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万葉文化館 日本画展「万葉華模様」と併設展を観て

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今年は天候不順でもう初夏というのに安定せず寒い日が続いていましたが、この日は初夏を思わせるさわやかな晴天。
気分よく出かけました。途中連休ゆえの混雑で渋滞が懸念されましたが、いつもと同じように1時間もかからず到着。駐車場の車も、幸か不幸かいつものように少な目でした。

今回の展示は館所蔵の日本画コレクションの中から、万葉歌に詠まれた花をテーマに選んだ「万葉華模様」と銘打っての絵画展と、写真家の荒木経惟と操上和美の作品による併設展「うつせみの鏡 時空の舟 ―我・夢・影―」の二つの企画です。

期間は2013年4月3日(水)〜6月9日(日)です。

でもこの絵画展、結論からいうと、館のコレクションの万葉日本画から25点の展示だけで、それに同じく館所蔵の大亦観風の『万葉集画撰』から小品が12点だけでいささかさびしいものがあります。
また、一口に万葉日本画のコレクションといっても玉石混交な感があり、加えて今回展示された大半の絵はこれまでも何度も見ているので新鮮味は感じられません。中には初めて目にしたものもありましたが、残念ながら余り感銘を受けなかったですね。

そんな中で、いいなと思ったのはこの作品↓でした。


絵は《春野》と題して、万葉集の巻頭歌で有名な雄略天皇の「こもよみこもち ふくしもよ」をテーマに描かれています。画家の名前は室井東志生です。上品で端正な絵で今回の展示では一番印象に残りました。
前にここで観たこの絵↓に一脈通じるものを感じます。


他の作品では、館のホームページで紹介されている↓の大野俊明の《清隅》とか


気品のある画風↓の箱崎睦昌の《藤波の花》が良かったです。


展示を見ていて気になったのは、額の横に掲示された花とか和歌の意味、作者の弁などを書いた解説の存在です。
うちのヨメさんもそうですが、かなりの人が、絵を観る前にその解説を読むのに時間を割いていて、肝心の絵のほうはチラ見程度で次の絵のほうに移動していました。他の絵画展でも同じような傾向が見られます。
絵というのはまず無心の状態で、絵に向かい合うことが大事だろうと思いますが、解説を読むほうに時間をかけるのでは本末転倒だと思いますね。絵の横の表示は、先入観なしに鑑賞するように、作品名と制作年程度で十分だと思います。

ところで、この記事を書くために少し調べていたらこんなサイトに行き当たりました。

運営されているのは明日香在住の方だそうですが、なんと万葉文化館創設時の奈良県知事!だそうです。
ホームページの下のほうの緊急報告・万葉文化館の改変問題というところを読んでいくと、これまで私が断片的に書いてきた万葉文化館を巡る出来事の背景にあるものが見えてきました。PDFファイルですが、中の青文字がリンクになっているのでページ間の移動ができて読みやすいです。

展覧会の開催回数削減だけのみならず、万葉文化館の施設自体の転用計画まで持ち上がっていたとはびっくりです。
施設転用計画は上記のホームページなど、関係者の努力で止めることができたそうですが、館に併設されていた万葉文化館研究所は廃止が決定。今は単なる係として事務職の係長と研究職員2名の体制になってしまったとのことです。

こういう話は今大阪をはじめ全国で起こっていますが、財政危機を理由に、真っ先に切り捨ての対象になるのが文化政策というのは本当に情けないですね。

さて展示の話に戻りますが、先に言った通り今回の展覧会はとにかく展示点数が少なすぎなのが残念でした。展示会場の終りのほうで大亦観風の『万葉集画撰』が展示されていますが、小品な上に書も画もあまりいいように見えず、いつも目にするたびに「これ、ヘタウマ?」などとヨメさんと罰当たりな感想を言い合っています。

続いて写真展ですが、観始めてすぐ、大阪国立国際美術館の近代美術の展示を連想してしまいました。


今となってはあざとい衒いだけが眼について、馴染めない作品ばかりで、テーマも繰り返しが多いです。
館のホームページにはインスタントフィルムの作品と書いていますが、これはポラロイドのことでしょうか?だとすれば発色やピントの甘さから納得ですが、その効果は余り感じ取れなかったですね。
とてもじゃないけど、テーマの「うつせみの鏡 時空の舟 ―我・夢・影―」の意味はくみ取れず、俗人な私たちを含め、居合わせた観客はみんな足早にこの写真コーナーを立ち去っていました。

で、観終わって、館内から周りの庭園を見ながら本館に戻ってカフェを覗いてみたら、なんとまた別の店に代わっていたのでびっくり。これで私たちが通うようになってから3度目ですね。

前は「ICHIE(イチエ)」という店でしたが、新しい店名は「SIZIN」(詩人?と読むのでしようか)といって「室生天然酵母パン」がウリのパン屋さんのようです。時間をかけて抽出する水だしコーヒーも目玉なようです。


メニューは、前の店にあった「ごはんメニュー」がなくなって、すべてパンのセットになっていました。ちょうど私たちが座っていた横のテーブルに来た老夫婦とその娘さんらしい三人連れは、いったん座ったものの、ごはんメニューがないと聞いてすぐ出ていきました。館の利用者の年齢層ではパンメニューだけでは苦しいでしょうね。

私たちは1,000円前後のこれ↓をオーダーしました。


サンドイッチの具は生ハムを使っていたりで良心的だったのですが、パンが分厚く生地もしっかり固め、しかも大きいので、両手でしっかり持って大口を開けてかぶりつかないとせっかくの具がはみ出てしまいます。なので、片手しか使えないヨメさんにはとうてい無理。皿に載せてパンをめくって食べようとしましたが、パンが大きく、それをちぎって食べようとしても、固めなのでヨメさんには出来ず、私がかわりに小さくちぎりました。

私だけでなく他のお客さんも、すぐ具がはみ出て落ちそうになるので食べにくそうな感じでした。
普通のサンドイッチのようにパンを一口サイズに切ってくれていたら良かったのですが。帰りの車の中でヨメさんは、「美術館では西宮の大谷記念美術館のカフェが一番!」といっていました。(笑)

食べ終わって、ミュージアムショップで絵葉書や本を買ってから、押し花の絵葉書と栞作りに挑戦しました。材料は付属の庭園の樹木の花々を使って館の職員さんが手作りしているとかで、発色が鮮やかでした。
私も作りました。↓絵葉書(センスなくて下手ですね)、と、


栞です。↓


終わってから、玄関前の庭園を散策しました。
この庭園での初夏の見ものは大きなヤマボウシですが、今年はまだつぼみのまま。↓


満開になれば見上げるような樹高で見事ですが、今年は遅れているようです。その代り、サトザクラがまだ咲いていました。
栞に使った花です。↓


今回は残念ながら絵画展としては物足りなかったですが、晩春・初夏の明日香の景色と、庭園の名残の桜、押し花工作が楽しめました。
帰宅して今年のスケジュールをチェックしたら、少なくなったとはいえ外部の画家の展覧会も開催予定になっているので安心しました。期待しましょう。

障害者でもゆったり楽しめる施設として、これからもささやかですが万葉文化館を応援していきたいと思います。みなさんも明日香に来られたら、ぜひ足をお運びください。展示棟の地下には工夫を凝らした展示もあり、万葉文化の世界が存分に堪能できると思います。



特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」(大阪展)を観て

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前夜の天気予報では雨とあって、今日(5月19日・日曜日)はどこにも出かけない予定でしたが、眼を覚ましたらけっこういい天気!
でもいくら今晴れていても、昼には雨が降りますとあくまで無情な天気予報ですが、とにかく出かけることにしました。

ヨメさんの「行きたいところリスト」には京都府立植物園も上がっていましたが、これは時間がかかるので今回はボツ。
とにかく近いのが一番と、会場の混雑が不安なものの、評判の高い大阪市立美術館での特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」に行くことに決定。
見どころは↓とのこと
特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」のホームページから


9時前に家を出ました。
大堀から阪神高速松原線に入り、文の里出口で降りて、ナビの指示通り走ったらすんなりと天王寺公園地下駐車場入り口に到着。障害者スペースに停めて、すぐ近くのエレベーターで天王寺公園の入り口前に上がりました。

9時半の開園時間を少し過ぎただけでも、もう入り口は客の列が並んでいました。入り口からすぐ広場になっていて、バラの花がきれいでした。こんな色のバラ、初めて見ました。


美術館に行くまでの通路も緑が美しく、慶沢園などもあって、いい雰囲気です。公園だけでもまた来たいねなどといいながら美術館に向かいました。

正面玄関の階段が心配でしたが、ちゃんと左のほうにはスロープが付けられていました。


やはり館内はたくさんの人でした。でも館外に行列が出来るほどではありません。混雑とは言っても、先のエルグレコ展マウリッツハイス美術館展などと比べたらかわいいものです。記念撮影コーナーです。


入り口脇で1台500円の音声ガイドを借りて会場へ。スペシャルナビゲーターは中谷美紀とのことですが、なんとなく武田和歌子のほうがピタットかもと思ったり。(笑)

中はやはり人・人・人の波。
展示に見入っているみなさんにぶつからないよう車椅子を押すのはかなり気を使いました。
最初の仏教芸術を展示したコーナーでは、まず快慶の「弥勒菩薩立像」がよかったですね。リアルな表現の衣装や仏体に金箔がよく残っていて保存状態は極めて良好です。
この仏像は快慶の残存している最若年時の作品で、しかも東京展と大阪展だけの展示だそうです。見られて良かったです。
特別展会場で買い求めた絵葉書から


仏像とともに仏教絵画も数多く展示されていました。「法華堂根本曼荼羅図」など幻の国宝と言われたものも展示されていました。
しかし蒐集時にすでに褪色が激しかったのでしょうか、かなり絵柄が不鮮明になってしまっているものも多かったです。
これらの絵を観ていくうちに、観客の密度が次第に低くなってきて、かなり見やすくなってきました。
私たちと同年配かそれ以上の方も多く、そろそろ疲れが出てきたのでしょうね。(笑)

でも、次の、今回の展覧会の目玉の一つ、二大絵巻のコーナーで、また混雑が始まりました。「吉備大臣入唐絵巻」と「平治物語絵巻」です。
特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」のホームページから



今回展示されているのは絵巻物の一部ですが、それでも展示のガラスケースは長く、観客がゆっくりでも流れているうちはいいのですが、そのうちの一人でも足を止めてしまうとたちまち混雑してしまいます。
でも混んでいたのはここまで。

後半の狩野派の絵や、等伯、若冲、狩野永納、光琳や蕭白の作品も素晴らしいものばかりですが、けっこう観やすくなって助かりました。展示品の配置に感謝です。

特別展会場で買い求めた絵葉書から 尾形光琳 ≪松島図屏風≫

呉服屋の生まれとあって、デザインセンスは大したものです。

特別展会場で買い求めた絵葉書から 曽我蕭白 ≪風仙図屏風≫

トルネードから猛烈な風が吹いて、右の弟子たちは転げまわっています。面白いです。

特別展会場で買い求めた絵葉書から 上が蕭白で下は等伯の龍です


本当に名品ぞろいですが、特に印象に残ったのは蕭白。大胆な筆さばきでグイグイ描く絵もあれば、精緻な鷹の絵があったりと、幅が広いです。

しかし、国内にあればすべて国宝か重文クラスの名品が並ぶ展覧会場を回りながら、それらが国内になく海を渡った事実を目の当たりにして、内心複雑でした。
まずは、なんで「こんなお宝が海外に‥」というくやしさ。でも考えてみれば、これらは武力で略奪されたのではなく、廃仏毀釈のもとで、フェノロサや岡倉天心の求めに応じて進んで金品と交換してしまった当時の風潮ゆえのこと、しかし、海外に流出したおかげでこんないい状態で残っているのではないかとか、いろいろ考えてしまいました。

ともあれ、今回の展覧会は質・量の双方で満足しました。

私たちは駐車場の関係で、開場時間に合わせて出かけましたが、電車で行くなら少しオープン開始時間からずらしたほうが混雑が緩和されて見やすいのではないかと思いました。
それと、どこの展覧会でもそうですが、今回も入り口付近は混み合っていましたが、めげずに観て回ったら後半の近世絵画のあたりはすいてきたので観やすかったです。

この大阪展が最終です。未見の方はぜひご覧になってください。日本美の再発見があると思います。


ネットブックの無線LANカードも交換しましたが‥

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少し前に、MS-1057の無線LANカードを交換して倍速以上になったのに気をよくして、食卓でネット検索に使っているAcerのアスパイア ワン(ネットブックです:以下アスワンと略)もスピードアップしたくなりました。ビョーキなのはわかっています。自覚症状ありです。(笑)

早速日本橋のココのホームページで調べたら、1種類だけ販売していました。インテルのCentrino Advanced-N 6235(以下6235です)というもの。無線LAN 300Mbps(IEEE802.11n)・54Mbps(IEEE802.11a)・54Mbps(IEEE802.11g)・11Mbps(IEEE802.11b)対応で、新製品とのことです。
ちょうど先週の土曜日に大阪市内に出かけた際ゲット。2,980円となかなか微妙な値段でした。
アスワンのOSはXpなので、インテルのホームページから6235用ドライバをダウンロードして、USBメモリなどにコピーしておきます。

そして、とある夜更けにアスワンを解体。
といっても、全部バラす必要はありません。
まずキーボードを撤去。


次にパソコン本体底のネジを外してから、キーボード下のカバーを固定しているネジを外したらパームレストとフレームが外れ、無線LANカードが見えます。これを固定しているのはネジ1本だけ。
アンテナコード2本を外してからそのネジを外し、斜めに持ち上げたらソケットから取り出せます。


新しい無線LANカードは前回同様ハーフサイズなので、これもジャンクパーツの中から適当な金属片を見つけ、切断して固定しました。あとはアンテナコードを接続してカバー類を元通りに装着して完了。15分程度の作業でした。


プチ期待しながら電源オン。

ところがここで問題発生。
異常に起動が遅いのです。アスワンには余計なアプリケーションや常駐ソフトをインストールしていないのでいつも立ち上がりはかなり早いのですが、今回は劇遅。
フリーズしている?と思うほど遅いのです。立ち上がってしまえば一応動いていますが、アプリの動作も遅く使い物になりません。顔面蒼白(笑)で、また分解して元の無線LANカードを付けて立ち上げたら、サクサク作動。6235の詳細なスペックがわからないので原因は不明ですが、何らかの相性問題が発生しているのは明らか。使用を断念しました。

これが最初の意気消沈。

これで終わったらただのいつもの無駄遣い記録ですが(笑)、ファジー(死語です)な性格なので、このダメN6235無線LANカードをMS-1057に移植し、MS-1057につけている無線LANカード・インテル5300をアスワンにつけたら丸く収まるのではと思いついたのです。
ええ、何の根拠もなくただ思いついただけです。(笑) まあ5300のほうが古い製品なので合うかなといった感じです。

で、早速チャレンジ。MS-1057から5300を取り出して、代わりにアスワンで使えない6235を移植することにしました。

この段階で以前の作業でアンテナ配線が間違っていたことを発見。
5300には3点のアンテナ接点があります。その真ん中のグレーの△表示にMS-1057のグレー線を接続していましたが、これは間違い!正しくは、グレー線(MAIN)をMAIN接点に接続し、真ん中は使用しません。黒はそのまま。

↓Intelの5300です


謹んでお詫びして訂正します。^_^;
↓間違っていたアンテナ線 でも感度は変わらず!


