今年最初の観劇は、1月8日の梅芸メインホールでの「モーツァルト!」からスタートしました。年金生活者にはチトお高いチケットでしたが、なにしろ豪華キャストなので、ネットでポチッとな。でも人気公演で2階席しかなく、ヨメさんにはムリ。事前に劇場に連絡して車いすスペースに変更してもらいました。
当日は正月明けとあって道路はもうガラすき。予定通りに地下駐車場に到着。12時半開演といういささか変則パターンでしたが、いつもの店で昼食も済ませて、スタッフに案内されて余裕で劇場内に。
以下は、その感想です。全然絶賛していないので、観劇されて今も感動に浸っておられる方はスルーしてください。ただし、印象だけの感想なので、ネタバレはほぼありません。(笑)
例によって敬称は略させてもらっています。
(画像は当日購入の公演プログラム(2,000円もしました!)から部分的にスキャン)
私たちが観たのはヴォルフガング・モーツァルトが井上芳雄で、
モーツァルトの妻・コンスタンツェが平野綾、
ヴァルトシュテッテン男爵夫人が春野寿美礼というバージョン。
で、いきなり全体の結論ですが、残念ながらいささか期待はずれでした。ドラマチックな盛り上がりに欠ける脚本でガッカリ。特に前半が同じような場面が続くため退屈でした。後半になってようやく面白くなってきたものの、全体としては「こんなはずでは」感がぬぐえなかったですね。
それと、音響効果が最近体験したことのないほど悪く感じました。せっかくの生演奏ですが、音声より音量が大きくて、歌詞にかぶって聞き取りにくく、おまけに台詞のかわりに歌をつないで舞台が進行するので、話がよくわかりませんでした。
そんな中で一番よかったのがヴァルトシュテッテン男爵夫人で今回初参加の春野寿美礼。私たちはこの人の舞台を観るのは「ア ソング フォー ユー」以来。
本当に久しぶりで、私たちとしてはWキャストの香寿たつきも観たかったのですが、チケットの都合で春野寿美礼になったものの、再見が楽しみでした。で、結果ですが、彼女の歌う「星から降る金」、よかったですねぇ~。
とにかく春野寿美礼が非常に気持ちよさそうに歌っていて、その気持ち良さがこちらにもモロに伝わってきて、一体となって引き込まれました。劇場の音響の悪さも、ソロで歌う場面だと目立たなくなったのが救いでした。
「ア ソング フォー ユー」以来の懐かしささえ感じる(笑)歌唱力に加えて、曲も今回の舞台随一の流麗な旋律。
まったく春野寿美礼の独壇場でした。香寿たつきも、彼女ならではの深みのある好場面になったことと思いますが、春野寿美礼の持ち味の伸びのある歌声で聞かせてくれました。これが最大の収穫。
あと収穫といえば、やはり全く衰えを見せない花總まりの容姿。それほど見せ場がない姉のナンネール役なので、ちょっともったいない感がありますが、エリザベートの初演時からの時間の経過を考えたら、驚きの若さです。
もっと華のある役で、歌う場面も多かったらと残念でしたが、父レオポルド役の市村正親とのやりとりもしっとりとして自然な演技でいい感じでした。本当に賞味期限が長いですねぇ~(殴)
まだまだ今後の活躍が期待できますね。
(宝塚といえば、「モーツァルト!」の常連の秋園美緒も、変わらぬ美声で活躍、健在ぶりを示していました。)
その市村正親はさすがに大病を経たせいか、舞台では以前と比べたらちょっと小さく感じましたが、「それからのブンとフン」のコミカルな演技とは違うシリアスな父親像を見せてくれました。頑張ってほしいです。
でようやくヴォルフガング・モーツァルトの井上芳雄について。
私たちがこの人の舞台を観るのは三回目です。最初はこまつ座の「組曲虐殺」で、初めて見る彼の舞台でしたが、いい演技で好印象を受けました。さらにその印象が深まったのが同じくこまつ座の「イーハトーボの劇列車」。
さわやかな宮沢賢治で、セリフも演技も明快で本当に好青年。まあ実際の宮沢賢治とは違うかもしれませんが、感情移入のできる人物で、一挙に井上芳雄をひいきにしたくなりましたね。
