作・演出)とレビュー・ファンタシーク「Sante‼」~最高級のワインをあなたに~(藤井大介作・演出)を観てきました。
当日は道路の渋滞もなく、一時間余りで劇場駐車場へ。売店でいつものタカラヅカ・フィナンシェを買ったり、郵便局で切手を買ったりした後、開場となり、客席へ。11列の上手端の席でした。修学旅行生も観劇していて、立ち見とまでは行かなくても、ほぼ満員の盛況でした。

という前置きはこのくらいで、例によって薄い感想です。でもネタバレあり&芝居のほうは絶賛モードには程遠いので、未見の方はここで華麗にスルー!が吉です。いつもの通り敬称略。
 画像はプログラムとNow on Stageの画面撮影です。

「邪馬台国~」は、邪馬台国と狗奴(クナ)国との抗争を軸に、明日海りおのタケヒコと、仙名彩世演じる巫女マナ/女王・卑弥呼との出会いと別れの物語です。まあ史実そのものがわかっていないので、かなり自由に創作されたお話でした。


幕が上がって白装束の邪馬台国の兵士たちが登場、そこに黒い衣装の狗奴国の兵士が乱入、激しい戦闘場面が展開するというところから物語は始まりました。

そのあと狗奴の兵士に追われて、森に逃げ込んだタケヒコ少年(華優希)が、渡来人の老人李淵(高翔みず希)と出会い、生活の知恵を習得し、棒術もマスター。でしばらくして突然タケヒコは成人した姿に変身。まあ「ベルばら」でおなじみの演出で、「あっという間だったな」という李淵の台詞が笑わせてくれました。
でもヨメさんは「やっぱり少年役は要らんと思うけど。」(笑) 

それと李淵が武術の達人のはずがあっさり殺されてしまうのもちょっと残念でした。それと李淵の「自身の宿命は変えることができないが、自分の生きる道は自分で切り開いていける」という言葉も、はじめはなるほどと思ったのですが、よく考えると意味が???。(笑)

それはさておき、話はタケヒコとマナの運命的な恋(といってもあまり絡まない^^;)と別れ、タケヒコに信頼を寄せる邪馬台国の兵士たちとのエピソードなど、破綻なく話は進んでいきますが、なんとなく「ベルばら」と「王家~」をミックスしたみたいな香りが各所に漂っていてややデジャヴ感も。

一番残念だったのは、役も多く、盛り沢山な話なのに、それが最後に大クライマックス!!な場面に収斂していかず、終わってみればやや平板で、あまり気分が高揚しないまま終わってしまったことです。

私は狗奴国の大軍勢が、最短距離の峡谷を通過して邪馬台国に攻め込もうとしたものの、まんまと邪馬台国軍の術中にはまり、カスター将軍と第七騎兵隊みたいな敗北を喫する大スペクタクル殲滅戦(まあ映画ではないのでそこまでは無理かな^^;)を期待していたのですが、見事にスルーされていました。(笑)

狗奴国の首脳部は、何度も峡谷を通るかどうかで議論が分かれていたので、映像表現でもいいから、決戦シーンが欲しかったですね。
そして最後も「え、これで終わり?」みたいな地味な場面で幕となったのもビックリ。

明日海りおのタケヒコは、この人の持ち味のさわやかさと凛々しさ溢れる青年で、安定した歌唱力と演技で好演していました。






カリスタ~」の主人公にも通じる、辛い過去にも挫けず、強い信念を秘めつつひたむきに生きる青年という役どころがぴったりでした。棒術もマスターしていて見ごたえがありました。
しかしこの人、ナウオンでの対談を見ていると本当に民主的な(笑)トップさんです。
よくある、自説を延々と開陳して止まらない、といったトップ(誰とは言いませんが(笑))とは真逆で、組のメンバーに対してもあくまでも控えめで謙虚なので、「もう少しアグレッシブにしてもいいのでは」といつも歯がゆく思ったりします。(笑)
ナウオンです↓