元に戻して電源オン!
MS-1057はいつものように起動しました。Windows7の起動は早くて気持ちいいですな。
ところが、デバイスを認識させるため、先の6235用ドライバーをインストール!という段階でまたまた問題発生!
なんとタッチパッドが反応しない!。付属した左右のボタンも無反応。さらにその下の各表示用LEDもすべて不点灯。
これまでいろいろ改造のたびに何度も分解してきたため、どうもパームレストとマザーボードをつなぐリボンケーブルが破損したようです。

一難去ってまた一難。トホホです。

とりあえず無線LANの可否を確かめようと、マウスとキーボードでネットワークのパスワードを入力したら、あっけなく繋がりました。無線LANカードはOKでした。
速度も130Mbpsとか表示されて交換前と変わりません。ただし電波の飛距離は伸びて、ルーターから一番離れている寝室でも感度表示は4本立っています。交換前は3本がせいぜいでした。

今度は、5300をアスワンに装着します。金属板でカードを固定して本体を元通りにして、こちらにも5300用ドライバーをインストール。起動は以前のように早いです。ネットワークキーを入れたらインターネットにもつながりました。速度も144Mbpsと倍以上の速さでサクサクです。

元は54Mbpsだったのが↓


こんな感じになっています↓


まあこれで無線LANカードは無事活用できることになりましたが、問題はMS-1057のタッチパッドの故障。

もう一度分解してみました。
やはりリボンケーブルのマザーボードとの接続部が問題のようです。
↓リボンケーブルを触るとLEDが点滅します


でも何度も抜き差ししていたら、とうとう全く点灯しなくなりました。もちろんこの作業は電源オフで、充電状態で緑の充電表示のLEDが点灯するか確認していたのですが。

外したケーブルの先端部をよく見ると、何か所か金属箔がめくれていて、1カ所は完全に切れたところがあります。がっくりです。まあ、マウスで作業ができますが、ベッドとかマッサージ椅子に座ってのインターネットなどでは不便です。
昔職場で支給されたノートなどには、タッチパッドなどなくてマウス専用というのもありましたが、もともと無いならそれで済んでも、今まで使えていたものが使えなくなるのはつらいものです。
でも、MSIのホームページを見ても入手は無理。希少機種なのでジャンクも期待薄。

それで最後の手段として、リボンケーブルの先端を切り落として、被覆を取り去って接続することにしました。

↓切り落としたリボンケーブルの先端部 いじったのでボロボロになっています


しかしこの被覆が固いのです。まあ簡単にはがれるようではだめですが、それにしても固い。
なんとかカッターで削ろうとしましたが、焦ると金属箔まで切れてしまいます。誰か被覆の取り方などご存じないかと検索しても、一体成型しているので無理とかの非情な答えだけでした。
ただお一人、パソコンではなく電気製品ですが、頑張ってカッターで被覆を取り除いて接続に成功したとの報告が。

私もダメモトで再チャレンジすることにしました。この時点で何度も失敗してケーブルはかなり短くなってきていましたが(泣)、慎重にやれば出来る!と自分に言い聞かせて最後の挑戦。
本当に、これで失敗したら接続できないくらい短くなっていましたね。

焦らず無理せず作業を続けていたら、なんとか5?程度きれいに露出させることが出来ました。ヤレヤレです。

そのまま差し込もうとしましたが、元の接続部には、裏にブルーのフィルムが貼られていて、抜き差し時のつまみになっていました。マザーのコネクタの隙間はそれに合わせているので、リボンケーブルだけ差し込んでもロックできません。

それで、スペーサーというかシムというか、ケーブル先端部の裏にプラスチックテープを2枚貼って厚みを調整しました。
祈りながらコネクタにケーブルを差し込んでロックしました。
ケーブルはギリギリまで短くなっています。


もとはこのくらい長かったのです。


そして電源オン!

成功しました。タッチパッドも各LEDも復活しました。
ああ、やれやれでした。普段何気なく使ってきたタッチパッド。同じく点いて当然だったLED。
作動しなくなって、ダメかと一時はあきらめて、それでも苦労してまた復活した今は、無性にありがたい機能のようにみえてきますね。

まあ身から出た錆とはいえ、この2日間はヤキモキしました。これにこりて、無駄にパソコンの改造などしなくなる、ワケはありませんね。それがビョーキというものです。

でも、良い子は決してマネをしてはいけません。

それにしても、リボン(フレキシブル)ケーブルの接続にケーブル先端差し込み式のコネクタを使うのは感心しませんね。

ちゃんとしたピン式のコネクタを使うべきです。

以前書いたDynabook SS1610のダーティビットの原因も、SSDの早すぎる劣化も、SS1600シリーズに使用されている差し込み式のハードディスク・ケーブルコネクタ(本当に華奢なケーブルです)の接触不良だと思っています。
ハードディスクのように、比較的電流が大きくてしかも常時アクセスを繰り返しているものに、差し込み式のコネクターなどを使用するのは間違いだと思います。
私はダーティビットの処理後、今回と同様ケーブル先端部にテープを貼って接触圧力を高くしたので、その後は全くトラブルフリーですが、そうでなければまた再発したと思います。

補足:無線LANカードのアンテナ接点には≪1 MAIN≫と≪2 AUX≫と表示されています。1には白またはグレー、2には黒のアンテナ線を接続します。ただ、私の場合は逆でもあまり違いがなかったのですが。(笑)


兵庫芸術文化センター・「完全姉妹」の不完全な感想

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宝塚は6月後半の「ロミジュリ」まで予定がなく、やや禁断症状を覚えてきている昨今ですが、25日に兵庫芸術文化センター・阪急中ホールで真野響子×眞野あずさの「完全姉妹」を観てきました。ヨメさんは名の知れた姉妹の二人芝居ということと、なにより3,000円という破格の価格設定に目がくらんだ(笑)らしく、いつものように私の意向など無視して(諦)、チケット購入手続きを済ませていました。

といっても、私もなにしろ(往年の)美人姉妹の舞台ということで、観たいが半分・でも値段が値段なので期待薄が半分といった感じで劇場に向かいました。(笑)

正午に劇場に到着、1時開演なのでそれまでに昼食をと、劇場内にあるカフェ(レストランへの通路にあります)でサンドイッチとアメリカンコーヒー(ヨメ)&カフェラッテ(私)を注文し、外のウッドデッキで食べました。
気温は高くなっていましたが、乾いた気持ちのいい風が眼下の欅の木立を吹き抜けてきて、快適でした。


でもこれで2,000円オーバー!の値段はいくらなんでも法外だと思いませんか?


内心ボラレ気分を感じながらも(笑)、腹ごしらえもできたので開場少し前に劇場の入り口に向かいました。
オープン時間まで小さい展示コーナーを観て過ごしました。


座席は阪急中ホールのO列とかなり後ろですが、全体にかなり傾斜がついているので見やすい席でした。ただし通路が変則的なステップ幅の階段なのでヨメさんは席にたどり着くまでに苦労していました。観客の年齢層は高めでした。

脚本は中津留章仁。
配役は、大橋樹(姉) 大橋雅(妹)

舞台上のセットは、主演2人が着替えている間に、3人の引っ越し作業員風の男がセットを片付けることで転換します。

大まかな話は以下の通り。(公演関係PDFから引用)

夫に先立たれた姉と、結婚出来ない妹。姉妹仲はすこぶる良い。
姉の夫は経営者だった。結婚したとき、夫はすでに具合が悪かった。
姉は夫の親族から、夫の財産目当ての結婚だと思われ、疎まれていた。
妹は結婚をしなかった。一生一人の男を愛するなんて出来ない。
それが彼女の結婚出来ない原因だ。妹は姉の夫と不倫していた。
姉のものがどうしても欲しくなる性分だ。
二人の姉妹は、同時に一人の男性を愛した……。
姉妹であり、恋敵であり、親友でもある二人は、その前に、
わたしではないひとりの“女”であることに、
そろそろ気づきはじめた……。

少し遅れて幕が上がると、舞台上には一組の長椅子とテーブル+別に2脚の椅子とテーブルが置かれ、部屋のブルーの壁には絵の入っていない額縁だけが飾られています。
話は、妹が掃除しているところに姉が帰宅、妹の買ってきたワインを二人で飲みながら語りだすところから始まりました。

始まってすぐ気付いたのは、姉の台詞は普通に聞き取れるが、妹のほうはほとんど聞き取れないということです。

この違いは、帰宅後この資料を読んでよくわかりました。
お姉さんは大学の演劇科を卒業後、劇団民藝に入団しているのですね。それで舞台演技の基礎ができているのだと思います。

でも、妹さんは大学在学中よりCMモデルを務め、卒業後TBSのドラマ「風の鳴る国境」で女優としてデビュー。舞台の本格的なトレーニングは受けていないようです。
その差は明白で、今回の舞台でもドラマの演技のように早口かつ抑揚の小さい台詞なのでかなり聞き辛かったです。だんだん調子が出てきたのか、後半はそれほどでもなかったのですが。
この辺りは新歌舞伎座で観た「しゃばけ」の一太郎役・沢村一樹と共通する感じです。

そしてなにより脚本が眠いです。これがすべて。

聞き取れない台詞をなんとか理解しようとしても、なにしろ山も谷もないに等しい話です。
その話を、台詞回しは違っても、声の質の似た二人が演じると、二人芝居というより1人の中年女のとりとめもない繰り言みたいに聞こえてきて(殴)、睡魔が鎌首をもたげ始めます。

でも途中から、その単調な日常会話が一転します。
携帯メールから、2人が同じ男を取り合っていることがわかって、いよいよこれから修羅場が始まって、夥しい罵詈雑言の応酬という展開になるのかと期待したのですが(笑)、これが大したことがなく不発に終わりました。

ダンベルが金だったり、料理本の間からお金が出てきたりしますが、コメディにしてはテンションの低い笑いの台詞なので、盛り上がりません。それでも結構笑っている人がいたのが不思議でしたね。まあ笑うしかないということでしょうか。

結局この芝居、ところどころに社会批判めいた台詞があるものの、最後まで主題はよくわからないままでした。
最後は老人ホーム風の場面になって、姉が車椅子に乗り、妹がそれを押しながら、人生を振り返る場面で終わっていましたが、脚本家がいいたかったことは最後まで見えてきませんでした。
この場面での二人、お姉さんのほうが顔もふっくらして若く見えるので、役は逆でもいいかもと思いました。

主演二人が棒なわけではなく、特にお姉さんは声もよく通り、表情もメリハリがあっていい感じでしたが、上演時間が短く(観劇割引後の駐車料金は450円でした!)、波乱万丈には程遠い単調な脚本なので、良くまあやっているなあと逆に同情したくなるほどでした。
というわけで、観劇を終えたあとの満足度(当社比)は近年に無く低くなりました。ただ、チケットの価格を考えたら相応のものだったかもしれません。

来月の星「ロミジュリ」や、7月の宙・全ツー「うたかた‥」の観劇がますます待ち遠しくなってきました。


初夏の花の文化園を楽しんできました

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出かけたのは6月1日(土)。土・日のいずれにするかちょっと考えましたが、まだ土曜日の方が晴れはしないものの雨の心配はなさそうとの予報で出発。
順調にクルマを走らせて、開園10分前に障害者駐車場に到着。
ところがいつもは開いている駐車場の入り口が閉まったままでした。「どうしたのだろうね」とか言いながら開くのを待っていましたが、開園時間を過ぎても閉まったまま。
待っていても仕方がないので、車から降りてチケット売り場の方に向かったら、向こうから慌てた様子で係員が走ってきました。
どうやらすっかり忘れていたようです。やれやれでした。
↓ 入り口前のスモークツリーです。


入場者はいつもより少なかったのですが、重装備のカメラ+三脚の老人グループが何組か来ていました。また三脚公害の心配がちらっと心をよぎりましたが(笑)、なるようになれと、まずはいつも通り、ゲート正面の装飾花壇でパチリ。

前回はビオラなどが植えられていましたが、今回はシソの仲間のコリウスに変えられていました。スタッフの皆さん、お疲れ様です。

緩い傾斜の道を車椅子を押して「バラ園」に向かいました。

もう時期的には盛りを過ぎているだろうと、あまり期待せずに行きましたが、パッと目に飛び込んできたのが爛熟・爛漫・豊麗・豪華絢爛のバラの饗宴。まだまだ見事に咲いていました。うれしい誤算です。
おまけに曇天なので色温度が高く、花の色も鮮やかで、いろんなバラが競い合っていました。園内にはバラのいい香りが風に乗って漂っていました。








これまで何度も来ていたのに気付かなかったこんなバラも。ツルバラの仲間です。

名前が


色違いで↓

名前がローズマリー ヴィオーとのこと↓


今回は通路に三脚のバリケード(笑)もなく、せいぜいお仲間とのカメラ談義に夢中の三脚ユーザーが居られた程度で幸いでした。

バラ園の奥の「クレマチスガーデン」もまだまだ見頃。とくにレンガブロックの壁一面のクレマチスが見事。


変わった種類のものも↓


ここにはクレマチスだけでなく、紫のネギ坊主・アリウム ギガンティウムをはじめ色とりどりの花もありました。


「バラ園」に戻ってさらに坂道を「大温室」の方へ。今回は外より温室の中の方がひんやりとしていました。
トケイソウの仲間パッシフロラ アラタが咲いていました。実は熟したら食べられるそうです。食べてみたい!


うまい具合に月下美人が咲いていてくれました。タイミングが合わないと見られないとかでラッキーでした。


温室を出て、「花の工房」への途中にあるヒメタイザンボクの香りを試してから(でも花の大きなタイザンボクの方がいい香りがしますね)、「ボタン園」(さすがに終わっていました)の方へ。
ヒメタイザンボクです。↓




「ヒョウタン池」周辺で咲き始めた蓮や菖蒲などを見てから最後は「香りの丘」へ。
植えられたバイカウツギやニオイバンマツリの香りを二人で嗅いでいたら、下の「秋の七草通り」あたりにヤマボウシの花がチラッと見えました。

ヤマボウシといえば何といっても「万葉文化館」のそれが稀に見る大樹で花の数も多く見事ですが、残念ながら今年はタイミングが悪く見られず。
でもこの「花の文化園」のヤマボウシもなかなかのものです。それで最後にそのヤマボウシを見に行くことにしました。
結構大きな木で、それが何本も植えられていて見ごたえがあります。


それと、ヤマボウシの近くにいろいろな種類のバイカウツギが植えられていたのもうれしかったですね。
本来の「バイカウツギ」だけでなく、ヨーロッパで改良されたものも何種類か植えられていて、香りの違いが楽しめました。
でも香りが一番よかったのはやはり本家・バイカウツギでした。二人で何度も匂いを嗅いでみました。本当にいい香りでした。


↓これはシベルレーゲンという種類です。でも香りは強すぎて好みではありません。バンマツリ系の香りです。


バイカウツギ、私の「いい香りの木」ランキング(笑)では、タイザンボクと並ぶ芳香でしたね。帰宅後、早速バイカウツギを持っている知り合いに、挿木用の枝の提供をお願いしました。

規模が小さいものの多様な花が楽しめる花の文化園、機会があればぜひ訪れてみてください。おすすめです。

PS 一時、当時の橋下知事がここの廃園を言い出したりしたこともあって、障害者トイレは公共施設で府下最低レベルの設備でしたが、最近温水洗浄便座に更新されました。文字通りの温かな配慮に感謝です。

ウインカーをLED化しました 〜プリウスのカスタマイズ その6〜

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ご存じのように、ウインカーに使用されているバルブはけっこう電気を喰いますね。
なので、バッテリーが弱ってきた車には結構な負荷になります。よく路上でエンジン停止状態でハザードを長時間点滅させているのを見ると、他人事ながらちょっと心配になったりします。
エンジンをかけていても、真夏にエアコンをかけて停車し、エンジンルームが過熱した状態でハザードを点灯していると、バッテリーにはつらいだろうと思います。

ただ、プリウスは運転状態ではメインの駆動用バッテリーですべての電力をまかなっているので、バッテリーの過放電の心配はしなくてもいいのですが、やはり消費電流は少ないほうがいいし、せっかく他の灯火類はLED化してきたのだからと、今回着手することにしました。まあいつものビョーキです。
こういうのを古来から「小人閑居して不善をなす」とかいっています。(笑)

ところで、購入する商品を検索している過程で、純正のフィラメント球はT20規格だが、同じT20でもトヨタやホンダ車の一部では差込部の形状の異なるものが使用されていることが判明。で、プリウスにもそれが使用されていて、この形状のものを「T20 ピンチ部違い」と呼んでいるとのこと。

で、プリウス用LEDバルブにも当然その「ピンチ部違い」が使用されているのですが、でも多くのものが純正とは微妙に形の違う汎用品が使用されていて、装着しても完全にソケットにロックされなかったり、接触不良になる恐れがあるとのこと。
このため交換中にソケットから抜けてウインカーユニット(分解できません)内にバルブが落ち込み、ユニット交換になったりするとかいわれています。


このあたりは今回買ったショップのサイトを見ればよく説明されています。まあ単なる宣伝ですが。(笑)

でも高価なウインカーユニット交換になっても困るので、上記ショップのサイトで、ポチッとしました。

数日後送られてきた商品がこれです。↓


前後の4つのバルブと、消費電流が大幅に減るので既存のフラッシャーリレーだといわゆるハイフラになるので、専用リレーもついています。商品は結構よさげな印象です。ただ、取扱説明書などは一切ついていません。作業手順は自分で事前に確かめましょうねということのようです。

某日早速交換作業開始。プリウスの取扱説明書が役に立ちます。


フロント左右の分は、バンパー下のカバーをめくってソケットを取り出さなければなりませんが、地面との隙間がないのでジャッキアップしたほうが作業は容易です。前方のジャッキアップポイントは取扱説明書に書かれている通りです。

ガレージジャッキを使うのも何年ぶりかな。ジャッキのカップ部にぼろ布を当てて車体に傷をつけないようにしましょう。

前が持ち上がったらウインカーユニット下方のアンダーカバーを外します。でも完全に外さなくてもOK。
説明書のとおり、10mm頭のネジとクリップ各一本を外してカバーをめくるとソケットに手が届きます。
クリップのセンター部が固着していてなかなか抜けないので苦労しました。



