新年早々1月2日に、本年最初のタカラヅカ観劇してきました。観劇前は、芝居がシェイクスピアの伝記ということで、いったいどんな話になるのか予測できず、あまり期待出来ないまま大劇場に向かいました。今回は帰省した娘夫婦も同行でした。
正月でガラすきの道を快走して一時間かからず大劇場の駐車場へ。
今回は珍しく下手側13列での観劇です。開場前に、顔馴染みになっていたスタッフさんと新年のあいさつを交わして、ホッコリ暖かな気持ちで客席へ。
通常オンラインチケットでは上手側ブロックからの選択になりますが、体の不自由なヨメさんの利用するトイレは下手側なので、今回は助かりました。
ちなみにそのトイレ、ようやく自動ドアになったのはいいのですが、中のセンサー位置が全く不適当で、介助者に反応してドアがすぐ開くのは困ったものです。
という前置きはこのくらいで、感想です。
で、まず結論から。本当によかったです~♪ 一家3人感心しまくり。なぜ3人かというと、娘のダンナは日本語がわからないので評価に加われないから(殴)。まあそもそもタカラヅカ(というか演劇自体)に関心がなさそうだし。(笑)
私はシェイクスピアがどんな人だったのか全く知らなかった(知っていたのはヨメさんがアン・ハサウェイというぐらい)のですが、今回の公演でその個人史の概略がわかってよかったです。
とくに父親が皮手袋職人だったこととか、父親ともどもジェントルマンの象徴である紋章を得ることが悲願だったこととか、人間臭い一面がよく描かれていて、タメになります。(笑) また夭折する息子がハムレットというのも初めて知りました。
ただし脚本では省略されていることも多々あって、史実ではシェイクスピアの兄弟が8人いたとか、アンは8歳も年上の姉さん女房だったとか、アンとの間に3人の子供がいたとか、出来ちゃった婚だったとかは出てきません。(笑) まあ二本物の限られた上演時間では、これらが省略されても当然ですね。
観劇後に、泥縄ですがシェイクスピアについて少し調べてみましたが、その経歴についてはナゾの多い人物ですね。
もともとが庶民の出自なので当然ですが、結婚後ロンドンに出てくるまでの期間も、どこで何をしていたのか不明。
でもそんな空白の期間を、生田大和さんは想像力を存分に働かせて、色々なエピソードをちりばめて、面白い話に仕立て上げていました。
ストーリー全体は権謀術数渦巻くシリアスなものですが、その中に巧みに恋あり・笑いあり・涙ありの話を織り込んで、起伏に富んだ物語が作り上げられていました。本当に、よくこんなにうまく舞台化できたものだと感心しました。
タカラヅカで今を時めく小池センセイでも、ヒット作はベースになる作品があってこそで、全くの一から書き下ろしたオリジナル作品ではさほど成果がないのに(あくまで個人の感想です)、こんなに完成度の高い脚本を書くとは、生田大和さん、本当に大したものです。気が早いですが、次の作品にも大いに期待できます。(笑)
全体の感想では舞台装置もよかった。そして当然ながら衣装も豪華で、しかも庶民の衣装はリアル。音楽も耳に残るいい曲が多くよかったです。音楽と言えば随所にあるアンサンブルも素晴らしかった。
それでは出演者ごとに感想です。例によって敬称略です。最小限のネタばれアリなのでご注意を。
まずウィリアム・シェイクスピアの朝夏まなと。
歌も演技も文句なしで素晴らしい。主題歌「ウイル・イン・ザ・ワールド」がいつまでも耳に残ります。
彼女は「王家‥」でも頑張っていましたが、やはり彼女はこういう文人タイプの方が適役ですね。伸びのあるクリアな歌、演技も自然でリアルで説得力大でした。アンとの恋とその後の確執、彼女と息子を失った苦悩ぶりもよく表現されていました。観終わって「翼ある人々」にも通じる爽快さを感じました。
その妻アン・ハサウェイの実咲凜音も頑張っていました。歌もよく朝夏まなとと合っていて、演技も嫌味がなくナチュラル。この人については前トップ男役との関係とかいろいろ思うこともありますが、こと今回の舞台についてはその熱演ぶりが伝わってきて、本当に感心しました。当たり前ですが、役者は舞台での評価がすべてですね。
エリザベス1世の美穂圭子も素晴らしかった。まさにハマリ役。貫禄があって、表情もリアルで、歌はド迫力。シェイクスピアの生殺与奪権を握るおいしい役です。ショーでも活躍していて、大ベテランの面目躍如でした。いい役者さんです。
