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今年の美術展は、大谷記念美術館『日本画にみる四季のうつろい』から。

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明けましておめでとうございます。昨年は、中小零細・人跡稀な当ブログをご覧いただき、ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年初の美術館巡りとして、1月2日に大谷記念美術館に行ってきました。
館蔵品の中から「日本画にみる 四季のうつろい」と題して約50点が展示されています。
(画像は当日購入した絵葉書から)
ちなみに去年の最終は、大阪国立国際美術館の「アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」でした。(1月15日まで開催)
宗教画が中心で、ジョヴァンニ・ベッリーニからクリヴェッリ、カルパッチョ、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼまで、ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たちの傑作が展示されていました。とくにティツィアーノの晩年の大作「受胎告知」(サン・サルヴァドール聖堂)は圧巻でした。


それはさておき、大谷美術館の開館は午前10時なので、9時すぎに出発。予定通り10時には駐車場に到着しました。まず庭園のロウバイの開花を確認しましたが、今年はまだ蕾ばかりで、ちょっとガッカリ。

気を取り直して館内に。初日ですが、正月とあって、観客は少なく、ゆったり鑑賞できました。

まず目に入ったのは山下摩起の「雪」。

これまでも何度か観ていますが、いつ観ても新鮮です。
笹に積もった重い湿った雪が、時折葉から落ちて、静かな庭にその音が響くといった感じがよく表現されています。近くで細部を見ると何が描いてあるのかわからないような荒々しい筆致ですが、少し距離を置いて観ると、くっきり笹や雪が見えてくるのが不思議です。

この画家の作品は他にも「椿」・「さざんか」・「女三態之図」が展示されていましたが、とくに後者の「女三態之図」は、古典的な女性を題材にしながら現代的な表現が印象的でした。
          「さざんか」↓


「女三態之図」↓


今回の目玉は河合玉堂と上村松園、伊藤深水の作品群です。いずれも代表作といえる逸品ぞろいで見ごたえ十分。中でも河合玉堂の「乗鞍」をはじめとする8点の作品はどれも詩情があふれ、分かりやすくて(笑)、いい絵ばかり。

「乗鞍」↓


上村松園は3点、伊藤深水も4点並べて展示されているので、両者の作風の違いがよくわかりました。
松園は端正で上品、それに比べると深水は親しみやすい(平たくいうと俗っぽい(殴))し容貌も写実的です。でもどちらもいい傑作ばかりで、しばらく足が止まってしまいました。
松園の「蛍」と

深水の「菊」がとくに良かったです。

単品でも小倉遊亀の「赤鉢絵」や

横山大観、菱田春草に前田青邨、堂本印象、山元春挙など、日本画の大家の名品が展示されていて、お正月にふさわしい豪華な展示でした。

          菱田春草「秋林遊鹿」↓


         山元春挙「雪渓遊鹿図」↓ さて鹿はどこにいるでしょう?


観終えて受付で絵葉書(@50円!!)を買ってから、庭園巡り。
先に書いたようにロウバイはまだでしたが、シコンノボタン(紫紺野牡丹)がたくさん花をつけていました。


この展覧会は2月12日まで開催されています。ぜひご覧ください。おすすめです。


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