ソケットを回しながら外し、バルブを抜きますが、コードが短いですねぇ。


既存のバルブとLEDバルブを差し替えます。LEDに汚れが付かないようにきれいな軍手で作業しましょう。


運転席側も同じように交換しました。

元はこんな感じですが↓


交換後は↓オレンジ色がなくなります。


点灯したらこんな感じです。↓でも期待したほど明るくないのがプチがっかり。


試験点灯でハイフラを確認。やはりリレー交換が必要です。ただしハザードは正常に点灯します。
ジャッキはこれ以後は不要なので片づけました。

後ろはアッという間に終わります。極めて簡単で思わずルンルンでしたが、問題はリレーでした。


既存のリレーは運転席のフロアにあおむけになって見上げると、ハンドルポスト上部付近の奥の狭い場所についています。
リレーコードのコネクタ部がブルーになっているのでよく探せば見つかりますが、とにかく窮屈です。
169cm・体重60kgの痩せた私でも相当窮屈な姿勢を強要されました。メタボ気味な恰幅のいい方はかなりキツイだろうと思います。購入前にリレーを探すなどしてリハーサルが必要ですね。

しばらく悪戦苦闘して何とか見つけて、リレーのコネクタのロックを外して、添付されてきた新しいリレーに接続。
早速テストしたら無事正常に作動してくれました。ヤレヤレでした。
ただし、交換前と比べたら、レバーを操作後ワンテンポずれるタイムラグがありますが、まあ許容範囲。それと、点滅がはっきり遅くなっています。プリウスは他車と比べて点滅の早いのが気に入っていたのでこれはかなり不満。まるでバッテリー上がり寸前の原付バイクなみ、いやそれよりも遅くモッサリ感全開。

念願のLED化がなんとか完了で、少しばかりの達成感ですが、このスロー点滅はちょっとストレスになります。なので。早速リレーのみ交換を検討中です。(←懲りないね)

古いリレーはとても外す元気はなくそのままにして、新しいリレーを長めの結束バンドで近くのワイヤーハーネスに固縛しました。古い電球は保管することにしました。

リレーを交換しました!
そして最後にプチ加飾です。
少し前に入手していましたが、この手の商品では結構いい仕上げでした。


なんということはないメッキパーツで、それもルーバー全体をカバーせず上だけ覆うだけですが、さりげないのが気に入っています。言わなければ誰も気づかないという控え目さがいいです。(笑)

これで今のところプリウスのいじりたいところはなくなりました。あとは‥、COXのボディダンパーかな。でも先立つものが‥。(笑)

まだまだ病は完治しませんね。

星組「ロミオとジュリエット」初日のタカラヅカニュースを見て

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前回のタカラヅカ観劇はモンテクリストだったので、もう幾星霜も経たかのような隔絶の感があります。
次の観劇予定は星組のロミジュリ。今月(6月)27日観劇ですが、もう今禁断症状出まくりです。本当になが〜いブランクです。

で、その間は観劇はまだでもスカイステージのニュースで初日の模様が放送されるのを心待ちにしていました。

でも見て大失敗!。

ますます飢餓状態になってしまいました。(笑)
カメラワークもうまく、断片的なダイジェスト場面を見ただけでもいやおうなしに期待感が高まってきます。
以下の映像、いつものとおりニュース画面のデジカメ画像をリサイズしていますのでボケボケです。

私が最初に観たロミジュリが梅芸での星組「ロミオとジュリエット」。これがなんともインパクトがありましたね。ダイナミックでパワフル、しかも柚希礼音の打って変った見るからに青年っぽい演技と夢咲ねねの初々しく少女っぽい演技にびっくりでした。以後タカラヅカ版ロミジュリといえばこれが標準です。

その当時の主な配役と出演者です↓

 ロミオ        柚希 礼音
 ジュリエット    夢咲 ねね
 ティボルト     凰稀 かなめ
      
 キャピュレット卿  一樹 千尋
 ロレンス神父    英真 なおき
 モンタギュー卿   にしき 愛
 ベンヴォーリオ   涼 紫央
 ピーター       美城れん
 モンタギュー夫人 花愛 瑞穂
 キャピュレット夫人 音花 ゆり
 ヴェローナ大公   水輝 涼
 マーキューシオ   紅 ゆずる
 乳母         白華 れみ
 パリス        天寿 光希
 死           真風 涼帆
 愛           礼 真琴

今回は↓のとおり。主役二人と専科のお二人、夫人たち以外はかなり変わっています。おまけに今回は大幅な役替わりがあります。役替わりさせられる生徒は大変です。

ロミオ         柚希 礼音
ジュリエット     夢咲 ねね
       
キャピュレット卿  一樹 千尋
ロレンス神父    英真 なおき
モンタギュー卿    美稀 千種
乳母          美城 れん
ヴェローナ大公    十輝 いりす
モンタギュー夫人   花愛 瑞穂
キャピュレット夫人  音花 ゆり
愛            鶴美 舞夕/礼 真琴
ティボルト       紅 ゆずる/真風 涼帆
マーキューシオ   壱城 あずさ/天寿 光希
パリス         天寿 光希/壱城 あずさ
ピーター        真月 咲
死            真風 涼帆/麻央 侑希
ジョン          輝咲 玲央
ベンヴォーリオ    礼 真琴/紅 ゆずる

それと、今回の組長あいさつでもあったように、前回は40名ですが、今回はフルメンバー71名なので大幅にボリュームアップ。
さらにニュースで小池センセイが語っていたように、今回の公演に当たってまたいろいろ手が入ったとのこと。本当に楽しみです。

それではニュース映像ですが、↓最初からなかなかの迫力です!


みんながヴェローナで盛り上がっているときに礼音はタンポポなど吹いています↓


小道具さん、なかなかそれらしく作っています。


ところで、実は私は柚希礼音的な容貌はあまり好みではありません。(←今さら言うな!)

頬骨が高くて、ちょっと越路吹雪みたいで、魅力はあまり感じないのですが、そんなことはすぐ馴れます。(笑)
表情が豊かで動物でいうとリスみたいなかわいらしさもあるし。(殴)

何と言っても今のタカラヅカを代表する安定した実力がありますね。間違いなく100周年を飾るにふさわしいスターであると思います。
演技も歌も文句なし。とくに演技力、もっと言えば眼に比類ないチカラがあります。
それを駆使した芸のダイナミックレンジが広く、今回のような若い青年役から、スカピンで見せた憎々しい敵役まで演じて見事です。
で、今回のロミオ。本当に若いです。




でもフィナーレでは一変して精悍な男に。今回はフィナーレが見ものですね。
初めはゴールドな衣装から



粋な黒の衣装で

羽根を背負ってごあいさつです。しかし、滝のような汗が首筋から‥。(^^;)


デュエットダンスでは夢咲ねねが見せてくれますね。手足が長い!



ゴージャスな二人です

ジュリエットももちろんハマっています↓


礼音を見守る表情がいいです




今回重点チェックしたいのが乳母役になった美城れん。この人、最近スカイステージでもよく見かけて、私的には雰囲気だけでも好感度大ですが、歌がうまいですねー。
短い映像紹介でも実力が垣間見えました。演技も表情豊かでよさそう。楽しみです。




ニュースを見ていて思わず「紅ゆずる、きれいやね」と言ったらすかさずヨメさんに「どこが?」と返され絶句。(笑)
でもいいですよね。
基本的に美人顔だと思うのですが。細い目などタカラヅカ化粧でどうにでもなるし。(殴)
スカステ番組の会話でよく見る意表を突いたボソッが絶品です。



公演後のスカステのインタビューで↓


あと印象に残ったのは、専科のお二人です。無くてはならない存在ですね。




いかにも大公なのが十輝いりす。貫録あります。歌がもっとよくなれば満点です。


公演後のインタビューでは、当日観劇していたロミジュリの作詞と作曲を手がけ、演出家でもあるジェラール・プレスギュルヴィック氏と小池センセイを交えたインタビューも収録されていました。

小池センセイ、いつもより小ざっぱりとしていますね。(笑)


プレスギュルヴィック氏は「世界で20か国以上でこの作品が上演されているが、タカラヅカは別格」みたいなことを言っていました。
それに対して小池センセイも「なんだ、前と同じかといわれないようにいろいろ工夫して手を入れた」と応えていました。
本当に楽しみです。




続く星組生だけのトークでは、再演ならではの難しさ・形は出来上がっているので、いかに中身を作っていくのかが課題だったとか、それぞれのツボ場面などを披露していました。





早く観劇の日が来るよう指折り数える日々が続きます。
これもまた完全にビョーキですね。

みなさん、強い感染性のあるタカラヅカ、くれぐれも観すぎにご注意です。(といってもこんなブログまで見ているようではもう手遅れか)(殴)

それにしても、フランス版もよかったなぁ。





ウインカーLED化の後日談 〜プリウスのカスタマイズ その6〜

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前回のウインカーLED化作業後に感じたプチ残念な点について、我慢できずに対策を講じてみました。(笑)

その残念な点とは、

1.点滅が遅いこと

2.ウインカーレバーを操作してからワンテンポ遅れて点滅開始すること

でした。

前回購入したLEDセットについてきたウインカーリレーももちろんハイフラッシュ防止のリレーですが、過ぎたるは‥という感じで、逆にローフラッシュになっている感じです。(笑)
明らかに点滅速度は遅く、例えがオーバーかもしれませんが、バッテリー上がり気味の一昔前の原付バイクみたいな感じです。実際、信号で曲がる際に停まっている前車と点滅速度を比較したらすぐわかります。

もう一つ気になるのが動作のもたつき。レバーを操作して一回遅れて点灯し始める感じなので、とくにレーンチェンジの際など気になります。

といっても、もう狭苦しい場所に取り付けた後なので、リレー内部に点滅回数の調節部品がついているかどうかも確認できないので(後で分解してもやはりそんな機能はありませんでした)、リレーそのものを交換することにしました。

早速ググってみました。
選定の条件は、
1.点滅スピードを無段階に調節できること
2.純正リレーと同様にアンサーバックに対応していること
3.同じく、リレーにウインカー作動音機能を内蔵していること
です。ただし2と3については現リレーでも対応していますね。

検索したらすぐ見つかりました。
株式会社マッセ グラシアス事業部が取り扱っている「ハイフラッシャー制御リレー/8ピンタイプ」という商品で、トヨタ・スバル・ダイハツ・スズキ対応とのことです。
それまでにかなりストレスがたまっていたので、土曜日に発注。昨日・11日(火)に配達されました。
これも何の説明もついていませんでしたが、コネクタの差し替えと黒いツマミで点滅スピードを調節するだけなので問題なし。前回のリレーと違ってパッケージには必要最低限の説明が記載されていたし。

そのパッケージの説明を読んでちょっとうれしかったのは、「ワンタッチウインカー(3回点滅)機能つき」というところ。ウインカーレバーを軽く押すだけでウインカーが3回だけ点滅するので、レーンチェンジの際など重宝しそうですね。

早速、配送された当日にリレーを交換しました。
今回は前回の作業で学習して、まずシートを最後部まで移動させ、ハンドルは最上部に上げて少しでも作業空間を広げることにしました。フロアには古着を広げてゴミやホコリが服に付くのを防止。(てか、そんなこともしていなかったのか!)

でもやはり狭苦しいのは変わりませんね。

まあ30型になってからの鬼のようなコストダウンのおかげ?で(笑)、リレーにたどり着くのに一切カバーなどを外さなくてもいいのは助かりますが。

前回リレーの固定にインシュロックを使用しましたが、それをニッパーで切るのがまた一苦労。よく見えないままカットして、他のワイヤーハーネスまで切ってしまったらシャレになりません。
両手が使えないのでなかなか態勢が定まず、手探りで手の甲や肘などに擦り傷を作りながら、ようやくカットできました。
リレーからコネクタを抜いて、新しいリレーに装着。
作動させて見ました。懸念されたレスポンス、純正リレーと同じで全く遅れなし!
点滅回数の調節もOKです。アンサーバックも正常。速度調節ツマミには適度の重さがあり、固定する時などに他の部品に触れてツマミが動く心配もなさそうです。作動音も適正でした。

ホッと安心です。リレーを固定する前に、点滅速度を調節しました。
比較するためガレージの前にプリウスを停めて、通りかかった車が近くの交差点を曲がる際のウインカーの点滅速度に合わせて見ました。
いろんなサンプルと比べてみて、ほんの少しだけ他車の平均より早めにして、リレーを固定することにしました。
今回は後々の点滅スピード調節のことを考えて、ツマミを動かしやすい角度に両面テープで固定することにしました。


これでようやくウインカーLED化騒動は完了です。
リレー代金2,520円と送料+代引き手数料が余計でしたが、なかった機能も付けられたのでまあいいかと。ただし、今回購入したリレーはケースが色違いの商品とか、同じ色でももっと安いものなどいろいろあるようです。

教訓として、ウインカーのLED化のベスト・バイは、LED球だけユアーズ製品を買って、リレーは今回のものという組み合わせがおすすめですね。
前回の私の記事を見て、同じLEDバルブ+リレーセットを購入された方には申し訳ない結果になりましたが、どうかご容赦を。

でも、その後再度同製品のレビューを読んでも、みなさんあまり反応遅れや点滅速度は気にしていないようなので、私だけが過敏なのかもしれません。






タカラヅカスカイステージ/ 「The Back Stage #1 ~大道具~」の華麗なる裏側

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バックステージは全部で11のテーマで番組が作られました。そのどれもが日頃ほとんど見聞きすることのない珍しく興味深い話ばかり。
その第1話は「大道具」。宝塚は舞台芸術としての完成度の高さは誰もが認めるところですが、その中でも一際豪華なのが舞台装置、大道具ですね。
今回の放送で紹介されている大道具は、2012年7月27日に宝塚大劇場で開演された花組の「サン=テグジュペリ−「星の王子さま」になった操縦士−」と「CONGA(コンガ)!!」の製作風景を中心に紹介されています。
(しかしもう1年近く前になるとは。早いものです。)

最初は打ち合わせの場面から始まります。場所は、木工工場といってもおかしくないほど広くて天井の高い「大道具製作場」です。


こんな大きな空間が舞台裏にあるとは全く知りませんでした。行き馴れた大劇場ですが、建物の空間構成がちょっと想像つきませんね。もっとも、生徒でも殆ど訪れることのない場所だそうです。

打ち合わせが行われたのはわずか開演1か月前の6月25日だそうです。まさに突貫工事です。
大道具は装置デザイナーのデザイン画と設計図をもとに作られますが、打ち合わせではまずどんなものを作るか、そして使用する材料などの説明が行われます。




大道具の担当部署は製作課と実際に舞台で出し入れしたりする公演課にわかれ、製作課でも実際に作る製作担当とできたものに色を付け塗っていく背景担当に分かれているそうです。

その製作過程ですが、大道具のデザインを決めるのは専門の装置デザイナーです。
今回の公演は新宮有紀さんという方が担当でした。

で、まず芝居のほうのデザインです。
その芝居の世界観や「かお」を思い浮かべて、全体のデザインイメージを決め、それに沿って個々の場面を作っていくとのこと。
公演を観られた方はお分かりですが、芝居は主人公の実生活と「星の王子さま」の場面が交互に展開されたり、それがオーバーラップするところもあったりするので、けっこう難しかったとのことです。
ショーのほうは、基本的にラテンものだが、ストレートなラテンものではないということで、情熱とリズムという2つのテーマで個々の場面と全体のイメージとを調和させながら作り上げたとのことでした。

で、このデザインに脚本家の意見や意向がどこで反映されるのかという点が知りたいところですが、それは今回の番組では説明はありませんでした。なのでこれは私の推測ですが、この開演1か月前というのはもう実務的な製作段階ですから、装置デザイナーが脚本家などの意見を聞くのはもっと前の、台本が固まった段階になりますね。
その段階で脚本家と打ち合わせをして最終的にデザインコンセプトを固め、実際のデザイン画と設計図を描くということになります。ということで、もし脚本家のセンセイが遅筆だったりすると、スケジュールは厳しいですね。
大道具(小道具とか照明も同じですが)の製作開始時期は決まっているので、台本の仕上がりが遅れたりすると現場との板挟みになってデザイナーは苦労しそうです。

今回の目玉はなんといっても飛行機(ちょっと飛行機に詳しい方はご存知だと思いますが、フランスの名機コードロン・シムーンですね)とあの大きな花びら。
その飛行機は、なんと作業開始2週間余りでもうほぼ出来上がっています。大したものです。プロです。

そしてまもなく完成。


この飛行機、私がこれまで観劇した宝塚の大道具として出色の出来です。もちろん他の演劇では望むべくもありません。
以前「黎明の風」でマッカーサーが降り立った場面の飛行機のセットなどは、泣きたくなるほど奇々怪々な飛行機でした。
そのとき、所詮宝塚の大道具はこの程度かと思ったものですが、それは間違いでしたね。

というのは、今回のコードロン・シムーン、デザイナーの描いた四面図の出来の良さを知ったからです。子供のころからの飛行機ファンで、このシムーンの写真や資料も以前から良く知っていて、機体の外形の特徴にもなじみのある私でも、今回の図面はよくできていると感心しました。




見落とされがちな胴体下の小さなベンチュリー管まで描かれています。(笑)