私的には宮内大臣一座の俳優ヘンリー・コンデル役の純矢ちとせもよかったです。
男役なのでいつもと違う化粧ですが、それがまた新鮮でよかった。ただ劇中劇での場面が短かったのが残念でした。もっと観たかった。
私はこの人が舞台に出てくるとホッとするというか、懐かしいというか(殴)、和んでしまいます。でももっと歌わせてほしかった。ヨメさんはこの人のエリザベス1世が観たいと言っていましたが、同感でした。
そういえば先の「翼ある人々」の伯爵夫人もいい味出していましたね。
ジョージ・ケアリーの真風涼帆は黒い役ですが、その黒さは登場しただけで伝わってくる好演ぶり(ホメています)。野心を秘めた貫禄十分の役で存在感があってよかったです。すっかりショーのフィナーレの大きな羽根にふさわしいポジションを占めていました。
サウサンプトン伯ヘンリー・リズリーの愛月ひかる。私はこの人を見ると、なぜかいつもしーちゃんこと立樹遥を思い出します。ポジションが近いからか、同じような長身だからでしょうか。それほど強いキャラの役ではないのですが、とにかく反射的に目が行く(殴)。 なぜそうなのか自分でもよくわからないのですが、とにかくいいから仕方がないですね。(笑)
ジョージの妻ベス役が伶美うらら。まあとにかくきれい。ショーでも目立つ美貌でした。ただ、手の動きや首の角度、しゃべり方はかなりアムネリスが入っている(殴)。彼女は歌がもっと伸びてくれたら最強の娘役なのですが‥。今後の精進に期待したいです。
あと、宮内大臣一座の俳優リチャード・バーベッジの沙央くらまや、メアリ・シェイクスピア(シェイクスピアの母)の美風舞良、トマス・ポープ(宮内大臣一座の俳優)の澄輝さやとなどの役も持ち味を生かしたいい配役でした。宙組の現在の体制をよく考慮した登用が光っていました。
次がショーですが、ちょっと残念な出来でした。
月組の上々のショーを観てしまった後なのでちょっと辛口になりますが、藤井大介さん、最近スランプ気味かな。大体なぜ全場面大階段を出しっぱなしにするのか意図不明。選曲も振付も目新しさが感じられず、ついコックリとな。(殴)
トップコンビや美穂圭子の歌などは聞きごたえがありましたが、全体としては凡作な感じになりました。
ということで、とりあえず第一回を観ての感想です。次は1月28日に観劇予定です。その感想もまた見ていただければ幸いです。
正月でガラすきの道を快走して一時間かからず大劇場の駐車場へ。
今回は珍しく下手側13列での観劇です。開場前に、顔馴染みになっていたスタッフさんと新年のあいさつを交わして、ホッコリ暖かな気持ちで客席へ。
通常オンラインチケットでは上手側ブロックからの選択になりますが、体の不自由なヨメさんの利用するトイレは下手側なので、今回は助かりました。
ちなみにそのトイレ、ようやく自動ドアになったのはいいのですが、中のセンサー位置が全く不適当で、介助者に反応してドアがすぐ開くのは困ったものです。
という前置きはこのくらいで、感想です。
で、まず結論から。本当によかったです~♪ 一家3人感心しまくり。なぜ3人かというと、娘のダンナは日本語がわからないので評価に加われないから(殴)。まあそもそもタカラヅカ(というか演劇自体)に関心がなさそうだし。(笑)
私はシェイクスピアがどんな人だったのか全く知らなかった(知っていたのはヨメさんがアン・ハサウェイというぐらい)のですが、今回の公演でその個人史の概略がわかってよかったです。
とくに父親が皮手袋職人だったこととか、父親ともどもジェントルマンの象徴である紋章を得ることが悲願だったこととか、人間臭い一面がよく描かれていて、タメになります。(笑) また夭折する息子がハムレットというのも初めて知りました。
ただし脚本では省略されていることも多々あって、史実ではシェイクスピアの兄弟が8人いたとか、アンは8歳も年上の姉さん女房だったとか、アンとの間に3人の子供がいたとか、出来ちゃった婚だったとかは出てきません。(笑) まあ二本物の限られた上演時間では、これらが省略されても当然ですね。
観劇後に、泥縄ですがシェイクスピアについて少し調べてみましたが、その経歴についてはナゾの多い人物ですね。
もともとが庶民の出自なので当然ですが、結婚後ロンドンに出てくるまでの期間も、どこで何をしていたのか不明。
でもそんな空白の期間を、生田大和さんは想像力を存分に働かせて、色々なエピソードをちりばめて、面白い話に仕立て上げていました。
