5月21日(木)に、兵庫芸文センター阪急中ホールで『シャーロック ホームズ2〜ブラッディ・ゲーム〜』を観てきました。
この公演の観劇を決めたのは、チラシにあった出演者の中に、一路真輝や別所哲也、橋本さとし、そして懐かしい春風ひとみの名前があったからです。
まあホームズと名がつけば探偵もの、だいたい中身は予測できるよねということで、出演者以外の予備知識はゼロ、ぶっつけ本番の観劇でした。いつものことですが。(笑)
最近は定位置になっていますが、今回も最前列での観劇です。ただこの席、よく見えるのはいいけれど、出演者が至近距離なのでこちらが少々気恥ずかしい。大体コックリできないし(殴)。それと、逆に舞台全体のイメージがつかめないのはちょっと難ありかな。でもまあ贅沢な話ですね。
ということで、以下、感想です。敬称略です。
画像は当日購入したプログラムより(@2,000円でした。高い!!)↓
まず結論から(笑)。
なんとも難しい舞台です。演じる役者にとっても、観ている観客にとっても難しいです。その第一が台詞。メロディに乗せて台詞が語られるのですが、複雑な旋律に乗せた長台詞が延々と続く感じなので、聴き取るのが大変です。まるでお経のような(殴)感じで、とくに一幕目がキツかった。(笑)
観客も大変ですが、やっている役者さんも大変だろうと思います。耳になじむ旋律とはいえないし、全体に早口なので、「よく覚えられものだな」と変なところで感心したり。
でも休憩を挟んで二幕目から動きが出てきて俄然面白くなりました。
ただ、題名から予測できるような、複雑な犯罪トリックを解き明かす緻密な探偵もの、ではないですね。むしろ犯人の背負った怨念とか、社会への挑戦から連続殺人に至ってしまう歴史的な過程がメインな話です。
でも出演者が芸達者で、芝居としてストーリーの展開の面白さよりも役者の魅力が勝っているといった感じでした。
最後のどんでん返しもそれほど効果的ではなかったし。
というわけで、そもそもスケジュール的に不可能でしたが、そうでなくてもリピートはまずなかったですね。でも一度は観るべき価値はありました。音楽も生演奏でよかったです。
で、出演者別の感想です。
まずワトソン役の一路真輝。
今回のワトソンは、ホームズの助手ではなく、かなり勝手に動いています。犯人と直接対決したりで、ホームズのほうが影が薄いくらいの活躍ぶり。
舞台上の一路真輝、変わらないねーといいたいところですが、やはり容姿は相応にお年を召されていました。(殴)
余談ですが、彼女を初めて舞台で観たのは、『はばたけ黄金の翼よ』のクラリーチェ。初々しくきれいな娘役が出てきたと思ったら実は男役で、臨時に娘役に抜擢されたと聞いてびっくりでした。その印象があったので、トップ就任後もどこか線の細い感じがあったのですが、ご存じトートで大ブレーク。大したものでした。
今回の舞台でもその歌唱力は変わらず、先に言ったように活発な役で、演じるのものびのびと楽しそうでピッタリでした。
そしてホームズの橋本さとしです。
この前、『十二夜』でマルヴォーリオを観たばかりで、ご縁があります。(笑)
で、プログラムを見たら今回の公演の稽古と『十二夜』への出演の期間がかぶっていたとのこと。大変ですね。よく務まるものだと感心です。
この芝居のホームズは、先にふれたように緻密な頭脳派探偵ではなく、かなり肉体派というか体育会系の探偵役です。だから、あまり知的ではないホームズ。(笑)
でもそんな親しみのある人間臭い人物を演じていて、難曲ぞろいな歌も頑張っていて、芸達者の面目躍如でした。演技のダイナミックレンジが広いです。
この芝居の目玉キャストの一人がマリア・クララ役の秋元才加ですね。AKB48の出身だとか。
でも私は今回の観劇で初めて名前を知りました。(殴)
盲目の役で、聖母マリアのイメージの役だそうで、確かにそんな感じがよく出ていました。ベテランぞろいの役者さんの中でも臆せず、存在感もそれなり。でも歌はまだ課題が多いと思いますね。声はよく出ていると思いますが。
今回一番観たかったのが、春風ひとみ。
エミリー院長役ですが、過去の場面ででてくるだけで、出番は少ないです。もったいないです。院長のあとは、娼婦役のアンサンブルで登場(これが少々ドッキリな姿でした(笑))。
でも出番は少なくても、舞台に出てくるだけで存在感十分。懐かしいあの「マリア公爵夫人」が目前によみがえってきました。やはり再演を重ねても、いまだにこの人を超えるマリア公爵夫人にはお目にかかれないですね。