ということは、大道具の出来はデザイナーのデザイン画と設計図で決まるということですね。だから、「黎明の風」の不細工なセットも、スタッフがデザイナーの指示通り作った結果だということですね。認識を改めます。m(__)m

さて、この飛行機のセット、プロペラももちろん回ります。


がそれだけでなく、その他にも点検扉を開けるとエンジンの一部が見えるようになっていたりでよく作り込まれています。担当者は「演出や装置からの指示はなかったが、不時着したときにエンジンを点検する場面があると知って作った」といっています。まさに阿吽の呼吸ですね。






また、これは実機にはないのですが、セットの移動や運搬時に便利なように艦載機のような主翼の折り畳み機構も備えていて、凝っています。さすがにセット、サイズは実物大とはいかなくて、2分の1スケールにしたようです。


折り畳み時のロック機構も付いています。


もう一つの目玉がこの花びらのセット。
これがデザイン画と設計図です。





けっこう大きなもので、担当者はキラキラ輝いているように仕上げるのに苦心したとのことです。


このセットに上がる階段、結構大きな段差がありますね。よくコケないものです。(笑)


背景はデザイン画で40枚以上になるとのことで、まずそのデザイン画をもとに形をベニヤ板に落としていきます。アタリというそうです。




そしてそれをスタッフの大工さんが木枠を付けて組み立てていき、それにキャンバスを貼って色付けや絵柄を描いていく手順です。また電飾等も多用するのでそれもスタッフがつけていくとのこと。


階段が作られています。↓


こんなデザイン画をもとに

実際に作っていきます


さらにこれが↓


こうなりました。きれいでしたね↓


最初に蘭トムが登場するところですが、これが設計図です↓



実際はこんな風にできました↓


気が付いたのはスタッフの大所帯なこと。すごい人数です。日程が限られているので、一挙に人海作戦で作り上げていっている感じです。

本当に広い作業スペースですが、これが舞台の奥にあるとは驚きでした。


そして7月23日に月組ロミジュリ終了。ただちにそのセットが運び出され、東京に送られます。






そして完成した花組公演の大道具が運び込まれ、バトンに吊り下げられてセットされていきます。背景になるものはすべて吊下げられるのでバトンの数も半端じゃないですね。
デザイン画のステンドグラスが↓


出来上がりました↓


ばらの垣根も


出来上がったらこうなります↓


そして公演を迎えました。






最後に番組は大道具の責任者のみなさんの生きがいを紹介しています。職人さんたちです。
デザイナーの先生の褒め言葉がうれしいとか↓


直接観客の声は聞けないが、公演の営業成績があがったらうれしいとのことです。


サンテクジュペリはチケットの売れ行きがちょっと心配でしたが、こんな裏方さんの苦労を知ったら、私たちも出来る限りそれに応えてあげたいですね。

宝塚の魅力は、豪華なセットや衣装で繰り広げられる華やかな芝居とショーの舞台にありますが、それを維持するのには大変なコストがかかっているということを今回の番組でわかりました。世界に誇れる舞台芸術です。
改めてささやかながら応援していきたいと感じました。

次回は「舞台進行・公演大道具」です。更新が遅れるかもしれませんが、興味のある方はまたご覧ください。


宝塚星組公演「ロミオとジュリエット」を観て

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天候が心配でしたが、27日(木)は前日の猛烈な雨と風と打って変ったおだやかな天気でラッキーでした。
木曜の宝塚観劇は初めてですが、劇場は10時前でも結構観客が来ていました。この日は団体客が多く、宝塚が初見らしい女性の団体客が目立ちました。

いつものとおり、まず売店で数量限定の「宝塚フィナンシェ」と「天下もち」を確保。どちらもおいしくて飽きません。無事ゲットで気をよくしながらロビーの郵便局で切手を購入、7月分のスカイステージ番組表も貰って入口で開場を待ちました。


今回のチケットは、実はWEBの先行販売を逃し、一時はチケット販売の利用も覚悟したのですが、たまたま公式HPを覗いたら運よく戻り?があって、15列下手ブロックを確保できたという次第でした。こういうこともあるので、WEBで販売状況をチェックするのもアリですね。
↓ひどいピンボケです(^_^;)

座席について考えてみたら、今回で宝塚バージョンの「ロミオとジュリエット」は4回目。最初の梅芸での星組公演ではまり、雪の役替わりジュリエットでプチがっかり、月の「みりおロミオ」に納得。結局全部を観ていたことになりますね。
そして途中本家フランス版「ロミオとジュリエット」で驚愕のイメージリセットののちの今回の星組ニューバージョン観劇ということになります。

都合5回も観てから言うのもなんですが、もともと私は「ロミオとジュリエット」のような悲劇は好きではありません。(殴)
根が単純な性格なので、大枚はたいて観て悲しい気分になるより、元気になれるハッピーエンドが一番という子供じみた理由です(笑)。
でもこのミュージカルバージョンでは、主人公二人の死後、二人は残された家族や街の人々の胸の中に生き続け、不毛な対立と抗争にも終止符が打たれるという結末が強調されているので、希望がありますね。
とくにそれはフランス版で強く感じました。観終わってある種の爽快感さえある「ロミオとジュリエット」でした。

今回は二役を7人が演じる大幅な役替わりアリ公演になっていますが、私たちの観た配役はAチームで以下の通りです。これがほぼベストな配役だと思いました。

ロミオ          柚希 礼音
ジュリエット       夢咲 ねね
       
キャピュレット卿   一樹 千尋
ロレンス神父     英真 なおき
モンタギュー卿    美稀 千種
乳母           美城 れん
ヴェローナ大公    十輝 いりす
モンタギュー夫人   花愛 瑞穂
キャピュレット夫人  音花 ゆり
愛             鶴美 舞夕
ティボルト        紅 ゆずる
マーキューシオ    壱城 あずさ
パリス          天寿 光希
ピーター         真月 咲
死             真風 涼帆
ジョン           輝咲 玲央
ベンヴォーリオ    礼 真琴

余談ですが、本当に役替わりさせられる生徒は大変ですね。
プログラムによれば、今回小池センセイは再度オーディションを行ったとのことですが、それなら役替わりなどせず、彼の判断でベストな配役を決めて、それぞれの役に専念させ、生徒のエネルギーを浪費しないほうがいいのにと思いますね。
営業サイドの意向もあるかもしれませんが。

さてようやく感想ですが(いつものことながらマクラ長過ぎですね)、まずトップ二人から。


柚希礼音はひたすらロミオになりきっています。
↓プログラム表紙より


一途に恋に恋焦がれる純粋でひたむきな青年を演じています。恋にあこがれてはいても誰でもよかったのではなく、偶然出会ったジュリエットに一目で自分の理想とする女性像を見出して、そのまま絶望的な恋に落ちて行くこともためらわない主人公を丁寧に演じていました。歌もさらに完成度が高く、強い説得力がありました。若さとジュリエットに対する純粋な愛、繊細な感情がよく表現されていて感心しました。
再演のほうがなまじ形が出来上がっているだけに、逆に役作りが難しいと彼女は言っていましたが、頑張って新しいロミオをよく作りあげていたと思いました。


対するジュリエットの夢咲ねね。

まず気が付いたのは歌です。安定感があり、聞かせてくれます。以前感じたやや心もとない部分(笑)もなくなり、安心して聞いていられます。容姿に見合った歌の成長が見て取れました。

演技も成長が見られました。
夢咲ねね自身、プログラムの中で、
「今回もう一度冷静に作品と向き合い、すべての面でブラッシュアップしていきたいです。<中略>16歳という年齢や外見の可愛らしさだけを意識するのではなく、早く大人になりたくて背伸びをしているジュリエットの本質をきちっと描き出したいですね」
と語っているように、微妙な年頃にあって、両親の歪んだ生活を反面教師にして、心から真実の愛を求め続けているジュリエットを前回以上に巧みに演じていました。

なんともゴージャスで似合いのカップルです。


観劇していて気が付いたのですが、これまでの私の宝塚版「ロミオとジュリエット」のイメージはまず「場面転換の速さ」だったのですが、単純にそうとは言えませんね。アップテンポなフランス版の後なのでそう思い込んでいただけかもしれませんが、結婚式の場面まではむしろ丹念に丁寧に話を追っている感じです。
ヴエローナの名門二家の対立と抗争の歴史、とくにキャピュレット家の、当主夫妻とティボルトを巡る歪んだ家庭事情と破たんした一家の財政などを細かく描くことで、話が単なる主人公二人の若さゆえの恋の暴走とそれによる悲劇という話にならないようにしています。

次に目立ったのがオープニングで登場する「死」の真風涼帆。



いつも彼女を見るたびに「水夏希の再来」などと思ってしまいますが、決定的に違う点があります。水夏希よりはるかに歌がうまい!(笑) 
これはごく最近、スカステで役替わり公演のニュースで初めて知ったのですが、歌唱力、大したものです。ニュースを見ていたヨメさんと思わず顔を見合わせました。(でも今回の観劇ではそれが聞けず残念でしたが。)
これまでの評価は一新です。(笑)

舞台では不吉な死の雰囲気を濃厚に漂わせていました。それで登場した場面では思わず「縁起でもない、あっちへ行け!」と言いたくなりましたね。(殴) 

オープニングのヴェローナ広場での立役者の一人が十輝いりすの「ヴェローナ大公」。風格さえ感じさせる偉丈夫ぶりです。声が若くてちょっと不釣り合いなのと、もう少し歌が‥と思いますが、こう思うのはこれまたフランス版大公が余りにもウマすぎだったせいかもしれません。でも十輝いりすも似合いの役でした。


今回私が一番注目したのはやはり「ティボルト」の紅ゆずる。ニュース以来すっかりハマっています(笑)。舞台化粧は特に遠目だとプチ強すぎる感じで気になりますが、オペラで見れば全くノープロブレム。

尻軽なキャピュレット夫人(音花ゆり)が道ならぬ愛で迫ってくるのも無理からぬ美形だと思うのですが、ヨメさんは同意しませんね。(笑)
ティボルト、歌も進化し続けていて、またよくなっていました。紅ゆずるが漂わせる存在感というか独特の落ち着きはどこから来ているのでしょうか。
で、今回は紅ゆずるをずっと追っていましたが、最後に「フィナーレの歌手」として、白い晴れやかな衣装で満面の笑みを浮かべて舞台下手に出てきたのはちよっと意表を突かれた感じで良かったですねぇ。満足しました。

あと、芝居の途中でバラの花を塔?の上に投げ返すシーンが今回のツボですね。
投げるほうもストライクなら、受け取る音花ゆりもナイスキャッチ!これ、けっこう高低差があるのによく失敗しないものですね。やはりこの二人、怪しい仲だ!(笑)

前後しますが、前回と同じ役の両家の夫人たちが良かったです。
まずは怪しい音花ゆり(笑)。
言わずと知れた歌唱力ですが、演技も甥のティボルトを追いかける困った伯母さんぶり全開。歌ってはキャピュレット卿を演じる一樹千尋の歌唱力とピッタリで、いい組み合わせでした。可愛らしい顔に不似合いな力のある歌は大したものです。


対するモンタギュー夫人の花愛瑞穂もいい感じですね。前回初めて存在を知って驚きましたが、しっとりとした情感を漂わせていて、キャピュレット夫人と好対照です。
美人だと思いますね。オペラで見ているとあれ十朱幸代?と思ったりしましたが(笑)、この公演で退団とか。本当に残念ですね。
ずっと星組だったとかですが、もっと早く知っていたらと悔やんでいます。「王家‥」のときはどういう役だったのでしょうか。
この残念感、ドンカルロスのフアナ・涼花リサさんと共通するものがあります。

またまた前後しましたが、好演で気を吐いたのがキャピュレット卿の一樹千尋。まさにいぶし銀の存在です。

私などはどの公演でも、この人の名が配役に入っているだけで安心してしますね。今回も前回同様、娘を家の再興の手段と考える腹黒い、でも娘に対する思いも残しているキャピュレット卿を過不足なく自然な演技で演じていました。この人はもう現在の宝塚の至宝といってもいい存在だと思いますね。歌も思った以上に音域が広く見事でした。

専科といえばもう一人、ロレンス神父役の英真なおきも、見事な歌と変わらぬ味のある演技で場面を締めていました。特に星組公演にはなくてはならない人ですね。組長当時のこの人のあいさつも懐かしいです。いつも飾らぬ温かさが伝わってきました。



あと、今回ならではの収穫が乳母の美城れんです。

まあピッタリの配役で、何で早くこの人を持ってこなかったのかと思うほどの適役でした。歌は高音域のゆとりがもう少しあればと思ったりしましたが、それ以外は完璧。
柔らかな包み込むような歌声が見事でした。セリフも上出来。ジュリエットをわが子同様に育ててきて、その幸せのためにはどんなことも厭わないという役どころを嫌味なく演じていて感心しました。

歴代乳母では月組の美穂圭子が一番と思っていましたが、今回の美城れんはトータルな評価ではそれ以上だと思います。
美城れんはスカイステージのトーク番組で私たちにもおなじみの人でしたが、今公演で認識を新たにしましたね。

はじめにほぼベストの配役と書きましたが、残念だったのはマーキューシオとパリスの配役。これは逆パターンのほうがいいと思いました。壱城あずさはがんばっていましたが、歌が課題ですね。天寿光希のマーキューシオが観たかったので、「ほぼベスト」になりました。
ベンヴォーリオは前回の涼紫央と同じヘアスタイルなのが面白かったですが、歌は段違いで今回の礼真琴が適役。抜擢にこたえて頑張っていましたが、ちよっと小柄な感じですね。その分今後演技でスケール感が出せればと思いました。

最後にかな〜り物足りなかったのが組長さんのフラメンコ。もっと見せてほしかったですね〜。短すぎ!

公演の最後が豪華なフィナーレ。これはもうトップ二人の独壇場(二人ですが(笑))。
若い二人が大人のカップルになってその魅力を見せてくれました。デュエットダンスはもうただただ見惚れるばかりです。





ロリっぽい表情だった夢咲ねねがショートカット+透ける衣装(小池センセイの指示だそうです)で、恵まれた肢体を存分に生かして踊る姿は圧巻です。キリッとした表情は別人の感があります。官能的で耽美的なダンス、必見の絶品です。

柚希礼音も大人の男の精悍さを前面に出したダイナミックな踊りを堪能させてくれました。




この二人、今の宝塚を代表するトップコンビといって過言ではないですね。
↓プログラムより


観劇の最後の感想ですが、今や宝塚の定番出し物となったこのロミジュリ、ほとんど音楽とダンスだけのシンプルの極致・フランス版元祖ロミジュリをよく宝塚バージョンに仕立て直したものだと、改めて小池センセイの力量に感じ入っています。
ミュージカルとしての完成度の高さでは、全く別物といっていい出来だと思いますね。

充実の星組と小池センセイが、来年の100周年公演で何を見せてくれるのか、今から楽しみです。

万葉文化館 野々内良樹 回顧展−花鳥へのまなざし−を観て

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梅雨はどこに行ったかというような暑い日でしたが、展覧会場は涼しいので、気にせず万葉文化館に向け出発。いつもの通り、開館時間きっかりに到着。しかし、駐車場は車の数がいつもより更に少なく、ちょっとがっかり。館周辺も人影がありません。


いつものとおり、建物入口前で庭園を背景に写真を撮ってから館内へ。今の時期、庭園は花が少なく、ホタルブクロとネジバナ程度しか見当たりませんでした。


野々内良樹回顧展−花鳥へのまなざし−は日本画展示室での展示で、作品数は館のホームページでは「約40点」となっていましたが、「約」とはどういう意味でしょうか?
でも、残念ながら今回も、展示室には展示パネルの各コーナーごとに配置されたスタッフ以外は誰もいません。思うままに作品が鑑賞できるのはいいのですが、広い室内に他に誰も観客がいないというのもいささかさびしいですね。

作品は製作時期順に展示されていました。初期の作品はやはり色彩も鮮やかで題材の描き方も力強い感じですが、年齢とともにそれらが穏やかに繊細になっていっていました。
インドクジャクやツルなどをよく描いていて、どれもきれいな絵です。花鳥画といえば上村松篁・淳之親子の絵などを連想しますが、それらよりは鳥類の形態の描き方がリアルで、画面構成の様式化の度合いも低く、より自然な描写でした。




これはけっこう装飾画的です↓

↑いずれも公式ホームページより

しかし、どうもこういう題材は苦手ですね。どの作品も穏やかな画風なので、見飽きてしまいました。
題材は違っても似たような印象の絵が続くので、だんだん観る集中力が続かなくなります。そのせいか、たまに観客が入ってきてもすぐ出て行ってしまい、ゆっくり見ているのは私たちだけでした。
鳥類に詳しい方だとまた別の興味もわいてくるのでしょうが、名前だけは聞いたことがあっても、個々の生態などに疎い私たちにとっては猫に小判でした。
それでも1時間ぐらいかけて観て回って、11時過ぎに会場を出ました。

