天候が心配でしたが、27日(木)は前日の猛烈な雨と風と打って変ったおだやかな天気でラッキーでした。
木曜の宝塚観劇は初めてですが、劇場は10時前でも結構観客が来ていました。この日は団体客が多く、宝塚が初見らしい女性の団体客が目立ちました。
いつものとおり、まず売店で数量限定の「宝塚フィナンシェ」と「天下もち」を確保。どちらもおいしくて飽きません。無事ゲットで気をよくしながらロビーの郵便局で切手を購入、7月分のスカイステージ番組表も貰って入口で開場を待ちました。
今回のチケットは、実はWEBの先行販売を逃し、一時はチケット販売の利用も覚悟したのですが、たまたま公式HPを覗いたら運よく戻り?があって、15列下手ブロックを確保できたという次第でした。こういうこともあるので、WEBで販売状況をチェックするのもアリですね。
↓ひどいピンボケです(^_^;)
座席について考えてみたら、今回で宝塚バージョンの「ロミオとジュリエット」は4回目。最初の梅芸での星組公演ではまり、雪の役替わりジュリエットでプチがっかり、月の「みりおロミオ」に納得。結局全部を観ていたことになりますね。
そして途中本家フランス版「ロミオとジュリエット」で驚愕のイメージリセットののちの今回の星組ニューバージョン観劇ということになります。
都合5回も観てから言うのもなんですが、もともと私は「ロミオとジュリエット」のような悲劇は好きではありません。(殴)
根が単純な性格なので、大枚はたいて観て悲しい気分になるより、元気になれるハッピーエンドが一番という子供じみた理由です(笑)。
でもこのミュージカルバージョンでは、主人公二人の死後、二人は残された家族や街の人々の胸の中に生き続け、不毛な対立と抗争にも終止符が打たれるという結末が強調されているので、希望がありますね。
とくにそれはフランス版で強く感じました。観終わってある種の爽快感さえある「ロミオとジュリエット」でした。
今回は二役を7人が演じる大幅な役替わりアリ公演になっていますが、私たちの観た配役はAチームで以下の通りです。これがほぼベストな配役だと思いました。
ロミオ 柚希 礼音
ジュリエット 夢咲 ねね
キャピュレット卿 一樹 千尋
ロレンス神父 英真 なおき
モンタギュー卿 美稀 千種
乳母 美城 れん
ヴェローナ大公 十輝 いりす
モンタギュー夫人 花愛 瑞穂
キャピュレット夫人 音花 ゆり
愛 鶴美 舞夕
ティボルト 紅 ゆずる
マーキューシオ 壱城 あずさ
パリス 天寿 光希
ピーター 真月 咲
死 真風 涼帆
ジョン 輝咲 玲央
ベンヴォーリオ 礼 真琴
余談ですが、本当に役替わりさせられる生徒は大変ですね。
プログラムによれば、今回小池センセイは再度オーディションを行ったとのことですが、それなら役替わりなどせず、彼の判断でベストな配役を決めて、それぞれの役に専念させ、生徒のエネルギーを浪費しないほうがいいのにと思いますね。
営業サイドの意向もあるかもしれませんが。
さてようやく感想ですが(いつものことながらマクラ長過ぎですね)、まずトップ二人から。
柚希礼音はひたすらロミオになりきっています。
↓プログラム表紙より
一途に恋に恋焦がれる純粋でひたむきな青年を演じています。恋にあこがれてはいても誰でもよかったのではなく、偶然出会ったジュリエットに一目で自分の理想とする女性像を見出して、そのまま絶望的な恋に落ちて行くこともためらわない主人公を丁寧に演じていました。歌もさらに完成度が高く、強い説得力がありました。若さとジュリエットに対する純粋な愛、繊細な感情がよく表現されていて感心しました。