私たちの観た日は、役代わりのエドガーは小西遼生ではなく良知真次。
そういえば小西遼生も『十二夜』に出ていたので、やっぱり忙しかったでしょうね。
前者のエドガーも観たい気がしましたが、良知真次のエドガーも若々しくて似合っていました。この人も初めてお目にかかりましたが、難しい歌とダンスをよくこなしていました。演技も自然で、後半のプチどんでん返しにはうまくひっかけられた感じです。
一番魅力のある役だったのが、ジェシカ/オリビア役のまりゑ。
とくにダンサーのジェシカはスタイル抜群でゴージャス、”ロンドンの太陽”という形容詞のまんまで魅力的でした。一方オリビアは”お堅い鉄のパンツ(プログラムより)”な女性政治家。両極端な儲け役で、終演後のトークショーでも司会役として手際よくリードしていました。今後注目したいです。
そして最後は別所哲也。
この人とはFMの番組でおなじみですが、舞台を見るのは初めてです。
役名はなんとクライブ・オーウェン! 警部役です。
舞台が始まって、その名前を聞いてついニンマリ。
クライブ・オーウェンといえば、ご存じ『ザ・バンク 堕ちた巨像』とか『シャドウ・ダンサー』での演技が印象的なイギリスの俳優ですが、言われてみればどこか別所哲也と通じるものがありますね。
↓Wikipediaより
ということで、目の前の警部はクライブ・オーウェンが演じているんだと思いながら観ていました。(笑)
しかし、別所哲也は大した役者さんですね。歌も演技も台詞も味があります。歌など、観劇しながら、この人のファントムを観てみたいと思ったほど深い味のあるものでした。もう感心しまくり。最大の収穫でした。
今回のシャーロック ホームズは、タイトルに「ブラッディ・ゲーム」とあるように、謎解きよりは、血みどろの連続猟奇殺人とその背景を、過去にさかのぼって読み解いていくといった話でした。
ただ、繰り返しますが、台詞の大半が観客にも聴取パワー(笑)を求める難曲になっているので、話を追うだけでもけっこう疲れます。笑
それで兵庫芸文センターでのチケットの販売状況は、初日の幕が上がっても苦戦していたようで、トークショーでも出演者が口々に「またのご来場をお待ちしています」と言っていたのが印象的でした。
さて、この2日後は『1789‥』の2回目観劇でした。その感想はまたのちほど。
この公演の観劇を決めたのは、チラシにあった出演者の中に、一路真輝や別所哲也、橋本さとし、そして懐かしい春風ひとみの名前があったからです。
まあホームズと名がつけば探偵もの、だいたい中身は予測できるよねということで、出演者以外の予備知識はゼロ、ぶっつけ本番の観劇でした。いつものことですが。(笑)
最近は定位置になっていますが、今回も最前列での観劇です。ただこの席、よく見えるのはいいけれど、出演者が至近距離なのでこちらが少々気恥ずかしい。大体コックリできないし(殴)。それと、逆に舞台全体のイメージがつかめないのはちょっと難ありかな。でもまあ贅沢な話ですね。
ということで、以下、感想です。敬称略です。
画像は当日購入したプログラムより(@2,000円でした。高い!!)↓
まず結論から(笑)。
なんとも難しい舞台です。演じる役者にとっても、観ている観客にとっても難しいです。その第一が台詞。メロディに乗せて台詞が語られるのですが、複雑な旋律に乗せた長台詞が延々と続く感じなので、聴き取るのが大変です。まるでお経のような(殴)感じで、とくに一幕目がキツかった。(笑)
観客も大変ですが、やっている役者さんも大変だろうと思います。耳になじむ旋律とはいえないし、全体に早口なので、「よく覚えられものだな」と変なところで感心したり。
でも休憩を挟んで二幕目から動きが出てきて俄然面白くなりました。
ただ、題名から予測できるような、複雑な犯罪トリックを解き明かす緻密な探偵もの、ではないですね。むしろ犯人の背負った怨念とか、社会への挑戦から連続殺人に至ってしまう歴史的な過程がメインな話です。
でも出演者が芸達者で、芝居としてストーリーの展開の面白さよりも役者の魅力が勝っているといった感じでした。
最後のどんでん返しもそれほど効果的ではなかったし。
というわけで、そもそもスケジュール的に不可能でしたが、そうでなくてもリピートはまずなかったですね。でも一度は観るべき価値はありました。音楽も生演奏でよかったです。
で、出演者別の感想です。
まずワトソン役の一路真輝。
今回のワトソンは、ホームズの助手ではなく、かなり勝手に動いています。犯人と直接対決したりで、ホームズのほうが影が薄いくらいの活躍ぶり。