でも今回はそんな冴えがない役回りで、音響の悪さと脚本のせいで歌もセリフも前二作ほどこちらに伝わってくるものがなかったのは残念でした。
その妻コンスタンツェが平野綾です。
この人、公演プログラムで小池修一郎が書いているように、童女のようなキャラクタです。平たく言えば小娘的で、それが受けるのでしょうが、「レディ ベス」同様にちょっと違和感がありました。これはまったく私の好みの問題なので、ひいきの方には申し訳ないですが。
そういえば「レディベス」と今回の「モーツァルト!」は順序は逆ですが、クンツェ・リーヴァイ・小池のトリオが手掛けるシリーズ作品で、キャストもかぶり、全体の印象も似ていますが、やはり「エリザベート」を超えることはできていませんね。「エリザベート」の偉大さを改めて再認識しました。ミュージカルはまず曲の出来栄えが第一だとつくづく思いますね。いくら「エリザベート」を生んだ名手トリオといえども、それを超えるのは至難の業だとも思いました。
好みといえば、コロレド大司教の山口祐一郎も頑張っていましたが
イマイチしっくりしない感じで、私としては「レディベス」で見た石丸幹二がやってくれたらもっとよかったのにと思ったり。
ええ、これも個人的な嗜好の問題です。
というわけで、本公演初観劇でしたが、あまり気乗りのしない感想になってしまいました。
とにかく音響の悪さが気になりました。それは座る位置でも違うのでしょうが、少なくとも私たちの座った、客席上手から下手へと横断する通路の上手端では、歌もセリフも明瞭とはいかず、ただバックの演奏だけが響くという感じで興ざめでした。まるで二昔前ぐらいの大劇場みたいでした。(笑)
それに、史実によるモーツァルトの生涯はかなり波乱にみちたものですが、脚本では掘り下げ不足。それは歌を多用し過ぎる構成にも因ると思いました。
それで、とくに一幕ではついコックリ。終わっても感動のスタンディングという気分にはなれなかったのが残念でした。
さて今週はいよいよ宝塚です。なかなか好評のようなので楽しみです。
当日は正月明けとあって道路はもうガラすき。予定通りに地下駐車場に到着。12時半開演といういささか変則パターンでしたが、いつもの店で昼食も済ませて、スタッフに案内されて余裕で劇場内に。
以下は、その感想です。全然絶賛していないので、観劇されて今も感動に浸っておられる方はスルーしてください。ただし、印象だけの感想なので、ネタバレはほぼありません。(笑)
例によって敬称は略させてもらっています。
(画像は当日購入の公演プログラム(2,000円もしました!)から部分的にスキャン)
私たちが観たのはヴォルフガング・モーツァルトが井上芳雄で、
モーツァルトの妻・コンスタンツェが平野綾、
ヴァルトシュテッテン男爵夫人が春野寿美礼というバージョン。
で、いきなり全体の結論ですが、残念ながらいささか期待はずれでした。ドラマチックな盛り上がりに欠ける脚本でガッカリ。特に前半が同じような場面が続くため退屈でした。後半になってようやく面白くなってきたものの、全体としては「こんなはずでは」感がぬぐえなかったですね。
それと、音響効果が最近体験したことのないほど悪く感じました。せっかくの生演奏ですが、音声より音量が大きくて、歌詞にかぶって聞き取りにくく、おまけに台詞のかわりに歌をつないで舞台が進行するので、話がよくわかりませんでした。
そんな中で一番よかったのがヴァルトシュテッテン男爵夫人で今回初参加の春野寿美礼。私たちはこの人の舞台を観るのは「ア ソング フォー ユー」以来。
本当に久しぶりで、私たちとしてはWキャストの香寿たつきも観たかったのですが、チケットの都合で春野寿美礼になったものの、再見が楽しみでした。で、結果ですが、彼女の歌う「星から降る金」、よかったですねぇ~。