展示室横の廊下では写真展が開かれていました。一通りそれも見てからミュージアムショップへ。

障害者割引で入場料を無料にしてもらっているので、せめてものお返しと、毎回館内のショップで絵葉書や万葉集に関連した書籍を買っていますが、今回も展覧会にちなんだ絵葉書と、以前展覧会が開催された安野光雅の「絵の教室」(中公新書)を購入しました。この本、絵画鑑賞の基本について原色図版を多用して丁寧に解説してくれていてお勧めです。




この時点で時計を見たら11時半になっていました。昼食をどうするか少し迷いましたが、今回も館内のカフェSizinを利用することに。前回サンドイッチが分厚くて食べにくかったのですが、味や食材そのものはよかったので、リピートすることにしました。


展覧会の観客が少なかったし、時間も昼少し前なので店内は私たちだけかと思ったら、もう先客がいました。
その後も次々とお客さんが入ってきて店内は盛況でした。意外でしたね。

オーダーしたのは前回同様サンドイッチBセット。@1,000円と手頃です。


デザートはバニラアイス+コーヒーゼリー。ドリンクはカフェオレ(香りが高くおいしいです)にしました


ヨメさんのチョイスは今月の紅茶・ナツコイ。フルーティーな紅茶でした


ナツコイの説明です


サンドイッチのパンは相変わらず厚切りでしたが、こちらも学習して(笑)オープンサンド風に具をパンに載せて一枚ずつ食べました。具にモッツァレラチーズやレタス、生ハム二枚に味の濃いトマトなどいいものを使用したサンドイッチで、その横には同じモッツァレラチーズ+トマトにデラウェアの小さい房、カボチャのレモン煮が添えられていて、さらにサラダとドリンク、デザート(プリンorバニラアイス)が付いて1,000円はCP高いです。

満足して食事を終えて、庭園に行きました。最初に書いたようにこの時期は花が少なかったのですが、それでもホタルブクロがもう咲きはじめ、シモツケはきれいなピンクの花を満開、その横にトキワバアジサイが名残の花を重そうにつけていました。遊歩道を下った庭園奥のアジサイ園ではヤブカンゾウが咲き始めていました。
シモツケです↓


ホタルブクロ↓


ヤブカンゾウも咲き始めていました↓



梅雨明け寸前の暑い日差しを遊歩道の木陰で避けながら駐車場に戻りました。この2日後に「梅雨明け宣言」となりましたが、実際はもうこの日に明けていたと思いますね。

絵画展としてはイマイチな感想となりましたが(笑)、カフェで以前と同じおいしい昼食が味わえたので満足でした。

飛鳥を旅される方はぜひ万葉文化館まで足をお運びください。

企画展以外にも、富本銭を造っていた飛鳥工房の遺跡や、万葉文化を多面的に紹介した展示など見ごたえがあります。
おすすめです。

パソコン用液晶モニター+チューナーでSONYの古いテレビの代用に挑戦

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SONYの14インチブラウン管テレビは、うちの家族が就職して静岡でアパート暮らしを始めた際に購入して使っていたものです。
KV-14AF1という機種で、トリニトロン管が売りでしたね。でもこのテレビ、小さいブラウン管でも定格消費電力は75W。


マスプロのチューナーDT-400は、以前スカイステージ視聴のため購入していました。この消費電力が13Wなので、テレビとの合計は88Wになります。


今回テレビ代替のため購入を検討した液晶モニター・イイヤマのProLite X2377HDS-Bは画面が23インチでも消費電力は32W。
それに付けるチューナー・IODATAのHVTR-BCTLの消費電力が少し少なくなって約10Wなので、合計42W。ほぼ半分になりました。
それ以外でもフルハイビジョン規格の液晶だし、USBのハードディスクをつなげば録画もできるので、メリット大!と更新決定。
でもそんな理由はどうでもよくて、要はいつもの出来心にすぎないとヨメさんは見抜いていますが。(笑)

用廃となったテレビと地デジチューナーは別の用途に使用する予定ですが、その話はまた別の機会に。

ところでSONYのテレビは、キッチンの食卓横の家具の上に置いていました。
14インチとはいえ、最近の横長サイズの表示ではさらに画面が縦に狭くなっていました。ただブラウン管は斜めから見ても色味は変わらないので、どこに座ってもきれいに見えますが、液晶は原理的に正面と斜めからでは画面の見え方は変わってきますね。
なので、少しでも視野角が広いように、液晶はIPSパネルで、バックライトはLED(もっとも今はどれもLEDですが)、スピーカー付(これは失敗)で23インチのものから選びました。

デジタルチューナーは今では地デジ移行も一段落して製品の選択肢はなく、3波対応で外付けハードディスク可となれば先のIOデータのHVTR-BCTLだけになります。
まずこのチューナーを買ってきて、デスクトップパソコンで使用中の24インチモニターにつないで設置スペースを確認。OKだったので、ネットで上記の液晶モニターを発注しました。

アンテナ線はそのまま使えるので設置は簡単。チューナーの設定も地デジのエリアを選ぶだけで超簡単。HDMIケーブルもチューナーに添付なので、それをつなぐだけで作業は完了しました。

キレイな映像には満足でしたが、これで実用できたかといえばノーで、いくつか問題が判明しました。

まず第一が内蔵スピーカーの音の悪さ。やはり液晶内蔵のスピーカーは実用不可でした。中低音が弱いので、シャリシャリした音で聞きづらいですね。
これはこの機種のモニター特有の問題ではなく、液晶テレビでも同様で、居間の37インチの日立の液晶テレビでも程度の差はあれ同じ傾向でした。そのため日立のテレビには別途BOSEのスピーカーを付けています。

それで急きょネットでクチコミを検索。CPの良いこれにしました。オーディオテクニカのAT-SP102 BKで、代引き・送料込みで4,234円でしたが、小さい筐体なのに十分な音質でした。チューナーのリモコンでは音量調節ができないので、ボリュームがスピーカー上部についていて簡単に調節できるのも便利です。チューナーとの接続はRCAピンジャックをφ3.5mmステレオミニプラグに変換することでOK。
↓左側はモニター下に横倒しで設置


↓ボリュームつまみに音量がわかりやすいように白でマーキングしました


次にもっと大きな問題が、パラボラアンテナへの給電問題。
チューナーに来ているアンテナ線は先の日立のテレビWoooと同じアンテナを使っています。それでアンテナ線は「分配損失ゼロ」が評判のコレで分岐させています。アンテナ給電は1系統のアンテナ線のみですが、これまでは常時給電仕様の旧チューナーから給電していました。それで、チューナーの電源オフでもWooo(これは電源オン時のみ給電)も視聴できていました。

ところが新しいチューナーは常時給電不可。そして先述のように分配器は1系統のみの給電タイプ。今回の出来心のせいで、チューナーオフではWoooでのBS・CSの視聴ができなくなったのです。
ヨメさんの冷たい視線を感じながら、いろいろ対策を考えました。給電系統にこれまでのチューナーをつなぎ、残りの3系統のどれかにWoooと新チューナーをつなげばいいわけですが、それでは13Wが無駄ですね。

それでまたネットで探したら、いいものがありました。ニッチな製品で思わず笑ってしまいました。価格も妥当で、消費電力も少なくてGOOです。
早速手配して、これを給電系統に接続。解決しました。^_^;




しかしいくらエコとはいえ、最近はどのテレビやレコーダーも常時給電ではなく電源連動タイプになってしまったのは問題ですね。

で、最後はチューナーとモニター、スピーカーの電源のオンオフ連動設定でした。
日立のテレビWoooでは、パソコン用の連動タップを使って、テレビとスピーカーの電源を連動させていました。それで今回も、チューナーに連動させてモニターとスピーカーの電源もオンオフしようと、手元にあった同じ連動タップを使ってみたのですが、これはあえなくアウト。
このタップ、パソコンそれもデスクトップ用なので、チューナー程度の消費電力では少なすぎてリレーが作動しないのです。
いろいろ感度調整してもダメ。たまに動いても不安定で実用不可。

結局昔からある手元スイッチ付のコンセントにモニターとスピーカーを接続して使用することにしました。モニターは信号入力が無くなったらスタンバイモードに入るのですが、周期的に「無信号」の警告が出るのが目障りなので電源オフにしています。

まあ何のかんのと結構ドタバタしましたが、それでも価値はありましたね。

というのは今回の作業の後、同程度の画面サイズの液晶テレビのスペックを調べてみたら、意外に20インチから27インチ程度のテレビでフルハイビジョン(1920×1080)対応の製品が少ないことがわかったのです。さらに外付けハードディスク対応のものも少なくて、あっても価格が高いのです。
その後新聞折り込みのチラシをチェックしてみても、32インチ程度でもフルハイビジョン非対応のものがあったりするので、テレビを購入予定の方は要チェック項目ですね。

最後に外付けハードディスク。
チューナーに手持ちのUSB3.0(チューナーはUSB3.0非対応ですが)の1TBの2.5インチハードディスクをつないでみたら、バスパワーだけで何事もなく認識されました。録画モードはDRモードだけですが、それでも100時間録画可能と表示されましたので充分です。
メニュー表示も特に問題なく、すぐ慣れます。ただし、別のハードディスクに変えると全く認識しなくなり焦りましたが、この場合はハードディスクを外してからチューナーを初期化。
その後電源オフにして認識しないハードディスクをつないで電源オンにしたら無事認識しました。初期化といっても地デジ設定だけなので簡単です。どうも一つのハードディスクしか認識しない仕様のようです。
それとハードディスクは設定メニューで「録画のみ給電」の省エネモードにできるので、ハードディスクの耐久性も問題ありません。

液晶モニターの下にチューナーがすっぽり収まるのでリモコンの感度も問題なく、スピーカーは右側はモニター横に置き、左側はスペース上倒して設置することでクリアに聞こえています。


古いブラウン管テレビから液晶テレビに買い替える方は、参考にしてみてください。


宝塚宙組全国ツアー「うたかたの恋」「Amour de 99!!−99年の愛−」を観て

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まずは、いつもの超ローカルな前置きです。(笑)
12時開演なので10時過ぎに出発。いつも以上に車の量は少なく快適に劇場に着きました。車椅子で駐車場から出る際に、居合わせたお祖母さんとお孫さんらしい二人が重いドアを開けてくれて感謝感謝でした。ここのドア、重くて大変です。
劇場横のカフェで腹ごしらえを済ませて劇場前に行きました。
(ちなみにここのカフェのお替り自由のサラダ、はじめ調理前の材料が置いてあるのかと思いました。リピート無理です)

事前に車椅子スペースをお願いしていたので、劇場前では係の男性スタッフが待っていてくれました。楽屋の前の通路を通ってエレベーターに乗って劇場に。今回は人気があるのか劇場内外は活気がありましたね。女性比率は大劇場以上に高く、男は少な目。

始まる前にプログラムを買いました。ヨメさんも期待が大きかったのか、久しぶりに買うのに同意しましたね。(笑)
プログラムの表紙、凰稀かなめの表情がなにやら微妙ですね↓


で、ようやく感想になります。(笑)
まず芝居のほうから配役に沿って。

ルドルフの凰稀かなめ。


まずやはりきれいです。文句なし。

歌は微妙にビブラートもあって(笑)、モンテクリストよりさらにまた進化しているかなと思ったのですが、ヨメさんに言うと「あまり変わらん」と辛い点。
でも私はこれまでもっと酷い男トップの歌の数々を聞いて耳が鍛えられているので(殴)、それらと比べたら(比べるな!)充分及第と思いますよ。容姿と大人の雰囲気、甘い声の質がそれを補って余りあります。

ただ演技のほうは、今回はその甘いキャラが仇になって、キリッとした印象が少なくて残念な感じですね。全体としても、民主化?を進めようとする青年将校グループにシンパシーを抱いて加担しつつ(このあたり「エリザベート」参照のこと(笑))、一方でハプスブルク家の十八番・政略結婚を強いられて、満たされない愛への渇望感から、次々と女性遍歴を重ねる彼の懊悩の描写が弱く感じました。

ひたすら甘い表情と甘い声は、ファンにはたまらないのでしょうが(私も結構好きだったりして)、後半ルドルフが次第に追い詰められていく過程の心理描写などが物足りなかったですね。この点、麻実れいはよく演じていましたね。とくにいよいよ死のときが来たことをマリーに告げるシーンとか。でもこのあたりは演出家の好みから来ているのかもしれません。

まあ、今回の出し物は、30年前!に観たゴールデンコンビ・ターコ&モック初演版と比較しているので、どうしても辛い採点になってしまいます。凰稀かなめは、前回のモンテクリストの好印象のせいでとくに期待していたので、余計にプチガッカリでしたが、今の宝塚各組の中では一番適役だとは思いますね。

次はマリー・ヴェッツェラの実咲凜音。
今回の観劇でつくづく思ったのですが、マリーとルドルフの関係はかなりすれ違いというか、対等の恋愛関係ではないですね。ルドルフは自分の理想としている清純で無垢な女性を追い求めていて、たまたまそれをマリーに見出したということで、マリーのほうはあこがれの皇太子に求愛されて舞い上がってしまったという感じでしょうか。
そのマリーがルドルフの言うままに心中に突き進んでいくという話で、まあ今となっては古色蒼然としたお話です。

そういう、あまりしどころのない役ですが、実咲凜音は可憐にひたむきにルドルフについていく姿をよく演じていました。
一番びっくりだったのはルドルフの手紙を読み上げながら歌う場面。

まず手紙をマリーに渡すようブラッドフィッシュ(松風輝)に言いつけるルドルフ↓


届先を見て驚愕するブラッドフィッシュ↓


そして手紙を読み上げながら歌うマリー↓


舞い上がるマリーを引き留めようとする乳母↓


こんないい場面だったのかとうれしい発見でした。うまいですね。なにしろ唯一観た初演版がモックだったもので、舞台は上の空で早く終わってくれと念じていたことだけ覚えています。(殴)
(でも、そのモックの演技力ときたら、もう歌など少々下手でも全くノープロブレムでしたが)

ただ、しいて言えば実咲凜音は高い音がちょっと弱いのかな。でもトータルでは大したものです。
最初と最後の舞踏会のシーンは本当にきれいです↓






余談ですが、観劇の後スカステで見た今回の宙組公演のNow on Stageはいろいろな点で面白かったですよ。

要約すると、
1. 凰稀かなめは場をあまり仕切らない。話し方は昔の姿月あさとに似ている。
2. 仕切らない凰稀かなめの代わりに悠未ひろがうまく話を進めていた。好感度アップ。
3. そして実咲凜音は完全に浮いていたが、当人は気づいていない。ひょっとしてトップコンビは仮面の夫婦?(殴)
4. 司会者は今回が初司会とはいえ課題多し。
といった感じでした。凰稀かなめに悠未ひろ、緒月遠麻、朝夏まなとの4人はいいチームワークでした。

話を戻して(笑)、エリザベート皇后は美穂圭子。
今回は芝居もショーでも本領発揮で、美声を聞かせてくれました。演技でも、孤独な宮廷生活の中で、現実逃避してきた自身の来し方と、それゆえの息子への罪悪感と後悔が良く表現されていました。立っているだけでもエリザベートでした(笑)。


その夫ヨゼフ皇帝は悠未ひろ。迫力あるヨゼフです。帝国を守るための強い意志と威厳に満ちあふれた皇帝陛下です。存在感がすごいです。今回はこの人と美穂圭子、純矢ちとせが聞かせてくれました。ラストシーンの小春乃さよとの影ソロは圧巻でした。




朝夏まなとはジャン・サルヴァドル役で、モンテクリストとは違って今回は凰稀かなめの味方ですね。(笑)
同時に芝居全体の狂言回しも務めています。すみれ乃麗と相思相愛のカップルで凰稀かなめを羨ましがらせています。


 

逆に敵役になったのがフリードリヒ役の緒月遠麻。陰謀家で悪いヤツです。ルドルフを追い落とそうと策を練ります。

贔屓な1人なので、感情移入が難しい観劇となりました。(笑) 
でもショーでは、「第五の愛−鴨川清作の愛−第17場」で女役になって、レナ・オリンみたいな美女ぶりを見せてくれたので満足。(笑)

今回の芝居で私の一番のツボはマリンカ!
さすが草笛雅子!なわけなくて、今回は純矢ちとせ。
ルドルフに迫る場面はなんとも妖艶で、蠱惑的でした。美脚も披露してくれています。
でもなんといっても、びっくりな歌唱力です。どこまでも伸びのある美声にハマリました。ボヘミアのダンス場面も、もっと長く聞いていたかったところです。本当に初演時の草笛雅子を彷彿とさせてくれる美声でした


ステファニー役は伶美うらら。彼女も政略結婚の犠牲者ですが、舞踏会での嫉妬の炎を燃やす表情、よくやっていました。
どこか実咲凜音に通じる顔立ちですね。でもこの役もあまりしどころがなく気の毒です。


あとはフェルディナンド公の愛月ひかるも好演していました。従僕ロシェックの寿つかさもコミカルな演技で印象に残るいい役でした。


これはショーのほうですが↓


コミカルといえば馭者ブラッドフィッシュの松風輝も、ややオーバーな演技ですが笑いを誘っていました。
もうひとりコミカルな配役の乳母ジェシカは鈴奈沙也。その歌と演技で、思わず往年の雪組組長の銀あけみを思い出しました。懐かしいです。偶然彼女が最後まで入院していた病院にたまたま通うことがあったので、感慨もひとしおでした。

さて、ショーのほうですが、今回は芝居よりもこちらのほうが印象に残りました。
もともとこれまでの宝塚のレビューの名場面をいいとこ取りしたものなので当然ですが、前回は5人のセンセイの遺影を遥拝する場面でせっかくの感動がブツ切りされてしまったのが、今回ラッキーなことに全部省略されていて、グッとまとまりが出ていました。もちろん人数も少なく、セットも簡素になり舞台も狭く、セリや盆などの装置も使えないのでかなり印象が異なりますが、基本が名場面ばかりなので楽しめました。
しかも全ツーバージョンとして客席降りがたくさんあって、普段宝塚を見られない地方のお客さん向けの大サービスがうれしいです。

まず朝夏まなとのチョンパから始まって、実咲凜音の夢のエトワールのあと凰稀かなめが登場。


美穂圭子は「愛の歌手」↓ 歌う場面をたくさんもらっていました


朝夏まなと↓


悠未ひろ↓


客席降りもたっぷり






凰稀かなめも客席降りのサービス↓


そして目玉のパイナップル!何とも言葉がありません。見とれるばかり(笑)






最後のデュエットはさすがにきれい。影ソロも絶品。


終わって組長あいさつの後は近畿出身者の紹介。全ツーならではです(笑)。






最後は凰稀かなめのご挨拶。やはり今のタカラヅカを代表するトップスターですね。あともう少し歌が‥(まだ言うか)。


観終わってつくづく宙組メンバーの充実ぶりを感じました。これでもまだバウホール組がいるわけですから大したものです。
(それに引き替え月の手薄なことと。仰天のみっちゃんの大羽根です。彼女も贔屓ですが、そんな私たちでも、いくらなんでもあの羽根はないだろうと思うし、スカステの初日のニュースでは、トップコンビとみっちゃんだけのインタビュー!どうした歌劇団!といいたくなりますね)

いろいろ書きましたが、今回の公演、無理してチケット取って正解でしたね。

耳福・眼福で、芝居では30年前の東京での観劇を思い出して、しばしノスタルジーの世界に浸れました。

チケットをゲット出来た幸運なみなさん、楽しめること請け合いです!