再演のほうがなまじ形が出来上がっているだけに、逆に役作りが難しいと彼女は言っていましたが、頑張って新しいロミオをよく作りあげていたと思いました。
対するジュリエットの夢咲ねね。
まず気が付いたのは歌です。安定感があり、聞かせてくれます。以前感じたやや心もとない部分(笑)もなくなり、安心して聞いていられます。容姿に見合った歌の成長が見て取れました。
演技も成長が見られました。
夢咲ねね自身、プログラムの中で、
「今回もう一度冷静に作品と向き合い、すべての面でブラッシュアップしていきたいです。<中略>16歳という年齢や外見の可愛らしさだけを意識するのではなく、早く大人になりたくて背伸びをしているジュリエットの本質をきちっと描き出したいですね」
と語っているように、微妙な年頃にあって、両親の歪んだ生活を反面教師にして、心から真実の愛を求め続けているジュリエットを前回以上に巧みに演じていました。
なんともゴージャスで似合いのカップルです。
観劇していて気が付いたのですが、これまでの私の宝塚版「ロミオとジュリエット」のイメージはまず「場面転換の速さ」だったのですが、単純にそうとは言えませんね。アップテンポなフランス版の後なのでそう思い込んでいただけかもしれませんが、結婚式の場面まではむしろ丹念に丁寧に話を追っている感じです。
ヴエローナの名門二家の対立と抗争の歴史、とくにキャピュレット家の、当主夫妻とティボルトを巡る歪んだ家庭事情と破たんした一家の財政などを細かく描くことで、話が単なる主人公二人の若さゆえの恋の暴走とそれによる悲劇という話にならないようにしています。
次に目立ったのがオープニングで登場する「死」の真風涼帆。
いつも彼女を見るたびに「水夏希の再来」などと思ってしまいますが、決定的に違う点があります。水夏希よりはるかに歌がうまい!(笑)
これはごく最近、スカステで役替わり公演のニュースで初めて知ったのですが、歌唱力、大したものです。ニュースを見ていたヨメさんと思わず顔を見合わせました。(でも今回の観劇ではそれが聞けず残念でしたが。)
これまでの評価は一新です。(笑)
舞台では不吉な死の雰囲気を濃厚に漂わせていました。それで登場した場面では思わず「縁起でもない、あっちへ行け!」と言いたくなりましたね。(殴)
オープニングのヴェローナ広場での立役者の一人が十輝いりすの「ヴェローナ大公」。風格さえ感じさせる偉丈夫ぶりです。声が若くてちょっと不釣り合いなのと、もう少し歌が‥と思いますが、こう思うのはこれまたフランス版大公が余りにもウマすぎだったせいかもしれません。でも十輝いりすも似合いの役でした。
今回私が一番注目したのはやはり「ティボルト」の紅ゆずる。ニュース以来すっかりハマっています(笑)。舞台化粧は特に遠目だとプチ強すぎる感じで気になりますが、オペラで見れば全くノープロブレム。
尻軽なキャピュレット夫人(音花ゆり)が道ならぬ愛で迫ってくるのも無理からぬ美形だと思うのですが、ヨメさんは同意しませんね。(笑)
ティボルト、歌も進化し続けていて、またよくなっていました。紅ゆずるが漂わせる存在感というか独特の落ち着きはどこから来ているのでしょうか。