とにかく春野寿美礼が非常に気持ちよさそうに歌っていて、その気持ち良さがこちらにもモロに伝わってきて、一体となって引き込まれました。劇場の音響の悪さも、ソロで歌う場面だと目立たなくなったのが救いでした。
「ア ソング フォー ユー」以来の懐かしささえ感じる(笑)歌唱力に加えて、曲も今回の舞台随一の流麗な旋律。
まったく春野寿美礼の独壇場でした。香寿たつきも、彼女ならではの深みのある好場面になったことと思いますが、春野寿美礼の持ち味の伸びのある歌声で聞かせてくれました。これが最大の収穫。
あと収穫といえば、やはり全く衰えを見せない花總まりの容姿。それほど見せ場がない姉のナンネール役なので、ちょっともったいない感がありますが、エリザベートの初演時からの時間の経過を考えたら、驚きの若さです。
もっと華のある役で、歌う場面も多かったらと残念でしたが、父レオポルド役の市村正親とのやりとりもしっとりとして自然な演技でいい感じでした。本当に賞味期限が長いですねぇ~(殴)
まだまだ今後の活躍が期待できますね。
(宝塚といえば、「モーツァルト!」の常連の秋園美緒も、変わらぬ美声で活躍、健在ぶりを示していました。)
その市村正親はさすがに大病を経たせいか、舞台では以前と比べたらちょっと小さく感じましたが、「それからのブンとフン」のコミカルな演技とは違うシリアスな父親像を見せてくれました。頑張ってほしいです。
でようやくヴォルフガング・モーツァルトの井上芳雄について。
私たちがこの人の舞台を観るのは三回目です。最初はこまつ座の「組曲虐殺」で、初めて見る彼の舞台でしたが、いい演技で好印象を受けました。さらにその印象が深まったのが同じくこまつ座の「イーハトーボの劇列車」。
さわやかな宮沢賢治で、セリフも演技も明快で本当に好青年。まあ実際の宮沢賢治とは違うかもしれませんが、感情移入のできる人物で、一挙に井上芳雄をひいきにしたくなりましたね。
でも今回はそんな冴えがない役回りで、音響の悪さと脚本のせいで歌もセリフも前二作ほどこちらに伝わってくるものがなかったのは残念でした。
その妻コンスタンツェが平野綾です。
この人、公演プログラムで小池修一郎が書いているように、童女のようなキャラクタです。平たく言えば小娘的で、それが受けるのでしょうが、「レディ ベス」同様にちょっと違和感がありました。これはまったく私の好みの問題なので、ひいきの方には申し訳ないですが。
そういえば「レディベス」と今回の「モーツァルト!」は順序は逆ですが、クンツェ・リーヴァイ・小池のトリオが手掛けるシリーズ作品で、キャストもかぶり、全体の印象も似ていますが、やはり「エリザベート」を超えることはできていませんね。「エリザベート」の偉大さを改めて再認識しました。ミュージカルはまず曲の出来栄えが第一だとつくづく思いますね。いくら「エリザベート」を生んだ名手トリオといえども、それを超えるのは至難の業だとも思いました。
好みといえば、コロレド大司教の山口祐一郎も頑張っていましたが
イマイチしっくりしない感じで、私としては「レディベス」で見た石丸幹二がやってくれたらもっとよかったのにと思ったり。
ええ、これも個人的な嗜好の問題です。
というわけで、本公演初観劇でしたが、あまり気乗りのしない感想になってしまいました。
とにかく音響の悪さが気になりました。それは座る位置でも違うのでしょうが、少なくとも私たちの座った、客席上手から下手へと横断する通路の上手端では、歌もセリフも明瞭とはいかず、ただバックの演奏だけが響くという感じで興ざめでした。まるで二昔前ぐらいの大劇場みたいでした。(笑)
それに、史実によるモーツァルトの生涯はかなり波乱にみちたものですが、脚本では掘り下げ不足。それは歌を多用し過ぎる構成にも因ると思いました。
それで、とくに一幕ではついコックリ。終わっても感動のスタンディングという気分にはなれなかったのが残念でした。
さて今週はいよいよ宝塚です。なかなか好評のようなので楽しみです。