兵庫県立美術館 奇跡のクラークコレクション -ルノワールとフランス絵画の傑作-を観て

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ヨメさんが行きたがっていた兵庫県立美術館のルノワール展ですが、基本的に人ごみが嫌いな私なので、なかなか行く気になりませんでした。
でも最近美術館のサイトを見たら、なかなか良さげな展覧会のようで、混雑していても出かける価値がありそうだったし、なにより会期の中盤の今ならそれほど混んでいないだろうと考えて、7月27日(土)に出かけました。

いつもならスイスイ車を走らせてというところですが、やはり関西有数のお出かけスポット神戸なので、今回は事前チェックでも阪神高速・神戸線が渋滞中とのこと。
でも根が楽観主義の私ゆえなんとかなるだろうと、9時前に出発しました。環状線までは、駒川で軽く渋滞したものの大したことはなかったのですが、神戸線に入ると次第に車が増えてきました。それでも10時15分には美術館に到着。駐車場に停めて、車椅子を押してチケット売り場に行きました。

いつも感じることですが、この美術館、「過酷な建築家・安藤忠雄」の作品らしく障害者や高齢者には全くやさしくないですね。
彼の設計で定番の大きな階段、美術館に来る年配の観客には辛いので、デザイン優先で極小に切り詰めらたエレベーターはいつも満員。大体、いつ行っても階段を上って3階まで歩いている人をあまり見かけませんね。

さて覚悟していた会場内の混雑ですが、すでにチケット売り場には30人前後が列を作っていました。でも私の予測よりははるかに少なくホッとしました。あのエルグレコフェルメールに比べたらかわいいものです。

入り口で今回も解説用のヘッドホンセットを借りましたが、正直言うとこれがなかなか微妙。
なにしろナレーションの一人が黒柳徹子女史!です。彼女、もともと若い時から滑舌が?ですが、昨今はそれに加齢の影響が加わっていて、それがヘッドホンからディテールまでクリアに聞こえてくると、説明の内容など飛んでしまいそうになります。(殴)
いろいろ興味深い解説内容もあったのですが、人に勧めるかというと結構躊躇しますね。絵の横の説明文とほぼ同一ですし。

余談はさておき、今回の展示品は選りすぐりの名品ばかり。なんといっても目玉はルノワールですが、他の展覧会ではあまり目にすることがない静物画や自画像まであって、人物画も傑作揃いでした。

<シャクヤク>


<たまねぎ>


どうですか?芍薬はまだしも、ルノアールと玉ねぎとは! でもルノアールにかかれば玉ねぎさえ輝いています。(笑)

人物画では一番気に入ったのがコレ↓ 「テレーズ・ベラール」で13歳の少女の肖像画。

「ルノアールテンプレ顔」(殴)していないのが気に入りました。もっともモデルになった女性は服が気に入らなくて「好きな絵ではない」と言っていたとか。父親は外交官で銀行家だったそうです。この絵は以前も来日しています。

そしてルノアール・テンプレな人物画も良品揃い。(笑) クラーク夫妻の好みの良さが表れています。

まず「劇場の桟敷席」 本当は3人が描かれていたとか、説明がありました。


そしてこれ↓は「縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル」。長い名前で覚えられない‥。


ポスターに使われたのがコレ↓ 「鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)」ほんとはフルーリー嬢じゃないとかの説明でした。


その他にも有名な「うちわを持つ少女」などがあって、ルノワールは合計22点。満足でした。

他の画家の絵も見ごたえのあるものばかり。

モネといえば睡蓮ですが、こんな絵もあったとは。「エトルタの断崖」↓


観ながら、大昔コーンウォール半島の先端・ミナックシアターを訪れた帰路に立ち寄った風景を思い出しました。オールドハリーというところです。



セブンシスターズよりは小規模ですが、ここもナショナルトラストが保護していて、真っ白な崖がきれいでした。
ああ、また行きたいよ、イギリス貧乏旅行!(笑)

これはバルビゾン派・コローの「水辺の道」↓


マネのこんな絵もありました↓「花瓶のモス・ローズ」


アカデミズムの作品・ブグローの「座る裸婦」。そのまんまな題です。

アングルを想起させる硬質で端正なタッチです。

その他にもジェロームの「蛇使い」やドガの「稽古場の踊り子たち」、ジェームス・ティソの「菊」もいつまでも見ていたい作品でした。特に「菊」は花の扱い方が斬新でした。

今回の展覧会の感想は、「疲れない」の一言。(笑)
ほとんどの絵が、狭い我が家でも飾れそうなサイズで、しかも穏やかな雰囲気のものが多かったのがリラックスできた要因でしょうね。とくに目玉のルノアールの作品の多くが彼らしく楽天的でハッピーな画風なのがよかったですね。

それと、展覧会の配置が素晴らしい。
ルノアールを最後にもってきているのが効果的でした。
というのは、皆さん展示の初めのほうは元気があるので熱心に丹念に観るので混雑しますが、最後のルノアールの展示あたりまで来ると、お疲れなのか人波も適度に散らばってきてゆったり観られたのです。オーバーに言うと、「万葉文化館」状態。(殴)
そのため、会場出口まで作品を観てから、再びはじめからルノアールの作品を見直すことが出来たりして満足しました。ナイスな配置でした。

観終ってから今度は「マリー・アントワネット物語展」へ。
こちらは地味というかマニアックというか、興味のある方には堪えられないでしょうが、私のように「絶対王制」と聞くと即座に拒否反応が出てくる者にとっては余り感銘を受けない展示でした。
でも豪華な衣装やド派手なウイッグ、手の込んだ装飾品を見ていると、派手好きで浪費家といわれた彼女や貴族・王族の暮らしぶりがうかがわれて、フランス革命の背景がリアルに見えてきますね。
以下の写真は撮影自由な展示コーナーで撮影したものです。フラッシュは禁止なのでブレブレです。^^;

衣装はもちろんレプリカ






巨大な帆船が付いたウィッグ↓


出口近くには池田理代子氏が本展用に描き下ろしたのマリー・アントワネット原画が↓


今回よくわかったのが、マリー・アントワネットの鼻の形。けっこう鷲鼻でした。
なので、ヨメさんと「あの鼻の形だとオハナがやったらピッタリやね」などと下らぬことを言ってみたり。(笑)

観終ったら結構な時間になっていたので、劇場前の立体看板前で写真を撮ってからカフェへ。
相変わらず狭い店内を、恐縮しながら車椅子を押して奥へ。

食べたのはコレ↓(まあまあ価格相応ですが、コーヒーが煮詰まっていて苦すぎ(笑))


でも今回の展覧会、それほど混まずに観られてよかったです。やはり期間の中ごろあたりが混まないようです。
絵そのものが余り普段目にすることが出来ない希少な作品が多いので、ぜひ機会があればご覧ください。

おすすめです。

アクセサリソケットを増設してみました〜プリウスのカスタマイズ その7〜

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プリウスいじりもそろそろネタ切れ?と思っていたら、まだ残っていました。(殴)
乗っているかたはご存じのとおり、プリウスのシガーソケットはコンソールボックスの中にあるので超不便です。
シガーソケットといってももう喫煙人口は激減(私もとっくにやめました)、ライターとしての用途は不要ですが、最近はスマホなどの充電用に使うとか、インバーターを接続してノートパソコンのACアダプタを接続して充電するとかで新たな用途が生まれていますね。

私も携帯の充電用に以前そんなアダプタを買ってコンソールボックスに入れていましたが、先に言ったようにソケット自体の位置がコンソールボックスの中しかも底なので、使用するたびにボックス内のCDなどを全部出さなければならず、不便でずっと未使用のままでした。(買っていたことさえ忘れていました)

で、ある時ネットで、フロント側コンソールの小物入れ?カバーを外し、代わりにシガーソケット×2とUSBコネクタ×2のついたものを付ける商品を見つけたので、「夏休みの工作」として装着することにしました。

同種のパーツとしては、他にもLグレードに標準装備されている純正部品を流用するとか、シガーソケット×2だけの商品などがありますが、USBコネクタが使い勝手がよさそうなので、コレに決めてポチッ。
送料・代引き手数料込みで約9K円と、使用している素材を考えたらかなり割高ですが、まあ他に代わるものがないので仕方ないですね。


で、無用なトラブルを避けるため(殴)、ヨメさんがデイケアサービスに出かける日に配達されるよう依頼していましたが(笑)、よくしたもので彼女が送迎車に乗って出かけた後、絶妙のタイミングで配達されました。日本の物流システムは大したものです。

さて、送られてきたパッケージは拍子抜けするほど軽かったです。まあ見ての通りのものですから当然ですが。
でもこれが9K円もすると知られたら本当に彼女は激怒するかも。(笑)

作業は事前に動画で確認していたので容易でした。

必要な工具類は
1.コンソールボックス脱着用の10mmのソケットレンチ(エクステンション付のものが便利です)
2.ペンチかプライヤー(電源割り込み用のコネクタをかしめるため)
3.ピアノ線かワイパーゴムの金具(配線コードを通すため)
4.配線固定用のインシュロックなど
5.内装はがし(エーモンなどから市販されています)
6.内装保護用のテープ(塗装用の紙のマスキングテープなど)
あと、製品添付の説明書にはテスターも用意するように書いていますが、配線の色さえ間違わなかったらなくても可です。私は使用せず。

最初は既設カバーを外します。内装剥がしがあれば便利です。私は内装剥がしを紛失したのでマイナスドライバーを使用。カバーに無残に傷がつきましたが、再使用する気がないのでOK。コンソール側はテープで養生したので無傷。


次に、コンソールボックスをずらすためボルト5本を外します。カップホルダーを外してからネジ部の半円形のカバーを外すとメッキしたボルトが見えるので10mmのソケットレンチで外します。


次にボックス内の底敷きをめくって、その下のボルト4本を外します。いずれも10mm頭のボルトです。そしてコンソールボックスを後ろにゆっくりずらします。
急にずらすとワイヤーハーネスが痛みますからご注意。

それから、分離したコンソール部から先のカバー部まで電源コードを通します。弾力性のある細いピアノ線か、動画のようなワイパーゴム付属のステンの金具がいいでしょう。ただし私はいずれも手元になかったので、柔らかいアルミの針金を使用しました。


通したコードの先の小さいコネクタを増設ソケットセットのコネクタと接続。


次に、ずらしたコンソールボックス部に電源を取る白いカプラーがあるので、そのカプラーの緑のコードに、先に通した電源コードのプラス・赤コードを、白黒コードにはマイナスの黒コードを、それぞれ添付の配線コネクタでつなぎます。
ワイヤーハーネスのコードが細くて固いので、白いカプラーをステーから外して作業したほうが楽でした。


この段階で車をアクセサリ・モードにして作動を確認。
説明書ではショートを防止するためあらかじめバッテリーのマイナスターミナルを外して作業するように記載しています。ただ、私は外さず作業(殴)。
でもこれを読まれた方はズボラせずに、正しく説明書通り作業してくださいね。私の真似して万一配線ショート→車焼損となっても責任負えませんから。
(でもプリウスのバッテリーって、トランク内なので外すのがめんどくさいです)

配線関係を異音がしないように束ねてから、コンソールボックスを元通り固定。増設ソケットパネルをはめ込んだら完了です。ゆっくりやっても20分程度。早速携帯に充電してみましたが、OKでした。
この商品、カバーの成型精度が元のカバーほどではなく、フロントコンソール本体との隙間の不揃いが結構気になりますが、1mも離れたらノープロブレム。色もミディアムグレーの色調が微妙に茶色っぽいのですが、まあ言わなければ気にならない程度なのでよしとしましょう。


それとソケット周りの青いLEDがうるさいかなと思いましたが(コネクタを基盤から外せば不点灯にできます)、昼間はそれほど目立たず、薄暗い場所のため夜間に利用する際の照明にもなるので、点灯オンで使用しています。

昼間はこんな感じです↓


夜はこんな感じに光ります↓

実際、まだ昼間だけですが、ヨメさんは全く装着に気づかず。
もし気づかれたら例によって「費用の過少申告」必須(殴)と身構えていましたが拍子抜けでした。(笑)

最近はデジカメの充電もUSB経由でできるものが増えているし、退蔵していたインバーターでパソコンのバッテリーの充電も可なので、災害時の情報家電の電源としても使えそうです(散財の言い訳モードミエミエですね)。


これでカスタマイズは本当に一段落、かな?