で、今回は紅ゆずるをずっと追っていましたが、最後に「フィナーレの歌手」として、白い晴れやかな衣装で満面の笑みを浮かべて舞台下手に出てきたのはちよっと意表を突かれた感じで良かったですねぇ。満足しました。
あと、芝居の途中でバラの花を塔?の上に投げ返すシーンが今回のツボですね。
投げるほうもストライクなら、受け取る音花ゆりもナイスキャッチ!これ、けっこう高低差があるのによく失敗しないものですね。やはりこの二人、怪しい仲だ!(笑)
前後しますが、前回と同じ役の両家の夫人たちが良かったです。
まずは怪しい音花ゆり(笑)。
言わずと知れた歌唱力ですが、演技も甥のティボルトを追いかける困った伯母さんぶり全開。歌ってはキャピュレット卿を演じる一樹千尋の歌唱力とピッタリで、いい組み合わせでした。可愛らしい顔に不似合いな力のある歌は大したものです。
対するモンタギュー夫人の花愛瑞穂もいい感じですね。前回初めて存在を知って驚きましたが、しっとりとした情感を漂わせていて、キャピュレット夫人と好対照です。
美人だと思いますね。オペラで見ているとあれ十朱幸代?と思ったりしましたが(笑)、この公演で退団とか。本当に残念ですね。
ずっと星組だったとかですが、もっと早く知っていたらと悔やんでいます。「王家‥」のときはどういう役だったのでしょうか。
この残念感、ドンカルロスのフアナ・涼花リサさんと共通するものがあります。
またまた前後しましたが、好演で気を吐いたのがキャピュレット卿の一樹千尋。まさにいぶし銀の存在です。
私などはどの公演でも、この人の名が配役に入っているだけで安心してしますね。今回も前回同様、娘を家の再興の手段と考える腹黒い、でも娘に対する思いも残しているキャピュレット卿を過不足なく自然な演技で演じていました。この人はもう現在の宝塚の至宝といってもいい存在だと思いますね。歌も思った以上に音域が広く見事でした。
専科といえばもう一人、ロレンス神父役の英真なおきも、見事な歌と変わらぬ味のある演技で場面を締めていました。特に星組公演にはなくてはならない人ですね。組長当時のこの人のあいさつも懐かしいです。いつも飾らぬ温かさが伝わってきました。
あと、今回ならではの収穫が乳母の美城れんです。
まあピッタリの配役で、何で早くこの人を持ってこなかったのかと思うほどの適役でした。歌は高音域のゆとりがもう少しあればと思ったりしましたが、それ以外は完璧。
柔らかな包み込むような歌声が見事でした。セリフも上出来。ジュリエットをわが子同様に育ててきて、その幸せのためにはどんなことも厭わないという役どころを嫌味なく演じていて感心しました。
歴代乳母では月組の美穂圭子が一番と思っていましたが、今回の美城れんはトータルな評価ではそれ以上だと思います。
美城れんはスカイステージのトーク番組で私たちにもおなじみの人でしたが、今公演で認識を新たにしましたね。
はじめにほぼベストの配役と書きましたが、残念だったのはマーキューシオとパリスの配役。これは逆パターンのほうがいいと思いました。壱城あずさはがんばっていましたが、歌が課題ですね。天寿光希のマーキューシオが観たかったので、「ほぼベスト」になりました。
ベンヴォーリオは前回の涼紫央と同じヘアスタイルなのが面白かったですが、歌は段違いで今回の礼真琴が適役。抜擢にこたえて頑張っていましたが、ちよっと小柄な感じですね。その分今後演技でスケール感が出せればと思いました。
最後にかな〜り物足りなかったのが組長さんのフラメンコ。もっと見せてほしかったですね〜。短すぎ!