今回がトップ娘役の大劇場お披露目公演の仙名彩世は、やはり定評のある歌で、演技も自然で、明日海りおとのバランスも良くいいコンビでしたが、意外に台詞の声はかわいらしくて(殴)、ちょっと私のイメージとは違っていました。なにしろ私的にはあの「ファントム」の新人公演でのカルロッタのインパクトがあまりにも強烈だったので。(笑)


狗奴国の将クコチヒコの芹香斗亜は、あまり私は見たことがない黒い役ですが、ますます逞しくなっていました。



でも二番手の重圧なのかちょっとやつれ気味に見えるのが心配ですね。しかし前から何度も言いますが、数年前のおとなしめな雰囲気から別人の成長ぶりで、憎々しい敵役を好演していて存在感も十分。歌もよかったです。

邪馬台国の兵士たちも、邪馬台国の兵の長・アシラの鳳月杏をはじめ、フルドリの柚香光とツブラメの水美舞斗がいい役回りで目立っていました。


専科から特出の星条海斗も、いつもと変わらぬ堂々たる偉丈夫ぶり(笑)の狗奴国の王ヒミクコを演じていて、期待どおりの存在感。


美穂圭子の大巫女もさすがの歌で、こちらも圧倒的な存在感でした。


あとは、私が勝手にひいきにしている花野じゅりあのアケヒも頑張っていて、出番も多くて満足でした。(殴) 

でも何度も言いますが、盟神探湯(くがたち)とか日食とか、結構エピソードが多く、ちゃんと伏線も張られていたりして、展開に破綻はないのですが、ここ一番の山場というか見せ場に欠けていて、幕が下りたら淡々とした印象しか残りませんでした。
でも、個性の際立つしっかりした役作りで、登場人物も多いので、一度は観ておくべき作品です。(といってももう手遅れか(殴))

一方「Sante‼」はよかったですねえ。
ショーでこんなに楽しめたのは最近なかったです。
大体、以前に大階段出しっぱなしという横着なショー(笑)を観て大ガッカリだったので、藤井大介作・演出というだけで全く期待していませんでした。m(__)m

でも、今回はそんな先入観は粉砕されました。

オープニングで芹香・瀬戸・鳳月・水美・柚香(5大ワインだそうです)が女装で登場したのにまず意表を突かれ、そのあと明日海りおのバッカスが天使を従えて登場。ワインでこの世界を幸せにすると歌ったあと、今度は一転、バッカスはマントを脱ぎ捨てると最高級ワインに変身(おいしそうなブドウがぶら下がっていて面白い!)、周囲も一気に同じ衣装に変わって群舞となります。
ここでもう完全に舞台に引き込まれてしまいました。







明日海、芹香のしゃれたダンス場面も魅力的で、そのあと「モン・パリ」や「ラビアンローズ、柚香が加わった「カン・カン」をアレンジしたラインダンスなど、まったく飽きさせない構成で見惚れます。




専科の美穂圭子のエディット・ピアフも大したものでした。

芝居でも聴かせてくれましたが、ショーではまさに水を得た魚、これぞシャンソンという美声を披露してくれました。星条海斗もマルセル・セルダンに扮して頑張っていました。(笑)

フィナーレのトップコンビのデュエットダンスも、ANJUの振付と芹香の歌でショーのいい締めくくりになっていました。明日海りおが細い体でリフトを頑張っていて、ついこちらも落としはしないか(笑)と、ハラハラして肩に力が入ってしまったり。(笑)



エトワールは珍しく3人組。人材豊富です。

幕が下りたら、私たちだけでなく周りの皆さんも「良かった!よかった!」と大絶賛!
客席全体がこんなに盛り上がったショーは本当に久しぶりでした。

目新しい場面とか、奇を衒った演出とかがあったわけではなく、まっとうな正統派のショーでしたが、どの場面も魅力的で、歌とダンス、衣装のセンス、豪華な舞台装置のすべてがしっとり美しくて飽きさせない。もともとショーの良さなどわからない私ですが、今回だけはずっと「すごいな、きれいだな」と感動しっぱなしでした。

こんなショーはそうそうお目にかかれませんね。
ヨメさんは「ショーだけ、もういっぺんみたいな」と言っていましたが、まったく同感。

オススメです。




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