兵庫県立芸術文化センターで「象」を観て感じたことなど

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本題の前にまずはいつもどおりの前置きです。

13時開演ということで、劇場周辺で昼食をとることにしたため、余裕を見て10時に出発。
行く前から阪神高速が渋滞とのことで覚悟していましたが、やはり松原線の駒川あたりから渋滞に巻き込まれました。環状線の事故の影響とかで、神戸線に入るまではノロノロ運転を強いられ、結局2時間以上かかって劇場に到着。

前回はレストラン入り口のカフェでボラレ気分だったので、今回は阪急の駅まで行ってサンドイッチのランチセットで昼食。同じ内容で半額以下だったので納得でした。

劇場に戻って中ホールに行ったら結構な客の列。ここでは1日1回だけの公演なので、補助席まで出た盛況ぶりでした。私たちの席は勾配のあるところだったので観やすくてよかったです。料金はなんと5,000円。

席についてまず目についたのは、ほの暗い舞台一面の夥しい古着らしい衣服の海。そしてぼんやりと浮かび上がるベッドのセット。原爆の被爆者が主人公とのことで、まず思ったのは敷き詰められた雑多な衣服が死者を象徴しているのかなという、まあありきたりな印象です。
↓当日買ったパンフレットから練習風景。この衣服類、スタッフがファスナーやボタンなど怪我しそうなものを全部外したとのことです。


話は入院中の「病人」(大杉漣)をその甥である「男」(木村了)が訪ねてくるところから始まります。

「病人」は広島で被爆し、背中にケロイドを負っていて、そのケロイドを街頭で見せて喝采を浴びることを生きがいにしてきたが、病状が悪化して入院しています。「男」の木村了、セリフが明瞭なのがまず好印象。しかし普通なら幕が上がってどんな話になるか、つかみの部分を探るのですが、今回の「象」はそんな常識は通用しません。いつまでたっても筋が見えてきません。

とにかくとりとめのない、意味や内容があるようでないセリフが延々と続きます。「病人」は病状がよくなったらまた違う趣向でケロイドを見せようとあれこれ甥の「男」に語りますが、二人の会話は全くかみ合わない。というか、登場人物すべての話がすれ違っていて、それに登場人物がいら立ち、感情をぶつけ合っています。観ている私たちもそれに引き込まれます。(笑)

「病人」は病気が治ったらケロイドをまた別の新しいパフォーマンスで見せようと語っています。それが彼の使命であるかのように。大杉漣はこのつかみどころのない会話を通して、憑かれたように「被爆者」を生き続けてきた「病人」を熱演しています。ちょっと早口になると聞き取りにくかったりしますが、とにかく膨大なセリフをよく憶えられるものです。

難解なこの劇に敢えて意味を付けるとしたら、原爆投下とそれによる惨禍が風化しつつあるもとで、世間に飽きられ始めた自らの被爆体験を、どのように訴え続ければいいのかと自問する「病人」の姿を軸に、それとは逆に、黙って静かに死ぬべきだと考える同じ被爆者である「男」との対比がテーマという感じでしょうか。

しかしこの作品の初演は1962年。まだ今と違って核に対する世論はもっと高揚していたはずですから、ちょっと違う感じですね。ただ、現在これを上演する意味としては、収束とは程遠い福島原発事故や、にもかかわらず懲りない原発再稼働の動きとかを考えたらあてはまるともいえますが。

でも、舞台はそんな単純な解釈で収まるものではなく、登場人物が語る饒舌で猥雑で俗っぽくてアナーキー(古っ!)で非論理的なセリフで観客は最後まで煙に巻かれたままです。もっとも私の前列に座った3人の方々は、その前に深い睡眠に落ちておられましたが。(笑)

解釈といえば、この劇、登場人物すべてが死者だと考えることもできる演出でしたね。
劇では、登場人物は退場となっても舞台の袖にハケるのではなくて(まれに袖に引っ込んだ例もありましたが)、出番が終わったら基本古着の中に潜り込んで隠れるのです。
つまり敷かれた古着すべてが死者であって、その死者が舞台の進行とともに、自身の言いたかったこと、し残したことを入れ替わり立ち替わり演じるのが今回の芝居だと言えそうです。
じっと古着に埋もれて出番待ちするのも大変ですが、こちらはその膨大な衣服(死者)の中から、オペラグラスで隠れている役者を探す楽しみもあったりします。(殴) 

印象に残った役者は先の二人と、「病人の妻」を演じた神野三鈴。この人、去年は「組曲虐殺」の「伊藤ふじ子」や「サド侯爵夫人」での「シミアーヌ男爵夫人」でもいい演技で印象的だったのですが、今回もそれらに劣らず好演ぶりが目立ちました。不条理な劇でありながら条理にかなった演技(笑)、確かにこんな人が存在するなと思わせる、自然だが説得力のある演技がよかったです。
もちろん他の役者さんもあまりしどころがあるとは言えない役回りをがんばって演じていました(笑)。
ふわふわの古着の上で演じたり隠れたりするのは結構面白そうで、私は修学旅行の枕投げを思い出しました。(笑)

↓公演パンフレット表紙です。800円はお買い得。







兵庫での公演は今回1回だけで、ツアーとしても最後の大千秋楽。そのせいで入りは補助席まで出る盛況でした。
最後は劇場関係者司会で主役二人のトークショーがあったりして少し得した気分でした。司会者は勉強不足でしたが。


結局この舞台は、なにか大阪国立国際美術館で現代アートを見たような、わかったようなわからないような、いや「お客様わからない度実に95%以上(テレビショッピングかよ>私)」の観劇でしたが、「何とかの知恵は後から」で、帰宅してからあれこれと解釈が湧いて来るといった舞台でした。
ちなみになぜタイトルが「象」なのかは、作者の別役実自身わからないといっています(公演パンフレットの記事から)。



余談ですが、今月はけっこう観劇予定が多くて、中旬にまたこの劇場でこまつ座・「頭痛肩こり樋口一葉」を観て、下旬には宝塚大劇場で花組公演・「愛と革命の詩−アンドレア・シェニエ−」「Mr. Swing!」と楽しみな舞台が待っています。またつまらない感想を書きますので、お暇があればお越しください。





Wi-Fiモバイルルーターの機種変更で感じたこと

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ヨメさんが2年前にauで購入して活用しているタブレットはXoomで、最近Googleに買収されたモトローラ製のアンドロイド・タブレットです。これで外出先でインターネットするのが目的だったので、同時にモバイルルーターのDATA05も購入しました。auではモバイルルーターをWi-FiWALKERと称しています。

これがDATA05です↓


通信速度はCDMAなので下り最大3.1Mbps・上り最大1.8Mbps。今となってはかなり遅く、でも通信料金は毎月5,460円もかかっていました。


1年後には後継機種としてWiMAXも使用可のDATA08が発売されましたが、契約途中の機種変更は解約費用がかかるので断念。遅いが高価な契約が終わるのを心待ちしていました。ただ、使用感としてはそれほど不満はなかったのですが。

8月に入って、もうそろそろ2年の縛りが切れるだろうと買い物のついでにイオンモールのauショップに行ったら、「今なら無料で解約できます」とのこと。その時はDATA05を持っていなかったので契約変更はできませんでした。

Xoomはヨメさんがデイケアサービスでのリハビリの合間の暇つぶしに使っているので、ルーターは必要です。
帰宅後に後継機種を調べるためショップでもらったパンフレットを見たら、今春発売のWiMAX HWD13というのがありました。
月額料金もかなり減らせそうです。




それで、今週になってDATA05を持ってヨメさんと某家電量販店へ。

携帯コーナーのau担当者に、機種名と契約変更の意思を伝えました。でも、今はスマホのテザリング全盛なので、単体でわざわざこんなデータ端末を購入するユーザーは少ないみたいですね。なのでこの量販店には在庫なし。
ただWiMAX HWD13、モックアップを見るとスマホと同じぐらいのサイズでかなりデカいです。WiMAXで電力消費が増えてバッテリーが大きくなったためとか。

せっかくなので、料金プランなど聞いてみました。パンフレットでは以下のように、最終的に4,405円になるようですが、担当者は最初のうちは「料金は5,985円です。それに端末価格の月割料金が掛かってきます。」とのたまいました。
でもパンフレットをよく読めばどう考えても4,405円になるはず。(青丸の金額です)


それで、パンフレットを見せて「でも新規・機種変更なら1,580円マイナスと書いてあるけど」と言うと「あ、ほんとですね、これだと月額は4405円になりますね」と認めました。この担当氏、どうやら量販店のアルバイト店員さんらしく、あまり知識がないようですが、愛想よく接してくれて、近くのauショップに電話して在庫確認してくれました。

ヨメさんが契約者なので、また出直すのも手間だし今日中に決めてしまおうと、紹介されたショップに向かいました。

auは結構ドコモやソフトバンクからの流入が多いようで、ショップは平日なのに盛況。
少し待たされてから担当者が応対してくれました。電話で話が伝わっていたので、すぐ端末を持ってきて交渉開始。
ところがこの担当者も分かっていないようで、月額料金は5,985円かかるといいます。それに端末の費用も必要とも。話していると、コチラ専門家・アナタド素人というスタンスが丸見え。

また振出しに戻る感じでヤレヤレです。私がパンフレットを指して※印の注釈には機種変更の場合該当と書いてあるがと言ったら、担当氏、しばらくパンフレットを見てから、どこかに電話し始めました。

そのやりとりを聞いていると、「あっそうなんですか。はい、はい。え、それもかからないんですね、わかりました」とか言っています。けっこういい話みたいで期待が高まります。(笑)

そして電話を置いてから、「すみません、おっしゃる通りで、4,405円ですね。それと端末費用(2万円以上します!)も全額割り引き対象になっているので0円です。」とのこと。言ってみるものです。
さらにヨメさんのポイントが12,000円分ぐらいたまっていたのでそれを毎月1,000円分使うことにして、1年間は月額3,405円になりました。

ついでに「この料金プランではプロバイダの費用が525円かかるとなっているが、これはこちらで別途契約しているプロバイダを使えば不要だよね?」と聞いたら、「いやこれはインターネット接続には絶対必要です」と担当氏。
でも↓を読んだらプロバイダは選択できると読み取れるし、私が言っているのは必要かどうかではなく、変えられるかどうかなんですよね。わかっていないようですね。


ただ、この件は契約は不要だし、自宅で端末の設定を変更したらいいだけなので、それ以上説明するのはやめました。大体DATA05でもプロバイダは自分で設定変更していましたからね。

ということで、帰宅後すぐにauのホームページで、現在使用しているプロバイダが対応プロバイダに該当していることを確認。パソコンと端末を接続して設定画面を開いて、デフォルトのau.netから契約済みのプロバイダに変更しました。

最初に書いたように、今回購入したWiMAX HWD13については、スマホのテザリングで同じ機能をより速いLTEで使えるので、あまり売れないのでしょうね。でもスマホは私たち夫婦の場合はかなり今より料金が上がるし、二人ともタブレットやノートパソコンのほうが見やすいのでスマホ選択のメリットは無し。

結局これまでのDATA05よりかなり安くなったので満足ですが、ショップの言いなりになっていたらどうなったでしょうか。契約後にシステムが契約内容をチェックして間違いが訂正される仕組みになっているのならいいのですが、そうでなかったら担当氏のいうままに月額5,985円プラス端末代金が掛かってきたかもしれないですね。

もっと商品について勉強してほしいと思いました。auも新機種発表時には、ショップのスタッフに料金プランなどのサービスについて周知徹底してほしいですね。



スパーダのオイル交換と、その後の悲劇または喜劇(笑)

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スパーダの走行距離は以下のように、23年を経てやっと1万kmを超えたばかり。


マニュアルではフィルターの交換は初回13,000km。以降は12,000kmごととなっています。初回のほうが少しですが時期が長いのが不思議。


オイル交換は、各パーツの切削加工カスなどがクランクケースやシリンダーヘッド内にある可能性があるので初回は早めに実施するように指示していますが、フィルターは逆ですね。


で、前回のオイル交換はうろ覚えですが4年以上前ですね。でも距離はその間2,000kmも走っていません。それで指定の半分も走っていないしと、交換を先延ばししてきました。でもやはり経年劣化は避けられないようで、最近停止時にニュートラルに入りにくくなってきました。
それでとうとうオイル交換することにしました。たまたまガレージを掃除していたら、買い置きしていたフィルターも見つかったので(殴)、これこそ距離も少ないので汚れていないと思いますが、一緒に交換することにしました。


さてオイルですが、私は空冷のイーハトーブ改やダックス改のころから、これ↓を使用し続けています。カストロールのRS。


超ワイドレンジなので空冷エンジンの熱ダレにも強く、完全化学合成油なので潤滑性能の面ではギアオイル兼用のバイク用に最適だと思います。
ただ値段が高いのが難ですが、今回たまたま近所のホームセンターで4リットル缶が1,480円で売られているのを発見。2つ買おうかと思ったのですが、プリウスには粘度が高すぎる(ツインターボのレガシーでは常用していましたが)のでやめました。
でもこの商品を使われた方はご存じでしょうが、通常の半額以下ですね。在庫一掃セールみたいでした。
マニュアル記載のオイルの量は
全容量      2.5l
フィルタ交換時 2.0l
交換時      1.8l
フィルタ交換時でも0.5lは残るということですね。

そしても一つ必要なのが手前のスミコーの有機モリブデン系の添加剤。
これ、以前の二硫化モリブデン時代から二輪・四輪ともに使ってきました。自動車メーカーでも工場出荷時に使用している実績があるほど効果があります。ただ、新車から使うとアタリがつかないという人もいますが。
余談ですが、13万km走った昔のスカイラインのL型エンジンのカムシャフトはこの添加剤のおかげで全く摩耗せず、タペット調整なども不要でしたね。

作業は猛暑の8月13日に実施。まずエンジンをしばらく温めてからオイルを抜きます。
17サイズのドレンボルトを抜き、12サイズのオイルフィルタ・カバーボルトを緩めてフィルタカバーを外すと全量排出できます。


純正のフィルタセットには、カバー用とカバーボルト用のOリングも付いています。
前回のオイル添加剤は二硫化モリブデンの製品だったので抜いたオイルは黒かったですが、粘度は十分。ただし高温時の油膜保持能力は経年劣化でかなり落ちていたかもしれません。先に触れたように、信号待ちなどで停車時にニュートラルに入りにくくなっていましたから。


フィルタカバーに溜まったモリブデンを拭い取り、各Oリングも交換して新しいフィルタをセット。

元通り組み立てて装着しました。


各ボルトをマニュアル通りのトルクで締め付けて完了。
ドレンボルト      3.8kg-m
フィルタカバーボルト 1.8kg-m

↓のトルクレンチが便利です。


ドレンボルトのアルミガスケットは再使用したので、漏れたら液体パッキンを塗るつもりでしたが大丈夫でした。マニュアルでも特に交換を記していませんね。
そしてオイル注入。
オイル添加剤の半量を入れてから、その分を引いた量のオイルを入れて、マニュアル通りしばらく家の周辺を走って暖機してからオイル量をチェック。
普通ならこれで作業完了!となりますが、悲劇(喜劇ともいう)はこのあとでした!

エンジンを止めて、バイクにまたがったまま、バックでゆっくりとガレージに入れていた際に、横のアドレスを避けようと車体を傾けたら、ふくらはぎがエキパイに接触!
横着して半パンで作業していたので、モロに素肌に高温のエキパイが触れて「アチッ」と思ったら時すでに遅し。ほんの一瞬でしたが、見れば無残にも横6センチ縦3センチぐらい皮がきれいにベロリとめくれて、ピンクの皮膚が完全露出。パニックです。

あわててガレージ内の工具などを片付けてから、家に戻って必死で皮膚科を探しました。
でも以前行ったことのある皮膚科は13〜15日休診。市立病院ならやっているだろうとホームページで確かめたら、無情にも「完全予約制」と表示。

でもこちらも非常事態です。
前日テレビのニュース番組で、猛暑で熱くなった遊具で「低温火傷」した幼児が皮膚移植手術が必要となったという映像と、私の足の傷の形がそっくり (笑) だったので、何が何でも診てもらおうと、必死の思いで市立病院に電話しました。

受付嬢が出たので状況を言うと、「本来は診られないのですが、先生に聞いてみます」とのこと。
祈るような気持ちで保冷剤を当てながら待っていたら、「本来ならできませんが、今回は診ますと先生が仰っていますので、今すぐ来てください。何分ぐらいかかりますか?」とありがたいお言葉。
「10分で行きます」と返事して、アドレスを飛ばして直行しました。
でもけっこう受付手続きがかかり、皮膚科でもちょっと待ちました。その間の長いこと。保冷剤を置いてきたことを後悔し続けていました。

ようやく名前を呼ばれたので診察室へ。
中に女性スタッフ4人ぐらいいましたが、その中で一番若い人がお医者さんでした。
「どうされましたか」と聞かれたのでバイクのマフラーで火傷したと言ったら、すかさず3人の看護師さん、口々に「ヤッター」とか「マフラー、キター!」とか「熱いよねー、マフラー!」とか、仰天のレスポンス。
思わず「ここはヨシモトかよ?」と脱力しましたが、おかげでこちらもそれまでの悲愴な緊張から完全に解放されました(笑)。
これ、パニック患者には必須の対応法かも(笑)

女医さんもまったく気さくで、「コケたんですか?」とか「マフラーって熱いですからね」とか。言われなくてもわかってますと内心思いながらも、「いえ、オイル交換作業していて」と答えたら、ああそうですかと笑っていました。
処置は消毒液をかけてからリンデロンVGとかいう軟膏を塗ってガーゼを貼り付け、包帯を巻いて完了。
「大したことはないと思うが、また明日来てください」と言われたので翌14日の午前10時を予約。この日は薬はなく、診察だけでした。でも大したことなくてホッとしましたね。

デイケアから帰ってきたヨメさんは包帯を見てびっくりしていました。
今日は患部を濡らさないようにとのことで、この日は包帯の上にラップをぐるぐる巻きつけてからヨメさんの入浴介助と私のシャワー。

そして今日14日、予約通り病院へ。

30分前に2階の皮膚科に行くと、もう10人ぐらい診察待ちの人。それで長丁場を覚悟して、パソコンを取り出してこのブログ記事を書き始めたら、2行も書かないうちに名前を呼ばれました(笑)。
昨日診てくれた女医さん、今日は診察の当番ではないので、順番を待たなくてよかったようです。昨日と違って診察室ではなく処置室に案内されて入ったら、先生がお待ちでした。

そして患部を診ながら「どうですか、痛みますか?」と聞かれたので、「いえ全然痛みませんね〜♪」というと「それは心配です」と一言。
何でも、火傷が深いと神経まで損傷を受けて痛まないことがあるとのこと。

でも、消毒液がかけられたとき刺激があって痛いと言ったら、それなら大丈夫かもといいながら、めくれていた皮膚をはさみで切りはじめました。
切りながら私に「切っているのを見ていられますか」と聞くので「いやとても見られません」と言ったら、横に付いていた看護師さんが真顔のまま「それなら私の顔を見ていてください。」 すごい自信ですね(笑)。
お言葉どおりマジマジと彼女の顔を見ていたら、向こうから笑い出しましたが。