公演の最後が豪華なフィナーレ。これはもうトップ二人の独壇場(二人ですが(笑))。
若い二人が大人のカップルになってその魅力を見せてくれました。デュエットダンスはもうただただ見惚れるばかりです。
ロリっぽい表情だった夢咲ねねがショートカット+透ける衣装(小池センセイの指示だそうです)で、恵まれた肢体を存分に生かして踊る姿は圧巻です。キリッとした表情は別人の感があります。官能的で耽美的なダンス、必見の絶品です。
柚希礼音も大人の男の精悍さを前面に出したダイナミックな踊りを堪能させてくれました。
この二人、今の宝塚を代表するトップコンビといって過言ではないですね。
↓プログラムより
観劇の最後の感想ですが、今や宝塚の定番出し物となったこのロミジュリ、ほとんど音楽とダンスだけのシンプルの極致・フランス版元祖ロミジュリをよく宝塚バージョンに仕立て直したものだと、改めて小池センセイの力量に感じ入っています。
ミュージカルとしての完成度の高さでは、全く別物といっていい出来だと思いますね。
充実の星組と小池センセイが、来年の100周年公演で何を見せてくれるのか、今から楽しみです。
木曜の宝塚観劇は初めてですが、劇場は10時前でも結構観客が来ていました。この日は団体客が多く、宝塚が初見らしい女性の団体客が目立ちました。
いつものとおり、まず売店で数量限定の「宝塚フィナンシェ」と「天下もち」を確保。どちらもおいしくて飽きません。無事ゲットで気をよくしながらロビーの郵便局で切手を購入、7月分のスカイステージ番組表も貰って入口で開場を待ちました。
今回のチケットは、実はWEBの先行販売を逃し、一時はチケット販売の利用も覚悟したのですが、たまたま公式HPを覗いたら運よく戻り?があって、15列下手ブロックを確保できたという次第でした。こういうこともあるので、WEBで販売状況をチェックするのもアリですね。
↓ひどいピンボケです(^_^;)
座席について考えてみたら、今回で宝塚バージョンの「ロミオとジュリエット」は4回目。最初の梅芸での星組公演ではまり、雪の役替わりジュリエットでプチがっかり、月の「みりおロミオ」に納得。結局全部を観ていたことになりますね。
そして途中本家フランス版「ロミオとジュリエット」で驚愕のイメージリセットののちの今回の星組ニューバージョン観劇ということになります。
都合5回も観てから言うのもなんですが、もともと私は「ロミオとジュリエット」のような悲劇は好きではありません。(殴)
根が単純な性格なので、大枚はたいて観て悲しい気分になるより、元気になれるハッピーエンドが一番という子供じみた理由です(笑)。
でもこのミュージカルバージョンでは、主人公二人の死後、二人は残された家族や街の人々の胸の中に生き続け、不毛な対立と抗争にも終止符が打たれるという結末が強調されているので、希望がありますね。
とくにそれはフランス版で強く感じました。観終わってある種の爽快感さえある「ロミオとジュリエット」でした。
今回は二役を7人が演じる大幅な役替わりアリ公演になっていますが、私たちの観た配役はAチームで以下の通りです。これがほぼベストな配役だと思いました。
ロミオ 柚希 礼音
ジュリエット 夢咲 ねね
キャピュレット卿 一樹 千尋
ロレンス神父 英真 なおき
モンタギュー卿 美稀 千種
乳母 美城 れん
ヴェローナ大公 十輝 いりす
モンタギュー夫人 花愛 瑞穂
キャピュレット夫人 音花 ゆり
愛 鶴美 舞夕
ティボルト 紅 ゆずる
マーキューシオ 壱城 あずさ
パリス 天寿 光希
ピーター 真月 咲
死 真風 涼帆
ジョン 輝咲 玲央
ベンヴォーリオ 礼 真琴
余談ですが、本当に役替わりさせられる生徒は大変ですね。
プログラムによれば、今回小池センセイは再度オーディションを行ったとのことですが、それなら役替わりなどせず、彼の判断でベストな配役を決めて、それぞれの役に専念させ、生徒のエネルギーを浪費しないほうがいいのにと思いますね。
営業サイドの意向もあるかもしれませんが。
さてようやく感想ですが(いつものことながらマクラ長過ぎですね)、まずトップ二人から。
柚希礼音はひたすらロミオになりきっています。