ストーリー全体は権謀術数渦巻くシリアスなものですが、その中に巧みに恋あり・笑いあり・涙ありの話を織り込んで、起伏に富んだ物語が作り上げられていました。本当に、よくこんなにうまく舞台化できたものだと感心しました。
タカラヅカで今を時めく小池センセイでも、ヒット作はベースになる作品があってこそで、全くの一から書き下ろしたオリジナル作品ではさほど成果がないのに(あくまで個人の感想です)、こんなに完成度の高い脚本を書くとは、生田大和さん、本当に大したものです。気が早いですが、次の作品にも大いに期待できます。(笑)
全体の感想では舞台装置もよかった。そして当然ながら衣装も豪華で、しかも庶民の衣装はリアル。音楽も耳に残るいい曲が多くよかったです。音楽と言えば随所にあるアンサンブルも素晴らしかった。
それでは出演者ごとに感想です。例によって敬称略です。最小限のネタばれアリなのでご注意を。
まずウィリアム・シェイクスピアの朝夏まなと。
歌も演技も文句なしで素晴らしい。主題歌「ウイル・イン・ザ・ワールド」がいつまでも耳に残ります。
彼女は「王家‥」でも頑張っていましたが、やはり彼女はこういう文人タイプの方が適役ですね。伸びのあるクリアな歌、演技も自然でリアルで説得力大でした。アンとの恋とその後の確執、彼女と息子を失った苦悩ぶりもよく表現されていました。観終わって「翼ある人々」にも通じる爽快さを感じました。
その妻アン・ハサウェイの実咲凜音も頑張っていました。歌もよく朝夏まなとと合っていて、演技も嫌味がなくナチュラル。この人については前トップ男役との関係とかいろいろ思うこともありますが、こと今回の舞台についてはその熱演ぶりが伝わってきて、本当に感心しました。当たり前ですが、役者は舞台での評価がすべてですね。
エリザベス1世の美穂圭子も素晴らしかった。まさにハマリ役。貫禄があって、表情もリアルで、歌はド迫力。シェイクスピアの生殺与奪権を握るおいしい役です。ショーでも活躍していて、大ベテランの面目躍如でした。いい役者さんです。
私的には宮内大臣一座の俳優ヘンリー・コンデル役の純矢ちとせもよかったです。
男役なのでいつもと違う化粧ですが、それがまた新鮮でよかった。ただ劇中劇での場面が短かったのが残念でした。もっと観たかった。
私はこの人が舞台に出てくるとホッとするというか、懐かしいというか(殴)、和んでしまいます。でももっと歌わせてほしかった。ヨメさんはこの人のエリザベス1世が観たいと言っていましたが、同感でした。
そういえば先の「翼ある人々」の伯爵夫人もいい味出していましたね。
ジョージ・ケアリーの真風涼帆は黒い役ですが、その黒さは登場しただけで伝わってくる好演ぶり(ホメています)。野心を秘めた貫禄十分の役で存在感があってよかったです。すっかりショーのフィナーレの大きな羽根にふさわしいポジションを占めていました。
サウサンプトン伯ヘンリー・リズリーの愛月ひかる。私はこの人を見ると、なぜかいつもしーちゃんこと立樹遥を思い出します。ポジションが近いからか、同じような長身だからでしょうか。それほど強いキャラの役ではないのですが、とにかく反射的に目が行く(殴)。 なぜそうなのか自分でもよくわからないのですが、とにかくいいから仕方がないですね。(笑)
ジョージの妻ベス役が伶美うらら。まあとにかくきれい。ショーでも目立つ美貌でした。ただ、手の動きや首の角度、しゃべり方はかなりアムネリスが入っている(殴)。彼女は歌がもっと伸びてくれたら最強の娘役なのですが‥。今後の精進に期待したいです。
あと、宮内大臣一座の俳優リチャード・バーベッジの沙央くらまや、メアリ・シェイクスピア(シェイクスピアの母)の美風舞良、トマス・ポープ(宮内大臣一座の俳優)の澄輝さやとなどの役も持ち味を生かしたいい配役でした。宙組の現在の体制をよく考慮した登用が光っていました。
次がショーですが、ちょっと残念な出来でした。
月組の上々のショーを観てしまった後なのでちょっと辛口になりますが、藤井大介さん、最近スランプ気味かな。大体なぜ全場面大階段を出しっぱなしにするのか意図不明。選曲も振付も目新しさが感じられず、ついコックリとな。(殴)
トップコンビや美穂圭子の歌などは聞きごたえがありましたが、全体としては凡作な感じになりました。
ということで、とりあえず第一回を観ての感想です。次は1月28日に観劇予定です。その感想もまた見ていただければ幸いです。