舞台上の一路真輝、変わらないねーといいたいところですが、やはり容姿は相応にお年を召されていました。(殴)
余談ですが、彼女を初めて舞台で観たのは、『はばたけ黄金の翼よ』のクラリーチェ。初々しくきれいな娘役が出てきたと思ったら実は男役で、臨時に娘役に抜擢されたと聞いてびっくりでした。その印象があったので、トップ就任後もどこか線の細い感じがあったのですが、ご存じトートで大ブレーク。大したものでした。
今回の舞台でもその歌唱力は変わらず、先に言ったように活発な役で、演じるのものびのびと楽しそうでピッタリでした。
そしてホームズの橋本さとしです。
この前、『十二夜』でマルヴォーリオを観たばかりで、ご縁があります。(笑)
で、プログラムを見たら今回の公演の稽古と『十二夜』への出演の期間がかぶっていたとのこと。大変ですね。よく務まるものだと感心です。
この芝居のホームズは、先にふれたように緻密な頭脳派探偵ではなく、かなり肉体派というか体育会系の探偵役です。だから、あまり知的ではないホームズ。(笑)
でもそんな親しみのある人間臭い人物を演じていて、難曲ぞろいな歌も頑張っていて、芸達者の面目躍如でした。演技のダイナミックレンジが広いです。
この芝居の目玉キャストの一人がマリア・クララ役の秋元才加ですね。AKB48の出身だとか。
でも私は今回の観劇で初めて名前を知りました。(殴)
盲目の役で、聖母マリアのイメージの役だそうで、確かにそんな感じがよく出ていました。ベテランぞろいの役者さんの中でも臆せず、存在感もそれなり。でも歌はまだ課題が多いと思いますね。声はよく出ていると思いますが。
今回一番観たかったのが、春風ひとみ。
エミリー院長役ですが、過去の場面ででてくるだけで、出番は少ないです。もったいないです。院長のあとは、娼婦役のアンサンブルで登場(これが少々ドッキリな姿でした(笑))。
でも出番は少なくても、舞台に出てくるだけで存在感十分。懐かしいあの「マリア公爵夫人」が目前によみがえってきました。やはり再演を重ねても、いまだにこの人を超えるマリア公爵夫人にはお目にかかれないですね。
私たちの観た日は、役代わりのエドガーは小西遼生ではなく良知真次。
そういえば小西遼生も『十二夜』に出ていたので、やっぱり忙しかったでしょうね。
前者のエドガーも観たい気がしましたが、良知真次のエドガーも若々しくて似合っていました。この人も初めてお目にかかりましたが、難しい歌とダンスをよくこなしていました。演技も自然で、後半のプチどんでん返しにはうまくひっかけられた感じです。
一番魅力のある役だったのが、ジェシカ/オリビア役のまりゑ。
とくにダンサーのジェシカはスタイル抜群でゴージャス、”ロンドンの太陽”という形容詞のまんまで魅力的でした。一方オリビアは”お堅い鉄のパンツ(プログラムより)”な女性政治家。両極端な儲け役で、終演後のトークショーでも司会役として手際よくリードしていました。今後注目したいです。
そして最後は別所哲也。
この人とはFMの番組でおなじみですが、舞台を見るのは初めてです。
役名はなんとクライブ・オーウェン! 警部役です。
舞台が始まって、その名前を聞いてついニンマリ。
クライブ・オーウェンといえば、ご存じ『ザ・バンク 堕ちた巨像』とか『シャドウ・ダンサー』での演技が印象的なイギリスの俳優ですが、言われてみればどこか別所哲也と通じるものがありますね。
↓Wikipediaより
ということで、目の前の警部はクライブ・オーウェンが演じているんだと思いながら観ていました。(笑)
しかし、別所哲也は大した役者さんですね。歌も演技も台詞も味があります。歌など、観劇しながら、この人のファントムを観てみたいと思ったほど深い味のあるものでした。もう感心しまくり。最大の収穫でした。
今回のシャーロック ホームズは、タイトルに「ブラッディ・ゲーム」とあるように、謎解きよりは、血みどろの連続猟奇殺人とその背景を、過去にさかのぼって読み解いていくといった話でした。
ただ、繰り返しますが、台詞の大半が観客にも聴取パワー(笑)を求める難曲になっているので、話を追うだけでもけっこう疲れます。笑
それで兵庫芸文センターでのチケットの販売状況は、初日の幕が上がっても苦戦していたようで、トークショーでも出演者が口々に「またのご来場をお待ちしています」と言っていたのが印象的でした。
さて、この2日後は『1789‥』の2回目観劇でした。その感想はまたのちほど。