↓プログラム表紙より
一途に恋に恋焦がれる純粋でひたむきな青年を演じています。恋にあこがれてはいても誰でもよかったのではなく、偶然出会ったジュリエットに一目で自分の理想とする女性像を見出して、そのまま絶望的な恋に落ちて行くこともためらわない主人公を丁寧に演じていました。歌もさらに完成度が高く、強い説得力がありました。若さとジュリエットに対する純粋な愛、繊細な感情がよく表現されていて感心しました。
再演のほうがなまじ形が出来上がっているだけに、逆に役作りが難しいと彼女は言っていましたが、頑張って新しいロミオをよく作りあげていたと思いました。
対するジュリエットの夢咲ねね。
まず気が付いたのは歌です。安定感があり、聞かせてくれます。以前感じたやや心もとない部分(笑)もなくなり、安心して聞いていられます。容姿に見合った歌の成長が見て取れました。
演技も成長が見られました。
夢咲ねね自身、プログラムの中で、
「今回もう一度冷静に作品と向き合い、すべての面でブラッシュアップしていきたいです。<中略>16歳という年齢や外見の可愛らしさだけを意識するのではなく、早く大人になりたくて背伸びをしているジュリエットの本質をきちっと描き出したいですね」
と語っているように、微妙な年頃にあって、両親の歪んだ生活を反面教師にして、心から真実の愛を求め続けているジュリエットを前回以上に巧みに演じていました。
なんともゴージャスで似合いのカップルです。
観劇していて気が付いたのですが、これまでの私の宝塚版「ロミオとジュリエット」のイメージはまず「場面転換の速さ」だったのですが、単純にそうとは言えませんね。アップテンポなフランス版の後なのでそう思い込んでいただけかもしれませんが、結婚式の場面まではむしろ丹念に丁寧に話を追っている感じです。
ヴエローナの名門二家の対立と抗争の歴史、とくにキャピュレット家の、当主夫妻とティボルトを巡る歪んだ家庭事情と破たんした一家の財政などを細かく描くことで、話が単なる主人公二人の若さゆえの恋の暴走とそれによる悲劇という話にならないようにしています。
次に目立ったのがオープニングで登場する「死」の真風涼帆。
いつも彼女を見るたびに「水夏希の再来」などと思ってしまいますが、決定的に違う点があります。水夏希よりはるかに歌がうまい!(笑)
これはごく最近、スカステで役替わり公演のニュースで初めて知ったのですが、歌唱力、大したものです。ニュースを見ていたヨメさんと思わず顔を見合わせました。(でも今回の観劇ではそれが聞けず残念でしたが。)
これまでの評価は一新です。(笑)
舞台では不吉な死の雰囲気を濃厚に漂わせていました。それで登場した場面では思わず「縁起でもない、あっちへ行け!」と言いたくなりましたね。(殴)
オープニングのヴェローナ広場での立役者の一人が十輝いりすの「ヴェローナ大公」。風格さえ感じさせる偉丈夫ぶりです。声が若くてちょっと不釣り合いなのと、もう少し歌が‥と思いますが、こう思うのはこれまたフランス版大公が余りにもウマすぎだったせいかもしれません。でも十輝いりすも似合いの役でした。
今回私が一番注目したのはやはり「ティボルト」の紅ゆずる。ニュース以来すっかりハマっています(笑)。舞台化粧は特に遠目だとプチ強すぎる感じで気になりますが、オペラで見れば全くノープロブレム。
尻軽なキャピュレット夫人(音花ゆり)が道ならぬ愛で迫ってくるのも無理からぬ美形だと思うのですが、ヨメさんは同意しませんね。(笑)
ティボルト、歌も進化し続けていて、またよくなっていました。紅ゆずるが漂わせる存在感というか独特の落ち着きはどこから来ているのでしょうか。
で、今回は紅ゆずるをずっと追っていましたが、最後に「フィナーレの歌手」として、白い晴れやかな衣装で満面の笑みを浮かべて舞台下手に出てきたのはちよっと意表を突かれた感じで良かったですねぇ。満足しました。
あと、芝居の途中でバラの花を塔?の上に投げ返すシーンが今回のツボですね。
投げるほうもストライクなら、受け取る音花ゆりもナイスキャッチ!これ、けっこう高低差があるのによく失敗しないものですね。やはりこの二人、怪しい仲だ!(笑)