ここの皮膚科、かな〜り面白いです(笑)。

また軟膏を塗ってくれて、ガーゼを貼って包帯。患部はガーゼも貼りつかずラッキーでした。
でも昨日もそうだったのですが、この先生の包帯、やさしい性格なのか緩すぎ!で、今日もバイクで走行中緩んできて困りました(笑)。

治療後に半分ガーゼが余ったのですが、「これは持って帰って家で使ってください」と手渡してくれました。そして「軟膏を出しておきますので、家でガーゼに塗って使ってください。次は金曜日16日に来てください」とのこと。

その後、皮膚科の受付で予約表を受け取り、1階の会計で精算したのですが、なんと領収書には「薬なし」の表示。

もう一度皮膚科の受付で「薬が出ているはずだが」というと、すぐ確認に行ってくれました。
やはり先生が忘れていたとのことで、再度会計に行き、処方箋を受け取りました。
病院横の薬局で軟膏を受け取って、病院の駐輪場に戻ってきたら当の女医さんとばったり。
向こうから「ごめんなさい、うっかり忘れていました。すみませんでした」と謝られ、こちらも「いえいえ、どうもありがとうございました」と昨日無理に診てもらったことについてお礼をいいました。
本当に市立病院の皮膚科、かなり人間味があって楽しいです。

今回の火傷騒動のそもそもの原因が、猛暑とはいえ半パンでバイク整備をするという私の不注意から起きたことです。エキパイ部を見たら皮膚の痕跡らしいものがこびりついていました(殴)。
幸い火傷はそれほど酷くないようですが、本当にいい薬になりました。

慣れた作業だからこそ、甘く見ずいっそう注意が必要ということを再認識でした。
とくに今年のような猛暑の下での作業には普段以上の注意が必要ですね。

こまつ座第100回公演「頭痛肩こり樋口一葉」を観て

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まずいつものように劇場にたどり着くまで。
「象」と違い、今回は道路がすいていて超楽チンでした。自宅を出てからきっかり1時間で地下駐車場に到着。


前回見つけた西宮北口駅の阪急ベーカリー&カフェで軽く昼食。二人合わせて約1,000円。CP高いです。


再び劇場に戻り、開場まで待ちました。前回はギリギリの時間で焦りまくりでしたが、今回は余裕ありすぎ(笑)。
会場には愛華みれ、若村麻由美、熊谷真美への花が。




今回の席はB列でオペラ要らず。まあなんとも舞台が近いですね〜♪。頑張ってパソコンでゲットした甲斐がありました。

今回の「頭痛肩こり樋口一葉」はこまつ座のお盆恒例の演目だそうですが、まさにそのとおりの話でした。しかもこの芝居は、こまつ座の旗揚げ公演での演目で、それが今回の第100回記念公演でも上演されるということで、こまつ座にとってはとくに意義のある芝居なのでしょうね。

でもまあなんといっても役者が豪華。
「樋口一葉」こと「夏子」を小泉今日子、その母「樋口多喜」を三田和代、幽霊の「花蛍」を若村麻由美、多喜が乳母だった縁で樋口家と縁のある元旗本の養女「稲葉鑛」を愛華みれ、一葉の旧友「中野八重」を熊谷真美、妹の「樋口邦子」を深谷美歩とそうそうたる顔ぶれ。このメンバーで井上ひさしの脚本となれば面白くないわけがありませんね。

後日調べてみたら、この「頭痛肩こり‥」は宝塚のOGがよく出演しています。古くは上月晃や安奈淳が、最近では杜けあきが「稲葉鑛」を演じています。さらに大鳥れいが八重をやるなどしていますね。

さて芝居の感想ですが、さすがに井上ひさし、見ごたえ十分。面白おかしく、しかも悲しい。そして明治という時代の一面をよく描いています。

今回のお話は、一度だけ例外がありますが、基本は24歳で夭逝した樋口一葉の生涯を、樋口家の盂蘭盆会に集まる5人の女たちと1人?の幽霊の会話で構成した伝記ものです。

一葉の両親は、百姓でありながら訳あって故郷を出奔し、苦労の末ようやく八丁堀同心の身分を手に入れたものの、世は明治維新となってご破算。
でもなんとか東京府の下級吏員の身分にありつき、満4歳から9歳までの一葉は幸せだったといいます。
でも兄弟の相次ぐ不幸と退職後の父親の家業の失敗などで一家は零落。
そして父の死後、さらに家計は窮迫し、戸主となった樋口家の長女・夏子(樋口一葉)は、生活を支えるため苦闘します。そんなギリギリの生活を送る一葉と多喜と邦子の1日を、毎年7月16日の盂蘭盆会だけ切り取って見せています。

幕が上がるとセットはいたってシンプルで、4本の柱と仏壇、あとは文机程度があるだけ。ゆかたの子供たちが提灯を持って
盆の歌を歌いながら踊るところから始まります。女優のみなさんの怪演ぶりが面白いです。
以下は、こまつ座 「the座」No.75より 稽古場風景です


個々の女優の感想ですが、まずNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の小泉今日子から。


ドラマの人気を当て込んでの起用と言ったら言い過ぎかもしれませんが、結果としてはしんどかったですね。

まず気になったのはセリフ。テレビでは気にならなかったのですが、彼女がこんなに舌足らずの声だったとは。そしてセリフが何度もすべって言い直したりし緊張が途切れたり。
まあセリフがつかえたのは今回他の俳優さんでもありましたが、主役なので目立ちましたね。

それと表情の変化のダイナミックレンジ(笑)が意外に狭く、感情が十分表現できていないと思いました。ちよっと残念でした。
話題性では客が呼べるでしょうが、劇全体の完成度からすると起用は疑問ですね。観ながら、去年の「サド侯爵夫人」の蒼井優を思い出しました。

それに対して貫禄を見せたのが三田和代。余裕の演技でした。

世間体を気にして、あれこれ娘たちに指図するうるさい母親役を好演していました。そんな多喜が、最後で新盆に仏となって帰ってきて「世間体など気にしちゃダメだよ」と生き残った邦子に叫ぶのは万感胸に迫りますね。
とにかくこの人の存在感はさすがでした。

次は期待の愛華みれです。


最近の彼女は、病気治療の影響か現役時代よりふっくらしていますが、元気なのがまず何より。
そして舞台では、落ちぶれたとはいえ世が世ならお姫様の稲葉鑛をよく演じていました。零落しても気品は隠せず、でもそんな彼女が借金を頼みにまわる姿に、明治という世相の一端がよく表現されていましたね。しっとりとした演技が魅力的でした。
ただ、プチ残念なのがセリフで、やや内にこもってしまって前に出てこなかったですね。でも劇中の歌の場面ではしみじみと聞かせてくれて印象的でした。歌う回数も多くてよかったです。
ずっと元気に活躍してほしいですね。

熊谷真美はバッチリの適役。


とくに前半より、後半、苦界に身を沈めてからの開き直った「八重」が本領発揮(笑)でよかったですね。
前半観ていて、あまりしどころがなくもったいないなと思っていましたが、女郎になってから見違えるように表情が豊かになって生き生きとしています。まったく「八重」が乗り移っています。
この人、最初の「井上ひさし体験」だった「黙阿弥オペラ」での熱演にびっくりでしたが、その後も「藪原検校」などこまつ座の芝居で好演していて、なじみの役者さんになってきていました。

セリフでひときわ目立っていたのが、妹「邦子」役の深谷美歩。


すっきり明快で耳に心地よく聞こえるセリフがまず印象的。それと、抑えた中にも芯の通った安定した演技が光っていました。姉を慕い、世間体を優先して家計を顧みない母・多喜にも辛抱強く従う邦子を自然体で好演。
芝居の最後の場面で、迷わず母親の霊が戻って来れるようにと、ただ一人で新盆が終わるまで借家にとどまっていた邦子が、柳行李を持ち、一家の仏の入った重そうな仏壇を背負って借家を立ち去るシーンは、近年とみに緩みがちな私たちの涙腺をしたたかに刺激してくれました。
この健気な妹の心情を背中で見事に演じた彼女に、客席から惜しみない拍手が湧きおこりました。
おいしい役でしたね。

さて最後は「花蛍」の若村麻由美。


この人、幽霊なのにものすごくきれい(この世のものとは思われないとはこのことです^^;)で、あでやか。憑りつかれたいと思うほど(笑)。しかも情にもろく根がやさしい。生前松大国楼のお抱え女郎として人気を博したのは当然ですね。

彼女が最初登場した時、舞台の雰囲気は一変しましたね。幽霊が出てきたらパッと華やぐ舞台。シュールな世界です(笑)。
真っ白の、ガーゼのような柔らかそうな軽い生地で作られた女郎の衣装をまとい、軽々とした身のこなしで、生前はさぞやと思わせるいい女ぶり。
そして自分を自害に追い込んだ張本人が見つけられないため成仏できず、あの世とこの世を彷徨い続ける「花蛍」を妖しく演じています。
姿形もさることながら、なによりセリフがすっきり・はっきり。
やはり基礎トレーニングの差でしょうか、どんな小さい声でもよく耳に入ってきます。この人もNHKの「純と愛」で話題になりましたが、舞台俳優としての力量は大したものですね。

この「花蛍」に、井上ひさしはこの芝居のモチーフとなる明治という時代を語らせています。
花蛍は、自分を死に追いやった恨みの相手を探し出したものの、その相手の事情の背後にまた別のやむに已まれぬ事情があり、そのまた背後に‥と追い続けたら、最後には皇后までたどり着いて、その皇后も列強から包囲され維新の激動にさいなまれる天皇によって追い込まれて‥となって、最後には明治という時代そのものに行き着いたというものです。

自分で戒名を作り、自分を押し殺しながら生活のために必死な一葉にはすでに死が憑りついていて、だからこそ一葉だけに「花蛍」が見えます。この一葉と花蛍のユーモラスなやり取りと、生きられない世間を必死にたくましく生きようとする明治の女たちの姿に井上ひさしのまなざしがよく伝わってきました。

この時代を作者は「世間」といい、「世間とは絡み合った網のようなもの」で、「その網の中では女は生きることができない」と劇中で言わせています。なので盆の礼に来る死者となった女たちのほうが、生きている女たちより明るく屈託がありません。

井上ひさしの「明治」を描いた作品ではなんといっても「黙阿弥オペラ」が傑作ですね。でもこちらのほうは男の明治ですが、これもまた時代というものをよく描いていました。この2つを観ることで、作者の明治という時代の歴史観を垣間見ることができました。

現代日本を覆う時代錯誤の偏狭なナショナリズム。私はその原点をさかのぼっていったら「明治維新」に行き着きましたが、井上ひさしなら現在の日本についてどう考えたでしょうか。

そんなことを思いながら劇場を後にしました。

今回も「面白うて やがて悲しき ひさしかな」という感想ですね。
未見の方、機会があればぜひご覧ください。小難しいことは抜きにして、芝居の面白さが圧倒的です。


つぎのひさしワールドは「それからのブンとフン」かな。



万葉文化館 美術館交流展-現代日本画の革新者たち- 傑作揃いでした!

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近畿地方に大雨の警報や注意報が出されていた8月25日ですが、我が家の周辺はそれほどでもなく、なんとかヨメさんも車に乗れそうだったので出かけることにしました。
行先は奈良県立万葉文化館。ヨメさんがホームページを見て、「展示が変わっているよ」と言うので確認したら、なるほど<ふるさと知事ネットワーク美術館交流展>現代日本画の革新者たち−福井県立美術館コレクションによる−という長ったらしい展覧会名が出ていました。

「ふるさと知事ネットワーク」は正式には「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」というそうで、青森・山形・石川・福井・山梨・長野・三重・奈良・鳥取・島根・高知・熊本・宮崎の13県の知事で構成する組織とのこと。
その活動の一環として、県立美術館同士の相互交流事業が始まり、今回の展覧会もそれによって実現したそうです。それぞれの県が所蔵する美術品を広く県外にも公開していくのはいいことだと思いますね。

今回展示されていたのは、福井県立美術館の所蔵する池田遥邨・横山操・加山又造・広田多津・三上誠・小松均・西山英雄・川端龍子・竹内浩一・中島千波・入江酉一郎・米谷清和・牧進などの作品50点。それに万葉文化館が所蔵する同展展示作家の作品7点も協賛展示。

出発したのは9時過ぎ。やはり雨が心配でしたがそれほどでもなく、途中給油したりしながら明日香へ。
万葉文化館に近づくころに雨脚が激しくなってきましたが、駐車場でしばらく待機したら小雨になったので急いで入館しました。駐車場はガラガラ、私たちが本日最初の入館者になりました。

ホームページを見ただけでもヨサゲな感じでしたが、期待以上の作品ばかり。

入り口の池田遥邨の「濠」や西山英雄の「あける桜島」を見ただけでワクワク感が高まりました。
続く広田多津の「裸婦」など、いずれも伝統的な日本画とはかけはなれた、西洋絵画との近似性のある題材とか描写方法の作品が続きます。
広田多津の「裸婦」↓


加山又造の「人と駱駝」です。↓


展示作品ではまず三上誠の一連の作品が目を引きました。
初期の「作品」(←題名です)と「雪の日の丘」の2作品は、中東あたりを思わせる人物を描いた具象的な作品(でも「作品」が1944年、「雪の日の丘」も1947年と、戦中・戦後すぐに描かれているのにびっくり)ですが、1950年には「F市曼荼羅」で大転換。このF市は画家が幼少期を過ごした福井市でしょうか。敗戦を契機に画風が変わったのか、ダリを思わせるシュールな作品です。
「F市曼荼羅」↓


その後の作品は、抽象化された幾何学的な絵になっていきます。「胸の花」から「触手の大気」、「輪廻の記号A」から「灸点万華鏡」シリーズまで11点の作品は西洋絵画の手法で抽象的な新しい世界を描こうとしていて作品ごとの変化が面白いですね。

横山操の「川」と「網」は会場を圧する大作。黒々と骨太な描き方ですごい迫力でした。でも「金門橋」は一転して明るく明快な構図。この違いにも興味がわきました。

連作では高畑郁子の作品が印象に残りました。「精(夢む)」は装飾画的な美しい作品ですが、そこから「クシャトリアの女」で古代インドのバラモン教社会となり、さらに「ラダック」から仏教を主題とした絵になっていきます。
そして「聖祉青願」で仏画の曼荼羅図を思わせる主題になって、展示の最後の「合掌界」では日本の仏教絵画のような絵になっていました。
この画家は緻密で正確な描写がすごいです。この画家の夫・星野真吾の作品「MIKAMI」では、同じグループのメンバーであった三上誠のポートレートが使われていたのも面白かったです。

今回の展覧会では、会場の一番奥に展示されていた米谷清和の12点の作品が一番気に入りました。その中でも70年代に入ってからの「エレベーター」以降がよかったですね。「雨」を観て、昨年植田正治写真美術館で観た写真を思い出しました。
最初の「エレベーター」では群衆の顔が描かれていますが、「刻々」以降は背後とか遠景になって顔が描かれなくなります。いずれも極度に単純化された画面構成でインパクトがあり、洒落たタッチが現代的で気に入りました。「秋、日のない日」は現代を描きながらもレトロ感があり面白いです。

観終えて感じたことは、日本画と西洋画の境界を云々することの無意味さでした。
今回出展された画家でも、当初は洋画家としてスタートしながら、その後日本画に転向した経歴のある人が何人もいますね。
私の知人で趣味で絵を描いている人は、よく「日本画家は洋画にあこがれ、洋画家は日本画にあこがれる」といっています。実際に浮世絵が19世紀の西洋画に与えた影響はいうまでもありませんね。
万葉文化館でも、これまで何度も気鋭の画家による日本画の枠を出た斬新な作品が多く展示されてきました。つまるところ、両者の違いを突きつめれば、絵の具の違いだけになるかもしれませんね。

そんなことをあれこれ考えながら、これまで観たことがなかった作品の数々を楽しみました。

ところで、観終えてミュージアムショップに行き、気に入った作品の絵葉書を買おうとしたら、なんと1枚もなし。万葉文化館の所蔵作品の分はありましたが、福井からの作品はゼロ。ガッカリでしたね。
昨今ほとんど揮発性メモリ化した私の脳のため(笑)、買う気満々で行ったのですが空振り。残念でした。福井の名前の入った絵葉書でもいいのでなんとかならないものかと思うのですが。

がっかりしながら昼食のために前回同様、館内のカフェへ。

今回も同じ1,000円のメニューでしたが、おいしくて食材もよく、見た目よりボリュームもあって大満足でした。食事中、一時雨が激しくなりましたが、館を出るころには上がってきてラッキーでした。


デザートもGood!


この展覧会、上記の作品以外にも見ごたえのある傑作が多く、おすすめです。ぜひ明日香に来られたらお立ち寄りください。きっと満足されると思います。

期間は8/17(土)〜10/6(日)までです。




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