前後しますが、前回と同じ役の両家の夫人たちが良かったです。
まずは怪しい音花ゆり(笑)。
言わずと知れた歌唱力ですが、演技も甥のティボルトを追いかける困った伯母さんぶり全開。歌ってはキャピュレット卿を演じる一樹千尋の歌唱力とピッタリで、いい組み合わせでした。可愛らしい顔に不似合いな力のある歌は大したものです。
対するモンタギュー夫人の花愛瑞穂もいい感じですね。前回初めて存在を知って驚きましたが、しっとりとした情感を漂わせていて、キャピュレット夫人と好対照です。
美人だと思いますね。オペラで見ているとあれ十朱幸代?と思ったりしましたが(笑)、この公演で退団とか。本当に残念ですね。
ずっと星組だったとかですが、もっと早く知っていたらと悔やんでいます。「王家‥」のときはどういう役だったのでしょうか。
この残念感、ドンカルロスのフアナ・涼花リサさんと共通するものがあります。
またまた前後しましたが、好演で気を吐いたのがキャピュレット卿の一樹千尋。まさにいぶし銀の存在です。
私などはどの公演でも、この人の名が配役に入っているだけで安心してしますね。今回も前回同様、娘を家の再興の手段と考える腹黒い、でも娘に対する思いも残しているキャピュレット卿を過不足なく自然な演技で演じていました。この人はもう現在の宝塚の至宝といってもいい存在だと思いますね。歌も思った以上に音域が広く見事でした。
専科といえばもう一人、ロレンス神父役の英真なおきも、見事な歌と変わらぬ味のある演技で場面を締めていました。特に星組公演にはなくてはならない人ですね。組長当時のこの人のあいさつも懐かしいです。いつも飾らぬ温かさが伝わってきました。
あと、今回ならではの収穫が乳母の美城れんです。
まあピッタリの配役で、何で早くこの人を持ってこなかったのかと思うほどの適役でした。歌は高音域のゆとりがもう少しあればと思ったりしましたが、それ以外は完璧。
柔らかな包み込むような歌声が見事でした。セリフも上出来。ジュリエットをわが子同様に育ててきて、その幸せのためにはどんなことも厭わないという役どころを嫌味なく演じていて感心しました。
歴代乳母では月組の美穂圭子が一番と思っていましたが、今回の美城れんはトータルな評価ではそれ以上だと思います。
美城れんはスカイステージのトーク番組で私たちにもおなじみの人でしたが、今公演で認識を新たにしましたね。
はじめにほぼベストの配役と書きましたが、残念だったのはマーキューシオとパリスの配役。これは逆パターンのほうがいいと思いました。壱城あずさはがんばっていましたが、歌が課題ですね。天寿光希のマーキューシオが観たかったので、「ほぼベスト」になりました。
ベンヴォーリオは前回の涼紫央と同じヘアスタイルなのが面白かったですが、歌は段違いで今回の礼真琴が適役。抜擢にこたえて頑張っていましたが、ちよっと小柄な感じですね。その分今後演技でスケール感が出せればと思いました。
最後にかな〜り物足りなかったのが組長さんのフラメンコ。もっと見せてほしかったですね〜。短すぎ!
公演の最後が豪華なフィナーレ。これはもうトップ二人の独壇場(二人ですが(笑))。
若い二人が大人のカップルになってその魅力を見せてくれました。デュエットダンスはもうただただ見惚れるばかりです。
ロリっぽい表情だった夢咲ねねがショートカット+透ける衣装(小池センセイの指示だそうです)で、恵まれた肢体を存分に生かして踊る姿は圧巻です。キリッとした表情は別人の感があります。官能的で耽美的なダンス、必見の絶品です。
柚希礼音も大人の男の精悍さを前面に出したダイナミックな踊りを堪能させてくれました。
この二人、今の宝塚を代表するトップコンビといって過言ではないですね。
↓プログラムより
観劇の最後の感想ですが、今や宝塚の定番出し物となったこのロミジュリ、ほとんど音楽とダンスだけのシンプルの極致・フランス版元祖ロミジュリをよく宝塚バージョンに仕立て直したものだと、改めて小池センセイの力量に感じ入っています。
ミュージカルとしての完成度の高さでは、全く別物といっていい出来だと思いますね。
充実の星組と小池センセイが、来年の100周年公演で何を見せてくれるのか、今から楽しみです。